2000年8月1日(通巻125号)



目   次
巻頭言

 問われるべき「企業の社会的責任」…………………………………………山本補将

論 文

 経営破綻、合併、大量解雇の中で質的に変化する金融労組………………田中 均

 日本におけるIT革命のもとでのNTT労働者のたたかい……………………岩崎 俊

2000年度定例総会報告ほか 



問われるべき「企業の社会的責任」

山本 補将

 『現代用語の基礎知識』(自由国民社)から「企業の社会的責任」という用語が解説項目から消えて15年ほど経った。最近、再び「企業の社会的責任」が強く問われる事件が相次いでいる。近頃の事件は企業のトップの無責任経営に起因するものが多いようだ。「そごう」や「雪印」などがその典型であるが、介護サービス会社の「コムスン」もその例の一つといえる。コムスンは介護保険のスタートにあわせて全国で約1200ヶ所の事業所と約4400人の社員を配置した。ところが、介護保険制度が実施に移されて1ヶ月すこしでコムスンは規模縮小を決め、477ヶ所の営業所を統廃合し、731ヶ所の存続と社員の3割削減をうちだした。数ヶ月ほど前にコムスンの折口社長は、「毎年千拠点ずつ増やしていき、10年以内に1万拠点にします」(『文芸春秋』2000年5月号)と大言し、それに続けて「そうなると月1人あたり12万円の計算で1兆5千億円くらいの売上になる」と皮算用をしていた。収益が悪ければ撤退するのが資本家の当然の行為と言ってよいものだろうか。私にはコムスンの経営者は、経営者として当然やるべきことを怠っていたようにしか思えない。新たな領域に進出する場合、経営者は収益性について深く検討するはずである。介護保険のように地域ごとに事情の異なる市場を、マーケティングもろくにしないで営業拠点を作るなどとんでもない経営者がいるものだ。しかも、いまの介護保険制度を客観的に分析すれば介護サービスの利用抑制が働く仕組みがインプットされていることなど直ぐに理解できるはずである。最悪なのはこの撤退行動が「コムスン」で介護サービスを利用していた高齢者にどれだけの不便と不安を与えるか、さらにそこで働く社員の今後に思いが至らないことであろう。経営者としての能力の資質が問われる行為といえよう。それにしても、わが国では政治のトップだけでなく、企業のトップにも資質の疑われる人物が就きがちだ。

(会員・専修大学北海道短期大学教授)




Rodo-Soken Journal 30(英文・2000年4月発行)に掲載した2本の日本語原稿を掲載します。


経営破綻、合併、大量解雇の中で質的 に変化する金融労組

田中 均 


8名の労組が180名に

 日本では現在、巨大銀行同士の合併・統合と並んで中小金融機関の合併統合も全国で進められ、金融労働者は各地で人員削減・解雇の攻撃にさらされている。その中で、金融労働運動もこれまで見られなかった質的な変化を遂げつつある。この質的な変化は、今後の金融労働運動の本格的な発展を予期させる内容を持っている。それを象徴的に示すいくつかの事例を見ていこう。
 行政当局は、現在各地で信用組合や信用金庫の再編・統合を進めている。大阪では13の信用組合を3つの信用組合に整理・統合する計画が進められている。この計画では、10の信用組合が消滅し3つの存続信用組合に吸収される。
 この事例は昨年、ジャーナルNo26でも触れたが、その後の1年間の経過は日本の金融労組が質的に変化しつつあることをいっそうはっきりと示した。消滅する10の信用組合の一つ、信用組合大阪弘容に労働組合があったが、職員数380名に対して組合員は8名に過ぎなかった。しかし、大阪府の再編計画の動きが伝わる中で短期間のうちに多数の労働者が組合に加入し、組合員は180名に拡大した。さらに再編を強行しようとする大阪府に対して、そのうちの97名が雇用の確保を求めて大阪地裁に提訴した。97名という大量の原告団が組織された点でも、またその原告団の中には経営側から再雇用を保証された労働者が24名入っていた点でも、この再編計画に対する怒りと闘う決意の強さが表れていた。
 この闘いは、昨年4月の提訴から全国信用金庫信用組合労働組合連合会(全信労)や、全国金融労働組合共闘会議(金融共闘)、全労連の支援を受け、8月23日の合併の実施で大阪弘容が消滅した後にもたたかい続けられ、12月20日に、その時点で再雇用を希望する労働者全員を再雇用する内容で和解した。
 バブル経済崩壊後の金融危機の中で、多数の金融機関が合併や経営破綻で消滅したが、労働者たちは解雇されるにせよ、再雇用されるにせよこれほど積極的に闘うことはなかった。弘容のたたかいは明らかにこれまでと違った特徴を持っている。それまで組合へ加入しなかっただけではなく、組合に関心を持たなかった労働者が、一気に組合へ加入し、さらに自らが法廷闘争の原告となる決意をした。これは、明らかに金融労働者の変化を示している。

経営破綻後の1年間をたたかいぬく国民銀行従組

 昨年破綻宣告された国民銀行の労働組合についても、ジャーナルNo26で触れたがその後1年間の経過はやはり金融労働者の運動が新たな段階に入りつつあることを示している。国民銀行従業員組合(全国銀行労働組合連合会=銀行労連加盟)はユニオンショップで、銀行に雇用されると全員が自動的に組合員となり、組合活動に対する関心は必ずしも高くはなかった。しかし、国民銀行が金融再生委員会に経営破綻を宣告され、730名の雇用が奪われようとしたとき国民銀行の労働者は、従業員組合に結集して積極的に活動をはじめた。それまで組合活動に関心の薄かった労働者たちを含めて、職場全体に本気でたたかう気運を生み出した。
 昨年4月の破綻宣告以降1年間、同従組は先に述べた信用組合大阪弘容労組や、その外の経営破綻した金融機関の労組と連帯してさまざまな形で雇用の確保を要求して街頭での訴えや行政への要請を行った。執行部を先頭にあらゆる機会に積極的に行動する姿は、以前の国民銀行従組と全く違い、金融労組が変化しつつあることを実感させた。今年に入って、国民銀行は同じ東京に本店を持つ八千代銀行に営業譲渡されることが決定された。この営業譲渡に伴って、国民銀行から八千代銀行に引継がれる従業員数は、国民銀行の従業員の半数に満たない300名程度となることが発表された。
 国民銀行従組は、この300名の雇用枠の拡大と、八千代銀行へ雇用されない労働者への雇用の斡旋や退職金の上積みを求めてさらに闘い続けている。2月以降八千代銀行へ雇用されるものと、雇用されないものの選別が行われている。この時点で、組合員として積極的に行動することは、八千代銀行への雇用から排除される危険をともなう。しかし、組合はひきつづき要求を全面にだし、2度のストライキを行い、当初300名とされた雇用枠に27名の上乗せをかちとり、さらに闘い続けている。

合併を阻止し、社長を退陣させた殖産銀行従組

 山形県の地方銀行では、労働組合が経営者の合併計画の問題点を徹底的に追求する中で、合併そのものを阻止し、経営者を退陣させている。山形県の二つの地方銀行、庄内銀行と殖産銀行の経営者が合併に合意して公表したのは、昨年の12月21日だった。殖産銀行には、先に述べた国民銀行と同じ銀行労連に加盟する殖産銀行従業員組合があり、やはりユニオンショップ組合である。
 上部団体の銀行労連は、従来から従業員や顧客に犠牲をもたらす合併に反対の立場を取ってきた。しかし、多くの場合、経営者が強引に合併を進め、合併が強行されたところの労働組合は経営者に屈服して銀行労連を脱退した。銀行労連にとって銀行の合併発表は加盟組合の脱退を意味した。しかし、6年前に同じ殖産銀行が今回とは別の二つの地方銀行との合併を発表し、それが失敗に終わったとき、これまでの合併発表=加盟組合の脱退という流れに変化が生じた。だがこの時の変化はまだ不完全なものだった。というのはこの時、確かに殖産銀行従組は合併反対の方針を掲げて闘ったが、この段階では殖産従組自体に合併を阻止するだけの力はなかった。合併を阻止した最大の要素は、合併相手の北日本銀行内部に、合併反対の声が急速に広がったことによるものだった。
 それに対して、今回の合併計画の白紙撤回は、明らかに殖産銀行従組の闘いが最大の要素となっている。従組は、コンピュータシステム統合計画のずさんさなど合併計画の問題点を徹底的に明らかにし、連日、組合員だけではなく全職員にニュースを配布する中で管理職を含む圧倒的多数の従業員が合併計画に反対の立場に立った。それだけではない。これまでコンピュータシステムを共同開発して提携関係にあった近隣の地銀経営者が、それまでの提携関係を無視したこの合併計画に抗議するにいたった。銀行の内外で孤立した経営者は、合併合意発表から3ヶ月あまり後に、ついに合併の白紙撤回を余儀なくされ、殖産銀行の経営者は退陣した。
 合併を阻止して、経営者を退陣させるまで殖産銀行従組がたたかった要因は何か。まさに今日の日本の金融労組がおかれている客観的情勢と、その中で労働組合が大きく変化しつつあることがその要因となっている。
 日本政府は、96年に金融ビッグバン政策をうちだし、全国で中小金融機関の整理・再編を進めている。今、日本の各地で中小金融機関の経営破綻や合併で全員解雇される事例があいついでいる。そうした現実の中で、労働者たちは経営者に譲歩することで自分たちの雇用や生活を維持する段階が終わったことを否応なく実感している。これは殖産従組だけではなく国民銀行従組を支援する銀行労連加盟組合に共通した認識となっている。それは、単に生活と雇用を守るという認識にとどまっていない。
 殖産従組の結城書記長は国民銀行従組支援の集会で次のように発言した。
 「バブルのときは死ぬほど労働者を働かせ、バブル崩壊後には不良債権の回収にまた死ぬほど働かせる。そしていよいよ破綻したら労働者の半分は不要だと、いとも簡単に使い捨てる。このようなことは許されるべきではありません」
 そして殖産従組の合併反対闘争を振り返り、次のように続ける。
 「私たちの運動はこのような労働者の怒り、労働者の誇りを守る闘いでした。私たちの前に立ちはだかる大きな力にたじろぐこともありました。しかし、最後まであきらめず、いやなものは絶対にいやだ。こんなことは許されていいはずがないという気持ちを持ち続けたことが、合併の白紙撤回につながったと確信しています。」
 結城書記長は現在のたたかいを「銀行員としての誇りと尊厳を守る闘い」だという。経営破綻、企業の消滅の中で労働者は変わりつつある。彼らは救済を求め、慈悲を求めているのではない。労働組合に結集し、自らの力を作り出しその力を行使する。それが労働者としての尊厳と誇りを守る道であることをつかみつつある。

(銀行労働研究会・事務局長)






日本におけるIT革命のもとでのNTT労働者のたたかい

岩崎 俊 


IT革命で景気が回復し、雇用は拡大するのか

 私たちは、NTTグループ会社で働く労働者で組織している労働組合です。たたかうナショナルセンター全労連に加盟しています。私たちは、いまや世界的な情報通信事業を行っているNTTの横暴な経営方針を是正させるためにたたかっています。
 いま、日本では、「IT革命」が大流行です。IT革命とは、情報技術による「産業の変革」を行なうということです。
 現在日本は、長期不況で国民と労働者の生活は、深刻な状況です。失業者は、完全失業率4.9%で349万人に達しています。雇用されている労働者も、賃金が昨年より低下し、政府発表で消費支出は1.2%減少しています。国民の消費全体では、減少している一方で、パソコンや携帯電話などの情報技術関連の消費は、前年度より10.4%の高い伸びとなっています。
 電話などの普及は、NTTが独占している家庭の固定電話は、約6000万台加入、携帯電話は、約6000万台、まさに人口1億2000万人に1台の割になります。パソコンは、1993年の200万台から1999年には1000万台に急速に普及しています。いまや、日本の国民生活には、電話はなくてはならないものになっています。
 政府や資本家は、情報技術(IT)革命で景気が回復する、雇用が拡大するといっています。そして、国民の生活が今後バラ色のように広がるともいいます。本当にそうなるのか、情報通信事業にたずさわる労働者は大きな疑問をもっています。確かに、パソコン・ワープロ・携帯電話・ファックスなどの通信機器が大きな伸びを示しています。
 そして、インターネットや携帯電話の普及などを反映して電話通信料も5年連続プラスになっています。しかし、生活基本となる衣・食・住への支出が切りつめられ、IT関連への消費にまわされていく日本の国民生活実態は、世界からどのように写るのでしょうか。
 日本の国民・労働者がおかれている状況は、大変なものです。政府が、大企業のリストラ人べらしや総額人件費削減を後押しする結果、国民生活全体がゆがみ、そのゆがみが国民・労働者の心身をむしばんでいます。
 大企業は、リストラとIT革命をキーワードにして、不況でも国民と労働者に犠牲を転嫁して切り抜け、売上げが減っても「利益」だけは確保する経営を行っています。
 情報技術革命で雇用が増加するといっていますが、実態はちがいます。通商産業省が1999年9月に「情報化が雇用にもたらす影響」について調査結果を発表した。それでは、今後5年間で367万人の雇用が創出するが、過剰雇用で労働者の削減は354万人でトータル13万人の雇用が確保できるとしている。しかし、349万人失業者に雇用の機会を与えるほどの「雇用創出」を期待できないことは明らかです。また、情報技術の転換で国民や労働者への生活や雇用、労働者の働き方などに、どんな影響を与えるのでしょうか。
 それは、情報技術産業の先端を進んでいるNTTグループ会社の経営の実態を見れば明らかです。

国民利用者とともにたたかうNTT労働者

 NTTは、1985年4月1日、国営の電電公社から民営化されて「NTT」になりました。この時は、まだ国際通信事業には参入(法律でNTTの国内通信のみの事業者としていた)が許されていませんでした。
 1997年、政府は、財界の要望を受けて、敗戦後禁止されていた「純粋持株会社」方式を50数年ぶりに「解禁」しました。純粋持株会社とは、自ら事業を行わず株だけを所有し、子会社から株主配当と称して収益だけを集中させる会社方式のことです。
 それまで全国1社体制のNTTは、この純粋持株会社方式の第1号として、1999年7月1日に「分割」されました。分割は、純粋持株会社の下に、東・西2社の国内通信事業を行う「地域会社」と国際通信事業を行う「国際会社」の4社になりました。地域会社2社と国際会社の株は、100%純粋持株会社が持っています。そして、持株会社の株は、政府が59%持っています。
 持株会社NTTは、2000年4月12日、「NTTグループ3カ年経営計画」を発表しました。その主な内容は、3年間で売り上げを10.4兆円から11.5兆円に、経常利益を8000億円から1兆円に、従業員22万人を20万3000人に、そして、賃金などのコスト削減を徹底して進めるというものです。
 この持株会社の方針を受けて、100%子会社の東・西地域会社の「東・西日本電信電話株式会社」は、3カ年の「中期事業計画」を作成し進めています。
 その内容は、「街の電話局」と親しまれてきた全国の「営業窓口」の1152カ所を200カ所に削減する。電話など故障受付の拠点を57カ所を20カ所に広域集約する。従業員12万8000人を10万7000人に2万1000人を削減する。そして、賃金、福利厚生関係、企業年金の引き下げなどコストの徹底削減を打ち出しています。大都市部以外の地方や離島などで働く労働者は、東京など首都圏、大阪などの大都市部へ集められます。
 これらの「計画」が、労働者と国民利用者に与える影響は大変なものです。
 地方や離島などでの事業所廃止に伴いそこで働いている労働者には、過酷な雇用の選択が迫られます。その選択肢は、@退職するのか A単身赴任で配転するのか B一家ぐるみで配転するのか CNTTを退職して個人委託契約で働くのか「賃金は30%+出来高払い」 D地元での再就職「孫会社への転籍−賃金70%」などの選択です。結局、会社は、45才以上の労働者を退職に追い込む考えです。そして、コストの徹底削減のために現在の賃金の引き下げと「基本賃金・ボーナス」などに業績による査定を導入しようとしています。今年の春闘では、NTTグループ会社は、すべて持株会社が打ち出した「ベアゼロ」回答で統一し、賃上げゼロの回答でした。同時に、夏期手当の10万円削減も押しつけてきました。
 事業所廃止での労働者の雇用問題では、たとえば北海道などの広大な地域では、60qや、80q離れた所への配転となり、退職するか単身赴任かの選択しかないのです。
 このような状況で、労働者は悩み苦しみ、自らの命を絶つ者も多くなっています。また、単身赴任・長時間通勤「片道2時間から3時間」などで健康を損なう労働者が急増しています。
 情報通信のサービスを受ける国民・利用者への影響も大変です。
 2万1千人削減するためにNTTの全ての職場で人減らしが進められています。その結果、利用者の必要なときにNTTに繋がらない、電話の故障受付、電話・インターネット関係などの申し込みなどでもすぐに繋がらない状況になっています。国民にあまねく公平な情報通信サービスの提供をしなければならないNTTが、このようにユニバーサルサービスを切り捨てることは社会的な責任をも放棄していることです。
 「営業窓口」などの大幅な廃止で、地方や離島などでは料金支払い、申し込み、対話しての相談などのサービスが切り捨てられています。人口7万3千人の新潟の佐渡島には、2つの電話局が全て撤退するため、10市町村の自治体で8市町村の議会が「営業窓口の存続」を決議し、廃止計画を中止するよう求めています。利用者のこうした営業窓口存続の要望は、北海道、秋田、高知、福岡などに全国的に広がろうとしています。
 NTTがこのような大幅な人べらしや利用者へのサービスを切り捨てなければならないような財務状況ではありません。NTTグループは、2000年3月期連結決算で8250億円の経常利益です。また、事業を全く行わない持株会社は、1175億円の経常利益で日本一の超優良企業なのです。
 私たちは、営業窓口廃止、事業所の廃止などに対し、地域住民と共同した取り組みができるよう組織を作りたたかっています。そして、全国の自治体の議会からの「存続決議」に基づく、政府とNTTへの要請行動。国会での政府の追及の強化など、NTTを社会的に包囲するための街頭の宣伝行動などを強化しています。
 NTT労働者の雇用や賃金引下げ反対などのたたかいでは、職場労働者との対話を強め、共同してたたかっています。要求で一致し労働組合の違いを超えて、共同してNTTを追及しています。
 日本の財界がこぞって持株会社方式をめざすのは、この方式が「リストラがやりやすく、利益が最大に追求できる」システムであるからです。そのはじめての試みが、持株会社NTTでの3カ年経営計画の実践です。この持株会社方式は、21世紀の日本の労働者の働き方を左右します。
 私たちは、この持株会社でのたたかいは、歴史に残るたたかいだと考えています。
 最後に、今年10月に千葉・銚子無線の仲間が「単身赴任・長時間通勤の解消」でILOに提訴します。世界の仲間のご支援をお願いします。

(通信産業労働組合・中央執行委員長)




 6・7月の研究活動

6月27日  女性労働研究部会=報告・討論/「パート労働に係る管理研究会報告」の検討
  29日  地域政策研究プロジェクト=報告・討論/「今後の研究体制と研究課題について」検討
7月4日  労働時間問題研究部会=報告・討論/仲野組子著「アメリカの非正規雇用−リストラ先進国の労働実態」の紹介
  8日  政治経済動向研究部会=報告・討論/「通商白書」の検討
  15日  社会保障研究部会=出版企画「社会保障・社会福祉『構造改革』政策と社会保障運動の課題(仮題)」の検討作業
  16日  不安定就業・雇用失業問題研究部会=報告・討論/仲野組子著「アメリカの非正規雇用−リストラ先進国の労働実態」及び大橋範雄著「派遣法の弾力化と派遣労働者の保護」の書評及び「今後の研究計画」の検討
  18日  女性労働研究部会=報告・討論/「在宅就労問題研究会報告」の検討、「男女差別をなくす連絡会集会」の報告。青年問題研究部会=報告・討論/「最近の青年労働者をどうみるか」
  19日  国際労働研究部会=2001年版「世界の労働者のたたかい−世界の労働組合運動の現状調査報告」の執筆分担
  20日  日本的労使関係研究プロジェクト=出版企画「グローバリゼーション下の“日本的労使関係”(仮題)」の最終調整作業
  21日  中小企業問題研究部会=報告・討論/「中小企業白書」の検討及び各メンバーの研究・活動報告
  29日  関西圏産業労働研究部会=報告・討論/丸山恵也・高森敏次編著「現代日本の職場労働」の検討



 2000年度定例総会報告


設立10年の事業活動をふまえ、21世紀に向け新たな発展へ
2000〜2001年度新役員を選出

1.労働運動総合研究所の2000年度定例総会は、7月28日、東京都北区「北とぴあ」で開催された。
2.午後1時半、辻岡靖仁常任理事は開会挨拶の後、総会議長に儀我壮一郎理事を諮り、承認された。議長は、議事録署名人として、川口和子常任理事、桜井絹江理事の2人の選任を諮り、承認された。
3.議長は、今回の総会には規約改正(案)が提案されているので、総会の成立条件は現在定数の4分の3以上の出席が必要であるが、成立条件を満たしていることを報告し、総会の成立を宣言した。
 議事に入り、黒川俊雄代表理事の主催者挨拶、小林洋二全労連議長から来賓挨拶を受け、議案の提案・審議に入った。
4.「1999年度経過報告」は文書提案。「1999年度会計報告」は宇和川邁事務局長が、「1999年度監査報告」は山口孝監事が行い、いずれも承認された。
 次いで、「2000年度事業計画(案)」は戸木田嘉久代表理事が提案を行った。提案では、設立10年の事業活動の総括と21世紀初頭の情勢の展望と研究課題を中心にふれ、21世紀初頭に向け、設立趣旨に沿い、全労連との連携をいっそう密に事業を発展させていくことが強調された。審議では、きびしい状況のなかでの設立時の苦労、現在の職場の実態の特徴と運動の動向、新たな情勢の展開、全労連との連携の強化・そのための工夫、労働組合運動の新たな前進のもとでの労働総研の事業活動のあり方の検討など、7人から発言があり(次号の「労働総研ニュース」に発言趣旨を掲載予定)、これらを受けとめることを確認し、「2000年度事業計画(案)」は承認された。
5.次に、労働総研の組織現勢の拡大に沿い、理事定数の上限を「60人以内」から「80人以内」に改正することを中心とする「規約改正(案)」は、宇和川事務局長が提案を行い、承認された。
6.次に、「1999年度剰余金処分(案)」及び「2000年度予算(案)」は、宇和川事務局長が提案を行い、承認された。
7.最後の議案として、「2000〜2001年度役員選出」について、戸木田代表理事から今回の役員選出の基準及び趣旨(若返り、常任理事会の機動力の強化、手薄な分野及び女性の研究者の補充など)と検討作業にふれながら、新理事(67人)、監事(2人)、顧問(2人)の提案が行われ、承認された(別項名簿参照)。
8.総会は暫時休会。ただちに、新理事会が大江洸代表理事を議長にして開催され、代表理事(3人)及び常任理事(16人)を互選し、さらに代表理事は事務局長を任命した(別項名簿参照)。
9.総会は再開され、大江代表理事は、新理事会での互選と新事務局長の任命の結果を総会に報告した。
10.以上をもって一切の議事を終了し、牧野富夫新代表理事が閉会挨拶を行い、5時10分閉会した。



2000〜2001年度新役員名簿 

〈理事〉
相沢 与一(長野大教授)
 天野 光則(千葉商科大教授)
 一ノ瀬秀文(大阪市大名誉教授)
 伊藤 セツ(昭和女子大教授)
 上田 誠吉(弁護士)
 内山  昂(元国公労連委員長)
 内山  昭(立命館大教授)
 宇和川 邁(労働問題研究者)
 江口 英一(中央大名誉教授)
大須 真治(中央大教授)
 置塩 信雄(神戸大名誉教授)
大木 一訓(日本福祉大教授)
 小沢 辰男(武蔵大名誉教授)
 小川 政亮(元日本福祉大教授)
大江  洸(元全労連議長)
 小田川義和(国公労連書記次長)
 小越洋之助(国学院大教授)
 角瀬 保雄(法政大教授)
 上条 貞夫(弁護士)
川口 和子(女性労働問題研究者)
金田  豊(労働問題研究者)
唐鎌 直義(大正大教授)
 金沢 誠一(仏教大教授)
 木元進一郎(明治大名誉教授)
 儀我壮一郎(大阪市大名誉教授)
 黒田 兼一(明治大教授)
熊谷 金道(全労連副議長)
草島 和幸(労働総研事務局長)
 小林  勇(国際労働問題研究者)
伍賀 一道(金沢大教授)
 桜井 絹江(女性労働問題研究者)
桜井  徹(日本大教授)
 塩田庄兵衛(都立大・立命館大名誉教授)
 嶋津千利世(元群馬大教授)
 島崎 晴哉(中央大名誉教授)
 下山 房雄(九州大名誉教授)
 椎名  恒(北海道大助教授)
 清山  玲(茨城大助教授)
 芹沢 寿良(高知短大名誉教授)
 高木 督夫(法政大名誉教授)
 竹内 真一(明治学院大教授)
 田沼  肇(法政大名誉教授)
辻岡 靖仁(労働者教育協会会長)
寺間 誠治(全労連労働調査政策局長)
永山 利和(日本大教授)
 仲野 組子(同志社大非常勤講師)
 西村 直樹(金属労研事務室長)
 西岡 健二(自治労連中央執行委員)
 野田 正穂(法政大名誉教授)
 長谷川正安(名古屋大名誉教授)
浜岡 政好(仏教大教授)
 林  直道(大阪経済法科大客員教授)
 浜林 正夫(一橋大名誉教授)
 春山  明(労働問題研究者)
日野 秀逸(東北大教授)
 藤本  武(労働科学研究所客員所員)
 藤田  実(桜美林大教授)
 藤吉 信博(労働問題研究者)
牧野 富夫(日本大教授)
 松丸 和夫(中央大教授)
 前川 昌人(日本医労連書記長)
三富 紀敬(静岡大教授)
 山田 信也(名古屋大名誉教授)
 八幡 一秀(作新学院大教授)
萬井 隆令(竜谷大教授)
 吉田 敬一(東洋大教授)
 吉田 健一(弁護士)
〈監事〉
 岩田 幸雄(全労連事務局次長)
 山口  孝(明治大名誉教授)
〈顧問〉
 黒川 俊雄(慶応大名誉教授)
 戸木田嘉久(立命館大名誉教授)

(注)は代表理事・は常任理事



 99年度第5回常任理事会報告
 99年度第5回常任理事会は、6月3日、東京で開催。内容は以下のとおり。
1.加入・退会承認の件
2.本年度定例総会案件検討の件
  .1999年度定例総会以降の経過報告
  .2000年度事業計画(案)
  .規約改正(案)
 以上について、検討のうえ確認した。
3.次期役員選出の件
 次期役員選出にあたっての基準(役員及び事務局員の年齢に関する内規制定等)、選考作業の状況等について検討のうえ確認した。
4.1999年度第1回理事会日程変更の件
 当初6月24日に予定していた理事会を、7月1日に変更することを確認した。
5.1999年度第1回理事会の任務分担の件(略)
6.その他(略)
 99年度第6回常任理事会報告
 99年度第6回常任理事会は、7月1日、東京で開催。内容は以下のとおり。
1.次期役員選出の件
 次期役員選出作業の状況について、戸木田代表理事から報告が行われた。検討のうえ確認し、99年度第1回理事会に報告することを申し合わせた。
2.1999年度第1回理事会提出案件の件(略)
3.その他(略)



99年度第1回理事会報告

 7月3日、99年度第1回理事会は東京で開催。成立条件を満たしていることを確認し、黒川俊雄代表理事を議長に、議事に入った。2000年度定例総会への提出案件すべてについて審議のうえ、確認した。「2000年度事業計画(案)」について若干の補強・修正を行うことなどを申し合わせた。

99年度第2回理事会報告

 7月28日、99年度第2回理事会は東京で開催。黒川俊雄代表理事を議長に、議事に入った。
1.加入・退会承認の件
2.定例総会への提出案件の最終確認の件
 2000〜2001年度役員予定名簿を含め最終確認を行った。
3.定例総会の任務分担の件(略)
4.その他(略)



 6月・7月の事務局日誌

6月3日 99年度第5回常任理事会(別項参照)
  16日 99年度第6回拡大企画委員会
 全労連との定期協議
  27日 日高教第15回定期大会へメッセージ
  29日 年金者組合第12回定期大会へメッセージ
7月1日 99年度第6回常任理事会(別項参照)
 99年度第1回理事会(別項参照)
 99年度第7回拡大企画委員会
  15日 JMIU第24回定期大会へメッセージ
  20日 日本医労連第50回定期大会へメッセージ
  22日 「労働総研クォータリー」編集会議
  25日 埼玉土建学習会(草島)
25〜27日 全労連第19回定期大会(25日、大木一訓常任理事が来賓挨拶、草島)
  28日 99年度第2回理事会(別項参照)
 2000年度定例総会(別項参照)
 定例総会終了後懇親会
  31日 全教第15回定期大会へメッセージ