労働総研ニュースNo.168・169号 2004年3・4月
目 次 |
・2003年度プロジェクト・研究部会代表者会議報告 |
2003年度プロジェクト・研究部会代表者会議報告 2004年3月27日13時〜17時 |
司会(唐鎌直義常任理事):議事日程に従って会議を進行したい。各プロジェクト・研究部会からの報告は別紙資料(7〜11頁)にまとめられているので、参考にしていただきたい。会議は、牧野代表理事による挨拶を兼ねた基調提起を受けて、二つのプロジェクトの報告を軸に、各研究部会の議論をできるだけかみ合わせて報告・討議していただくことをお願いしたい。
年度末のお忙しい時期にお集まりいただき感謝申し上げる。労働総研はプロジェクト・研究部会代表者会議を定例総会とは別の意味で、労働総研の調査研究・政策提起活動を進めて行く上での重要な会議として位置づけている。 労働者状態の貧困化、社会保障水準の絶対的ともいえる低下状態が一方にはある。労働運動も極めて厳しい局面に直面しているが、野村證券女性差別事件や石播における思想差別事件の勝利などの動向にも見られるように、厳しい局面を打開する光も見落としてはならない。 労働総研は、01年度のプロジェクト・研究部会代表者会議から、二つのプロジェクト、当時の時点で言えば、「基礎理論プロジェクト」と「不安定就業労働者の実態と人権プロジェクト」を軸にして、各研究部会がそれを意識しながら、研究所全体の調査研究・政策提言活動を深めてきた。「基礎理論プロジェクト」は、昨年、「報告書」=『均等待遇と賃金問題―賃金の「世帯単位から個人単位へ」をめぐる論点の整理と提言―』(『労働総研クォータリー』No.51、2003年夏季号)を提出して一応の終結を見た。 現時点で言えば、今日報告される「不安定就業労働者の実態と人権プロジェクト」と、「基礎理論プロジェクト」は、「基礎理論」に「理論問題」を加えて、「基礎理論・理論問題プロジェクト」として間口を広げて、具体的には「ナショナルミニマム論の整理・検討プロジェクト」として研究活動に入っている。今日の各部会の報告は、部会研究の報告と同時に、二つのプロジェクト報告と絡めながら行っていただきたい。 ナショナルミニマムについて言えば、全労連との共同研究、シンポジウムなどで一定の蓄積があるが、ベースのところでさまざまな理解がある。(1)所得保障にしぼって、全国一律最低賃金制などを中心にする議論。(2)それぞれの分野でナショナルミニマムを設定する議論。例えば教育についてのナショナルミニマム等々。ナショナルミニマムは統一的に理解し得るのかという問題がある。共通のベースはどこにあるのか。そうした問題点の整理が必要である。マスコミは、ナショナルミニマムの代わりにセーフティーネットという用語を使っている。これは「規制緩和」論の実態のないイデオロギー的議論である。いまこそナショナルミニマムを確立する必要な時はない。 私の理解では、ナショナルミニマムは所得に収斂させる生活資料を貨幣で表す、全国一律最低賃金制をベースにまとめ上げるべきではないかと考えている。「基礎理論・理論問題プロジェクト」の実りある報告を期待したい。
プロジェクトの責任者の伍賀一道常任理事が所用で欠席のため、私が報告する。このプロジェクトは、不安定就業・雇用失業問題研究部会と労働法制研究部会を主体にして01年12月にスタートした。プロジェクト研究の焦点を定めるまでに手持ちの文献を検討したりして、柱立てが出来たのは去年の夏である。お配りしたコピーは未完成のもので、あと2回ぐらい議論した方がいいと思うが、最終稿に限りなく近いものである。 ネーミングをどうするかで議論があった。不安定雇用労働者か不安定就業労働者か非正規雇用かといった議論があった。非正規雇用といった方が実態を広く捉えることが出来るという議論は早く消えた。「序」で、不安定就業にしたことが述べられている。「序」で、派遣やパートなどを「新しい働き方」として積極的に評価する立場があるが、それは望ましくない働き方だという立場で研究している。 不安定就業労働者の実態と人権という以上、実態調査をやるべきであったが、全面的にはやれなかった。パート・臨時労働者については全労連の調査を、派遣労働者については政府研究機関の調査を活用した。派遣・業務委託についてはいくつかのヒヤリングを行った。不安定就業労働者を日本の労働組合はほとんど組織していないし、正確な実態をつかんでいない。不安定就業者の側から言えば組合と接触したことが経営者に分かると再雇用してもらえないという不安がある。このことがヒヤリングを困難にしている要因でもある。 以下、概括的に報告する。 「序」は当プロジェクト全体の方法論・立場を明らかにしている。 「第1章 今日の日本における不安定就業問題の位置」は、総括的認識を明らかにしている。 「第2章 『労働市場の構造改革』を推進する雇用行政」は、不安定化を進め、助長している行政批判である。 「第3章 不安定就業の代表的形態の分析」は、パート・アルバイト、派遣、業務請負、フリーターを分析しているが、分析の方法が充分には統一されていない。 「第4章 人権論から見た不安定就業問題」は、契約論から見て二つの類型を分析した。一つは契約更新拒否によって常に失業を意識せざるをえない有期雇用であり、もう一つが派遣などの特殊雇用形態である。なお、外国人労働者は強制送還といった固有の不安定要因をかかえているが、その問題には充分にはふれられなかった。なお、不安定就業と労働条件の低さが悪循環となっている。この悪循環を断ち切る政策方向を提起した。 「第5章 アメリカ合衆国における市場原理の貫徹する労働市場と法規制の闘い」は、日本の将来図になる。 計画ではドイツも入れる予定であったが、出来なかった。 司会:萬井報告についての質問があれば出していただきたい。 松丸和夫:ドイツが抜けているのは私の責任である。 大木一訓:目次や編別構成は変えられるか。 萬井:構成は変わらない。 大木:不安定就業の増大は財界戦略も影響している。この問題はどこで出て来るのか。 萬井:「新時代の『日本的経営』」、日経連の21世紀戦略はどこでも取り上げられているから特に取り上げていない。企業の意図との関連で「序」と「第1章」で触れている。 大木:ドイツはたたかいの方向としても望まれており、是非入れてもらいたい。EUは新しい進展がある。EUレベルでの企業の社会的責任との関わりで触れて欲しい。 丹下晴喜:ドイツは規制がかかっている。モデルになる国があれば紹介して欲しい。「2章」と「3章」は逆転した方がいい。実体から入ったほうが理解しやすい。 萬井:ドイツは一つの典型であり入れたい。 大木:ドイツも規制緩和されているという議論も強まっているので、その点にも触れてもらいたい。 斉藤隆夫:アメリカの方向は日本の将来図であるというが、規制がかかったらこうなるということを示す意味でドイツは是非入れて欲しい。イタリアでも規制はゆるめられている。 相澤與一:ILOのパート条約との関連やグローバリゼーションのもので各国でどのようにやられているかも触れて欲しい。 金澤誠一:失業との視点を強調する必要がある。本質は失業の一形態なのか、就業の一形態なのかをはっきりさせることが重要だ。
責任者の浜岡政好常任理事が欠席のため代わって報告する。 このプロジェクトは、牧野代表理事挨拶にあったように「基礎理論プロジェクト」が終了したので「基礎理論・理論問題プロジェクト」と幅を広げて、「ナショナルミニマム論の整理・検討を行う」プロジェクトとして、昨年12月に準備会を発足させ、今年に入って2回の研究会を行っている段階である。第1回目は島田務氏から生活保護の実態を、第2回目は金澤誠一氏から家計構造の変化から見た固定費の増大、家計費の硬直化の分析を報告を受けた。次回は小越洋之助氏から最低賃金とナショナルミニマムとの関連での報告を受ける予定である。 当プロジェクトとしては、メンバーの報告が一巡した後、論点を絞った論点整理・検討に入っていくことを予定している。 司会:固定費の中身をどう見るのか。所得でどんな生活をしているのか。教育費や住宅費などの検討が必要である。 各研究部会からの報告は予め提出されているので、発言は二つのプロジェクト報告とできるだけ絡ませて行っていただきたい。
最低保障年金の額をどうするかが大変であった。「基礎理論・理論問題プロジェクト」の成果を踏まえなければならない。ミニマムを保障する構造、ナショナルミニマムをどのように構築するか、高齢期の生活保障をどうするかなど、緊急に解決が迫られている課題である。他の研究部会との連携が必要である。 牧野:ナショナルミニマムに対する過大な期待がありすぎるのではないか。ナショナルミニマムの意義と限界を見極めることが重要である。ナショナルミニマムができたらすべてハッピーというわけにはいかない。 大木:『日本の労働者階級』はナショナルミニマムを見る場合、タウンゼントを意識しながら考えていたように思う。いまどうなっているか繋げる必要がある。 相澤:わが国のナショナルミニマム論は、ビバリッジの議論に25条をつなげた面がある。それはそれでいいとしても、政策論という点をハッキリさせる必要がある。マクロ経済を問題にする社会保障制度に介護保険導入して年金制度そのものを根本的に変える攻撃がされている。社会保障制度だけでは社会保障の問題は解けない。社会保障は「完全雇用」と「福祉国家」が前提である。世代間の再生産の前提条件をガタガタに壊すイデオロギー攻撃の下で、国民の間に「もうこうなったら仕方がない」という雰囲気が出ている。小泉「構造改革」は社会保障制度のマクロモデルを破壊している。われわれは不安定就業を増大させる政策と社会保障制度破壊の攻撃を一体のものとして研究し、政策批判と政策提言をしなければならないと思う。 大木:社会福祉・社会保障を論じる時、日本では失業問題が入ってこないか、入ったとしても少ない。外国では社会保障と失業問題は一体のものとして議論・研究されている。相澤指摘は重要である。社会保障の問題研究に是非失業の問題を入れて欲しい。 相澤:学校では社会福祉の領域として失業の問題を教えないのに、国家試験の問題には出てくる。「新しい働き方論」である。この論は、不安定就業と「新しい働き方」の住み分け論であって、労働能力のある人との関係では邪道であるが、障害者の新しい働き方・生活のありようとの関係では研究されてしかるべきであると思うので、不安定就業プロジェクト報告の冒頭部分で留意をお願いしたい。
本を出版するためのレジメ作りに2年近くかかった。03年度中には執筆に入る。レジメ作りが長びいた理由はワークシェアリングをめぐる議論が空転したためである。労働時間短縮の問題をEUで議論になっている企業の社会的責任(CSR)との関連で見ることが重要であると考えている。 丹下:長時間労働は労働災害を引き起こすなど、企業の会計基準からみても問題となっている。 大木:もう一つは環境基準の問題もある。執筆のためのレジメを見ると、全体の構成が「理想論」から見て、実態が悪いという組み立てになっているように思われる。実態から出発するようにして、構成を逆転した方がいいのではないか。 藤吉信博:労働時間問題は搾取論の中心テーマである。そうゆう角度から取り組む必要があるように思う。 斎藤隆夫:外国の事例を参考にすることはできないという意見もあるが、それは外国研究のあり方による。なぜそのような制度が実現したのか、勝ちとられてきたのかが分かる、制度の背景にある運動・労働者の意識にまで踏み込んだ研究でないと、日本の運動の役に立たないのではないか。 大木:出版はいつ頃になるのか。財界の戦略と切り結ぶような、たたかいの書になるようにして欲しい。
責任者の川口和子理事が出張で欠席されたので代理出席した。報告書にもあるように女性労働研究部会のテーマは、不安定就業プロジェクトとも関連するが、研究を深めていく上ではすべての研究部会との交流が欠かせないと、常々責任者は強調している。 西村:少子化の問題提起が弱い。 丹下:少子化を企業の蓄積と結びつけて掘り下げて欲しい。 犬丸義一:女性労働問題をどう見るかが問われている。ゼンダー論ばやりだ。ゼンダー論は基本的には小ブルジョアフェミニズムである。ゼンダー論は作業仮説ではあっても、叙述論ではない。ゼンダーフリーの攻撃がかけられている。シャープな理論問題として、女性労働研究部会任せにせず、労働総研全体で取り組むべき大問題だ。2、3年かけた研究成果の上に立って労働総研としてシンポジウムをやるくらいの問題である。
『中小企業の労働組合運動―21世紀への挑』を96年に出版してから8年が経過している。研究部会として1年間近く次の本の出版を目指して検討を重ねてきたが、『今日の中小企業問題と労働運動』として、ようやく全体の章立て構成が確定した。名前が書いてある人は、レジメの起草者であって、原稿を執筆する人ではない。 中島康浩(部会事務局):研究部会のメンバーの半分が組合の役員である。資料でお配りした全労連の下請二法周知ビラのゲラを研究部会メンバーに見せて意見を求めたら、法改正後の政省令や労働基準法問題をも入れるべきであるという意見が強く、最終的には入れることになった。平沢会員が「企業の社会的責任」について報告したので、全労連としても政策化すべきであるということになり、改めて全労連職員向けに報告してもらった。中小企業問題研究部会は全労連の政策活動にも貢献している。 萬井:「企業の社会的責任」の中には強制力をもった法文があるのに、努力義務的なレベルに下げてしまう傾向がある。下げないように注意する必要がある。
ナショナルミニマムプロジェクトとの関連で言えば、全労連編で毎年発行している『世界の労働者のたたかい―世界の労働組合運動の現状調査報告』の執筆に国際労働研究部会メンバーが協力して、今年で第10集となるが、全労連の03年度の運動の重要な軸の一つとして、年金問題を重視していることもあり、毎年取り上げてきている調査項目に加えて、各国における年金改悪攻撃とのたたかいをできるだけフォローする努力を行った。 不安定就業労働者のプロジェクトとの関連で言えば、各国で不安定就業労働者が大問題になっている。例えばイタリアでは、パート規制があって、パートを雇い入れる時には労働組合と合意が必要であった。擬似的従属労働者、バールでテーブルまでビールを運んでくる労働者をなどもそうなっているらしいが、「規制緩和」が進んでいる。このような「規制緩和」とのたたかいについても重視し、関連した研究部会との連携をも強めていきたい。 大木:中小企業研究部会や国際労働研究部会は、全労連や単産の幹部と共同した調査研究活動を進めており、運動に役立つ研究成果も上がっているという点で、各プロジェクト・研究部会も教訓とすべきだと思う。
「春闘白書」の作成や他のプロジェクト・研究部会の研究成果との有機的連関を強めながら、情勢分析を系統的に深めていく努力をしている。全労連や関係する単産の幹部・活動家にも参加してもらい、できるだけオープンな形で研究会を開催していきたい。 研究部会としては、全労連が2000年に提起した「21世紀初頭における課題と展望」をひとつの重要な切り口として、日本経済の労働者・国民を主人公にした再興と労働改革の方向を、全労連や他の研究部会との協力をえながら、その具体化、発展の方向を解明する調査研究に取り組みたい。 藤吉:地銀連が行なった足利銀行破綻問題の現地調査に今宮謙二会員と参加した。地銀連、全労連や栃木労連などと相談して、地方金融機関の再編、地域経済の経営・雇用問題で、公開の研究部会やシンポジウムなども考えている。
研究部会活動は、今日の時点で、賃金問題を雇用や社会保障と関連させた広い視野で理論的に解明することを目標に、研究会参加者が現時点での賃金問題に対してそれぞれの視点からアプローチする形で研究報告をおこなってきたが、成果に結実させるまでに至っていない。若手育成と結びつけた研究部会の活動のあり方を工夫をしているところである。今後、本研究会の討論をふまえた各個人の研究成果を個人論文として発表していき、個人論文の積み重ねをふまえて、出版企画実現のめどをつけたい。また、労働者と研究者の交流が行えるような研究会運営をめざしたい。
労働総研の定例総会で何度となく研究所の研究活動にとって、現状分析と理論政策、歴史研究が欠かせないし、全労連運動の発展にとても日本労働運動の階級的・民主的伝統を継承発展させることが求められていると、主張してきた。すでに戦後の労働運動を担ってきた幹部が亡くなり始めており、関係者からのヒヤリングも喫緊の課題となっている。今年度の定例総会で、こうした長年の主張が認められ、労働運動史研究部会が発足することができた。体調を崩しているが、お礼を言わなければならないと思い出席した。研究部会は発足準備段階で、戦後の労働史研究の現段階の特徴や問題状況を数回にわたって検討し、ようやくヒヤリング対象者の選定やその略歴・プロフィール調査を報告し合える段階にまでこぎつけた。
本委員会は、2003年度定例総会方針に基づいて、労働総研の調査研究活動の実態と問題点を洗い出し、必要な改善・改革課題を常任理事会に提案する任務を負っている。労働運動の期待に応え、調査研究活動の力量を高める上で、(1)情勢に対して柔軟かつ大局的に研究できる体制の追求、(2)研究部会の設定・運営をできるだけ運動課題と緊密に結びつ、(3)調査研究活動における財政の効率的・有効活用の追求、(4)研究所の会員全体に(さらには広く労働運動の活動家に)開かれた研究所活動の組織化などに留意し、04年定例総会(05年7月)までに一定の成案を得て、総会で当面の改革目標を設定する方向で検討している。 研究所の設立主旨および規約の内容を、今日の時点であらためて確認・発展させ、調査研究の課題設定のあり方を実践的、効率的に行なうため、(1)数年来追求してきた労働総研の「21世紀研究課題」を、最近の情勢や財界戦略との関わりで、さらにどう深めていくか、(2)「21世紀研究課題」との関連で、労働問題にかかわる基礎研究をどう総合的系統的に前進させていくか、(3)全労連の「目標と展望」との関連で、研究課題をどう深め具体化していくか、(4)研究課題を深めるうえで、日本共産党第23回大会等で提起されているような新しい理論的政策的論点をどう参考にしていくかなどの議論が行われている。 全労連をはじめ、労働組合の財政事情が厳しくなる中で、研究所の財政構造についても改革が求められている。財政改革の下での調査研究活動をリアルに見通した調査研究活動を考える必要がある。プロジェクト・研究部会の再構成方向についての仮説として、(1)常任理事会の決定する重点研究課題にしたがって設置されるプロジェクト、(2)全労連等の実践的要請に応えて行なうプロジェクト・部会研究会活動、(3)常任理事会が承認した研究部会活動のあり方(現在進めている研究テーマについては、04年度(05年6月)末までに結果を出して、いったん終了する。それ以降は、検討委員会の提言にもとづく総会方針にしたがって研究部会等を再構成していく。)等がある。 以上のような調査研究活動の検討や改革を一挙にすすめることは不可能に近いので、常任理事会での議論だけでなく、広く英知を集め、より豊かな内容にするため検討を深めていく。 犬丸:アジア・アフリカ研究所はゼミ生制度を創った。その中から活動家が育った。国公立大学が独立行政法人化され、石原が都立大学の破壊・再編を強行している。新しい大学・アカデミズムの再編攻撃に対して、インターカレッジ的な研究体制をつくる必要がある。その点でも労働総研の出番だ。研究員制度を導入したらどうか。 萬井:大阪民主法律家協会は、弁護士、研究者、労働者の三者構成で創られている。民法協の下に研究会をもって、実利と結びつけた研究を行っている。 丹下:愛媛大学ではインターンシップに積極的にとりくんでいるが、個人的には、民商や県労連などの運動団体での研修も計画したいと考えている。学生に対する特別な対策を取る必要がある。
今日はさまざまな意見が活発に交わされ、豊な成果を上げたと思う。大木代表理事の提起に関連して議論された問題は、研究所の将来に関わる若手育成の問題でもあり、本日の議論を参考に、全体で充分議論し、英知を結集していきたい。 |
[各研究部会から事前に提出された報告書] |
賃金・最賃問題研究部会報告 I 2003年度の研究実績
II 2004年度の計画 社会保障研究部会報告 労働時間問題研究部会報告 序 女性労働研究部会報告 中小企業問題研究部会 国際労働研究部会報告 政治経済動向研究部会報告 2004年度の調査研究計画 青年問題研究部会報告 労働運動史研究部会報告 I 2003年度活動の概要 関西圏産業労働研究部会の今年度の研究会活動は、以下の通りであった。
II 研究会活動の総括と今後の方向性 「調査研究活動のあり方」検討委員会中間報告 04/3/26 検討委員会 (2)検討をすすめるうえでの問題意識(例示─これまでの討議の中から) (3)プロジェクト・研究部会の再構成方向の仮説 (4)実施計画策定の方法と手続き |
2003年度第3回常任理事会報告 |
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労働総研第3回常任理事会は、3月6日、13時30分から17時まで、牧野富夫代表理事の司会で、労働総研2階会議室で開催された。 I 報告事項 1)入会員の承認について、大須眞治事務局長より報告があり、承認された。 2)全労連との協議について、および 3)設立15周年記念行事について、大須眞治事務局長より、労働総研は今年12月に設立15周年を迎えるので、2004年度定例総会から2005年度定例総会までの1年間を設立15周年年とし、(1)全労連の全面的な協力を得た設立15周年記念シンポジウム「これでいいのか日本の社会、これからどうする日本の労働運動」の開催、(2)設立15周年行事にふさわしい出版計画を検討する、ことが提案された。討議の結果、(1)は全労連のリアルな調査を土台にシンポジウムを行い、実態から研究者が学ぶ場とすべきであることが強調され、11月、12月に結成・設立15周年を迎える両組織の協力・共同を強化する実りある事業として十分時間もかけ企画を成功させることが重要であることが確認された。(2)はシンポジウムを練り上げて出版してもいいのではないかという意見が出された。このような立場を踏まえ全労連との協議に臨むことが確認された。 4)プロジェクト・研究部会代表者会議(本号参照)の開催について、大須眞治事務局長より提案があり、一部修正して確認された。 5)研究部会活動のあり方検討委員会について、大木一訓代表理事より提案があり、討議の結果、いままでのプロジェクト・研究部会・調査研究活動の成果を発展させる形で、研究所の調査研究・政策提案活動のあり方を、財政状況をも考慮して、より実践的・効率的に再編する、労働組合研究の問題は15周年記念事業の中で具体化する、ことなどが確認された。 6)「不安定就業労働者の実態と人権プロジェクト」のまとめについて、伍賀一道常任理事より、3月末までに研究を終了し、夏休み前までには最終原稿を完成し、出版したい旨の報告があり、了承された。 7)「基礎理論・理論問題プロジェクト」の進捗状況について、浜岡政好常任理事より報告があり、承認された。 8)「問題提起型」調査具体化の現況について、金田豊常任理事より報告があり、承認された。 9)人事検討委員会の活動状況について、牧野富夫代表理事より報告があり、承認された。 10)2004年度定例総会までの日程調整について、大須眞治事務局長より提案があり、討議の結果、以下の日程が確認された。
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2月〜4月の事務局日誌 |
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2〜4月の研究活動 |
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