1998年9月1日(通巻102号)

目   次
巻頭言

 周辺事態法案、改憲策動に国民的反撃を!……………吉田 健一

論 文

 「橋本行革」とのたたかいはこれからが本番………小田川 義和

海外からのEメールほか

周辺事態法案、改憲策動に国民的反撃を!

吉田健一

 日本が現実に戦争を実施できるようにする法案、それが周辺事態法案です。これまで、防衛庁を中心に日本を防衛するための戦争を実施するための有事立法の検討が進められてきました。周辺事態法案は、米国の戦争に日本が自動参戦することを約束した昨年9月の新ガイドラインを具体化するものですが、これまで制定できなかった有事立法づくりに大きく踏み出す点も看過できない問題です。
 しかも、地理的限定すらない「周辺事態」の名のもとに、日本の防衛とも関係のない戦争への参加・協力、自衛隊の海外派兵そして武力行使まで認めるこの法案は、極東という日米安保条約の範囲はもとより、従来・自民党政府が説明してきた「憲法の枠」すら公然と無視するものです。アジアの諸国民からも軍事的脅威を新たに拡大するものと批判されています。
 問題なのは、民主主義も地方自治も、人権も否定される事態となることです。すなわち、米国の要請があれば、日米で準備した「基本計画」が閣議決定され、この「基本計画」にもとづき、すべての「こと」が進められる仕組みとなっています。国会へは事後報告です。地方自治体には、港や空港その他施設の提供、水の補給や汚水処理、警備活動まで義務づけるといいます。労働者も官民を問わず動員されることになるでしょう。すでに本土での演習のために米海兵隊の部隊が沖縄から民間機で空輸され、武器や弾薬を積んだ民間のトレーラーが一般道路を走り抜けています。基地周辺住民が受けている騒音などの被害もさらに激化することは必至です。
 しかし、戦争放棄を明記した日本国憲法は、平和のうちに生存する権利を明らかにしています。戦争することを公然と認め、軍事優先で民主主義も人権も制限する周辺事態法案は、憲法の否定に他ならないのです。これと軌を一にするように、国会に憲法調査委員会を設置する法案を提出して憲法を改悪しようとする動きも進められています。
 これらは、平和と人権をめぐる歴史的なたたかいの成果、憲法の基本理念に全く逆行するものです。広範な国民的反撃が急務です。

(会員・自由法曹団・弁護士) 




「橋本行革」とのたたかいはこれからが本番

小田川義和

1 はじめに

 @ 98年7月参議院選挙での自民党の大敗北が、「橋本6大改革」と総称される構造改革施策に対する国民の審判であることは疑いのないところです。しかし、大企業本位、アメリカ追従の政策維持に固執する政治勢力は、金融不安をいたずらに煽りつつ、「金融システムの安定」を国政上の最大課題とする「合意」形成を図ることで、この局面を乗り切ろうとしているように思われます。同時に、国民いじめの悪政に対する国民批判を行政と公務員への批判に巧みにすり替え、「公務員削減=行政改革」とする打ち出しで、政権の延命を図ろうとしています。このようなごまかしとすり替えは自民党型政治の「得意技」であり、とりわけ80年代からの「臨調行革」路線が強行されるもとでは、社会保障制度をはじめとする国民生活関連制度の改悪強行をカムフラージュするために、行政の民営化や公務員削減などの「合理化」推進が強調されてきました。
 A 橋本退陣後の自民党総裁選挙段階から、国家公務員の「50%削減」(小泉衆議院議員)、「30%削減」(小渕新総裁)とする「公約」争いがおこなわれました。小渕首相が8月7日におこなった所信表明演説でも、行政改革について「2001年1月の新体制への移行開始を目標として、来年4月にも所要の法案を国会に提出」するスケジュールを「決して後退させない」とし、とりわけ「10年間の間」に「国家公務員の定員は20%、(行政)コストは30%の削減を実現」することを強調しています。金融機関の不良債権処理に税金を投入する「金融再生トータルプラン」や、「橋本6大改革」を引き継ぐ「構造改革」など、国民に負担と犠牲を転嫁する悪政推進と表裏の関係で行政改革の強行が論じられています。
 B 中央省庁等改革基本法の成立という新たな局面の下で、いわゆる「橋本行革」の強行に反対するたたかいを展開している国公労連の行革闘争も、最重要段階を迎えています。8月26日〜28日に開催した国公労連・第43回定期大会では、小渕内閣発足後の情勢もふまえながら、「中央省庁等改革基本法に、あくまでも反対の姿勢を堅持し、国民本位の行財政確立をめざす立場にたった運動の強化」を基本におきつつ、「中央集権化と国民生活関連業務の切り捨て=行政サービス実施部門の『合理化』反対」のたたかいを国公労連の総力をあげて展開することを確認しているところです。

2 中央省庁等改革基本法の成立をどのようにみるか

 @ 中央省庁等改革基本法は、その第1条で、「平成9年12月3日に行われた行政改革会議の最終報告の趣旨」にのっとって行われる「中央省庁等改革」の「基本的な理念及び方針その他の基本となる事項を定め」、「中央省庁等改革推進本部を設置」し、中央省庁等改革を推進することを法律の「目的」として明記しています。行政組織法第8条にもとづいて設置された「審議会」の最終報告を「全面的」に推進することを目的にした法律は極めて特異です。
 A 中央省庁等改革基本法は、全部で63条からなる法律ですが、これらの条文の中には「必要な措置を講ずる」(法第9条ほか)、「(行政機関の間における協議及び調整の)仕組みを整備する」(法第11条ほか)、「(局の数を基本として10以下とすることを)目標とする」(法第16条ほか)、「(独立行政法人への移行を)検討するものとする」(法第43条ほか)など、何をどのように決定したのかさえ不明確なものが多数含まれています。
 中央省庁等改革の推進を「国の責務」として確認(法第2条)し、そのために「中央省庁等改革推進本部」(法第52条〜第63条)を設置したこと以外は、具体的な「改革」の内容は、内閣法、内閣府設置法、行政組織法、各省設置法、独立行政法人通則法の「改正・制定」などに先送りされていると言えなくもありません。
 B 同時に見ておかなければならないことは、中央省庁等改革基本法の有無にかかわらず、内閣法外の「改革」作業が進んでいくことが予想されることです。
 昨年12月4日に政府は、「行政改革会議最終報告にもとづく行政改革の推進」を閣議決定しています。「行政権は内閣に属する」と憲法第65条が規定していることを根拠に、内閣の行政権限をどのような構成(省編成など)でおこなうのかは、内閣の権限に属するとの考え方が主張されています。また、行政組織編成を法律に委ねることが、一方で弾力的な行政運営を妨げているとする主張は、戦後も一貫して繰り返され、第2次臨時行政調査会の論議を受けた1983年の行政組織法「改正」では、「官房、局及び部の設置」を各省設置法によらず「政令で定める」ことに変更されています。また、「規制緩和推進計画」(98年3月)や「地方分権推進計画」(98年5月)も閣議決定されており、行政組織のみならず官と民、国と地方の機能分担も個別に具体化されていく状況に至っています。
 C 中央省庁等改革基本法の成立が「行政改革」の推進体制を確立し、組織再編や権限・権益の見直しに抵抗する官僚の反発を押さえ込み、社会保障改革をはじめとする「構造改革」強行の一つの口実となり、内閣法「改正」などの国会審議を一定程度束縛することになるとしても、法の存在そのものが「行政改革」の中味を決定するものではありません。
 1府12省の省編成や独立行政法人制度などの行政減量化、内閣官房の機能強化と内閣府の設置などの内閣機能強化などが、憲法規定や国民の基本的人権とのかかわりでどのような問題点を含んでいるのかは、関連法案の具体化にともなってより鮮明になってきます。そして、行政改革会議最終報告にもとづく「橋本行革」の強行を許すのか否かの国民的なたたかいは、それらの法案の審議が予定されている99年通常国会が最大の山場になるものと考えています。

3 中央省庁等改革基本法のなにが問題か(どこに焦点を絞ってたたかいを展開するか)

 @ 中央省庁等改革基本法の国会審議の段階で、国公労連・藤田委員長が参考人として意見陳述をおこないました(5月6日・衆議院行政改革に関する特別委員会)。その際、法案について、1)行政改革の理念に、民主性や公平性という国民サイドに立った視点が欠落していること、2)行政組織のあり方について個別の検討・論議が尽くされていないこと、3)行政改革を行政のスリム化や公務員削減に一面化していること、4)独立行政法人は民営化の次善方策であり反対であること、5)公務員制度の民主的改革の視点が欠落していること、の5点を疑問・問題点として指摘し、中央省庁等改革基本法に反対の意見を表明しました。
 今日時点でも、それらの点に対する問題意識は何ら変わるものではありません。  このことを前提に、内閣法や行政組織法「改正」等の段階で、重点的に追及することを考えている問題は、次のような点にあります。
 A 行政組織の「改革」を構造改革の突破口に位置づけていること
(1)行政改革会議最終報告は、「行政改革の理念と目標」として、「より自由かつ公正な社会の形成を目指して『この国のかたち』の再構築」を図るため、「肥大化し硬直化した政府組織を改革」することを宣言しています。そして、「国の機能の純化」とその反面としての事務実施部門の減量化(官民および国・地方間の「機能分担」)が行政組織「改革」の二本柱とされ、前者では内閣機能の強化と「1府12省」への「大括り」再編が、後者では独立行政法人や郵政公社化などが「目玉」とされています。
 国民生活への関与を最小限度に押さえる「夜警国家」への回帰が、行政組織「改革」でもめざされ、これを契機として「この国のかたち」を自己責任と市場万能論に彩られた「社会・経済システム」に全面転換することが究極の目標とされています。
 (2)同時に見落としてはならないことは、国の機能(国が果たすべき役割)を「国家の存続」、「国富の確保・拡大」、「国民生活の保障・向上」、「教育や国民文化の継承・醸成」に4分類し、前2者をとりわけ重視しつつ、中央省庁をそれらの政策の企画立案機能に出来る限り純化しようとしていることです。
 現在、「金融システムの安定」を最大の口実に、金融機関の不良債権処理に多額の税金をつぎ込む「金融再生トータルプラン」が国会で審議されています。行政改革会議の最終報告が描く国の役割は、国際的な経済競争が激化するもとで、多国籍企業の競争力を高め、海外での企業活動を保障するために治安や防衛、外交などを重視することとあわせ、国際競争力が低下している大銀行やゼネコンの再生を国が援助することに置かれており、それらに行財政を集中させる狙いがあるように考えられます。
 (3)このような国の役割転換を「総合的、戦略的」かつ「機動的」に進めていくために、大括りの省再編と内閣機能の強化を一体で進めようとしているのが、1府12省の省庁再編です。
 行政組織のピラミッドの頂点にある内閣の機能と役割をどのように制度化していくのかは、「現代行政組織論の最も重要な問題の一つ」(佐藤功・「行政組織法」66ページ、1989年・有斐閣)と言われています。
 行政改革会議最終報告は、「国の役割純化」と「内閣の機能強化」を同時に打ち出しており、単に内閣の調整機能を強化しようというだけではありません。この点では、「危機管理」が繰り返し強調され、1997年7月に「超法規的措置」として自衛隊機をタイに派遣した橋本内閣の「決断」が高く評価されていることにも着目する必要があると考えています。
 また、労働福祉省の「機能」として「社会保障制度の構造改革」が第1に掲げられているように、「橋本6大改革」推進のために省庁の役割を重点化しようとしていることも見逃すことが出来ません。
 B 行政減量化の対象は実施部門におかれ、行政サービスを国が直接提供しない行政への転換がめざされていること
 (1)行政の効率化・簡素化の名のもとに、行政減量化を大規模にすすめることが打ち出されています。
 その手法は、(ア)政策の企画・立案部門と事務実施部門を分離、(イ)実施部門については、「外局」、独立行政法人、公社化などの組織形態に出来るだけ移し替え、業務運営を「効率化」、(ウ)民間で出来るものは民営化または民間委託、(エ)事務・事業の国と地方の分担見直し、(オ)事前規制の撤廃、などとなっています。
 (2)「外局」は、行政組織法に規定されることになっており、「府省の長の権限の内、実施庁の所掌する事務に係わるもの」は、「外局の長」に委任されることとなっています(法第16条)。そして、府省の長は、「実施庁が達成すべき目標を設定」し、その「目標に対する実績を評価」することとなっています。一面で、事務実施にかかわる権限の分散を規定しつつ、その一方で「目標設定と評価」を通じて業務監督をおこなう仕組みとなっており、「外局の長」は効率化の観点からその実施責任を厳しく問われる結果、府省の内部部局(企画・立案部門)に従属させられることになりかねません。
 (3)独立行政法人は、国とは別の法人格として行政組織法の外に置かれることが想定されています。現在でも、特殊法人が国の事業をおこなう「独立の法人」として存在しています。また、公益法人の多くは、国が本来行うべき事務を代行しているのが現状です。これらの存在が、官僚の「天下り」先となり、「動燃での放射能漏れ事故」にも見られるように行政の責任を曖昧にしていることは事実です。行政改革会議最終報告で、独立行政法人の「検討対象」となっているのは国立病院・療養所や国立試験研究機関などであり、また特殊法人の一部についても検討がおこなわれています。それらの機関に働く国家公務員は約7万3000名であり、その雇用と身分保障が一つの問題点です。
 同時に、独立行政法人の対象とされる事務・事業は、「国がおこなう必要のないもの」(法第36条)と規定され、国の実施責任が曖昧にされることから、安定的な行政執行に懸念が生じます。また、所管大臣が「3年以上5年以下」の期間を定めて「業務運営の効率化」等の目標を設定し、その達成を強制するとともに、独立行政法人の長などの任免にも関与することが想定されており(法第38条)、「独立」とは名ばかりで中央省庁の「子会社」化する可能性が強いものとなっています。
 また、独立行政法人の会計制度を「企業会計原則」とすることもふくめ、経済的効率性を最優先とする運営が求められることになり、行政サービスを安定的かつ公正に提供するという公務の目的の一つが形骸化する危険性を持っています。行政に効率性が求められることは当然としても、行きすぎた公務の効率化が社会的不平等の拡大などの非効率性をもたらす危険性があることを重視する必要があると考えます。
 (4) いまでも日本の公務員数は、先進国の半分から3分の1の水準でしかありません。その違いは、行政実施部門、とりわけ福祉や医療、教育あるいは規制監視の分野での公務員数にあると考えられます。行政の本来の役割が、立法府が定めた法の執行にあり、政策の企画・立案に携わることのみが国家公務員の役割ではありません。
 新潟国際情報大学教授の石川真澄さんはその著書(「いま政党とはなにか」、岩波ブックレットNo.454)で、1884年に山田愛川が書いた『政党論』を紹介しています。その中で、「政党の弊害」として、「政務官と事務官の区別」が強調され「官吏の間に身を政党に委ねるような気風が生じれば、着実な行政が成り立たなくなる」と述べた下りにふれ、「政と官」との関係が問題にされる昨今の状況からして「痛切な戒め」であると述べています。
 実施部門の減量化の一方で、政策の企画・立案部門の強化を強調している行政改革会議の最終報告は、国際的に比較した公務の現状や、「政と官」と関係に対する戒めへの配慮が全く欠けています。
 C 政府と国民との関係を重視して行政組織を見直すという当然の視点が欠落していること
 (1)わが国の場合、行政に関する一定の所掌事務について「自ら国の意思を決定し、外部に対し表示する権限を有する行政機関」を「各省大臣」とし、憲法第66条が「内閣の連帯責任」を規定していることからして、省の編成や国務大臣の数は、国民の権利・義務との関係で検討し、かつ法で定めることが求められています。同時に、その大臣を補助し、あるいは法で定められた範囲で執行する機関をどのように配置し、それぞれがどのような権限を持つのかについても、主権者である国民の権利・義務にかかわる問題として捉えることが必要だと考えます。
 しかし、中央省庁等改革基本法では、「国の行政組織(その内部組織を含む)の編成に当たっては、内外の社会経済情勢の変化並びに行政需要及び政策課題の変化に柔軟かつ弾力的に対応し得る仕組み」を求め(法第4条)、行政組織の編成についての国会の関与をさらに縮小しようとしています。
 (2) 行政組織法などは行政内部の事務配分等を規定するものであり、国民と行政との関係は個別の法で規定すれば足りる、とする考え方も強く主張されています。例えば、不動産登記法は登記官の権限を規定し、労働基準法は監督機関としての労働基準監督署や労働基準監督官の権限等を規定しています。国民と行政との関係は、これらの例のように個別の作用法で行政機関の権限が規定されることは少なくありません。しかし、個別の作用法で決められている権限、機能などが十全に発揮できる体制があるかどうかは、個別の法では検証されません。労働基準監督官が、すべての事業所を監督するためには、現在の体制では20年もかかるという事実や、1通の謄本を入手するのに1日がかりとなる登記所の配置や体制は、行政組織法や定員法にこそ問題点が集中していることを示しています。行政組織の規模や配置が、最終的には予算によって制限されることは当然としても、各々の行政機関に求められる機能や役割の吟味もしないままに進められようとする「行政改革」が、国民の期待に応えた改革とならないことは明らかです。

4 おわりに

 @ 1946年11月に憲法が公布されたことを受けて、1947年1月に内閣法が、翌1948年7月に国家行政組織法が成立しています。ちなみに、地方自治法は1947年4月に、国家公務員法は同年10月に成立しています。いずれも、天皇の大権に属していた行政組織や官吏が、国民主権や議会制民主主義、地方自治の原則など新憲法の原則に適合するよう作成されたものです。
 その結果、国の行政組織に関しては、(1)陸・海軍省の廃止、(2)内務省の廃止、(3)司法省の改革、(4)労働省の設置、(5)公務員法の制定などが特徴としてあらわれています。
 行政改革会議などが、この戦後改革に次ぐ「第3の改革」と位置づける「橋本6大改革」は、どのような理念に基づいているのか、それが行政組織の再編にはどのようにあらわれているのか、その特徴と思われる点をなぞってみました。
 その結果は、国民生活関連分野を「効率性の名の下」に国の機能から切り離して、「治安・軍事・外交そして経済政策に力点をおいた中央政府」をめざす「改革」であり、「スリムであっても権威的で支配的な関係を各方面で維持する集権的な国家構造に向けた再編」(浜川清・「現代の法・T現代国家と法」262ページ、岩波書店・1997年)と取りまとめることができるものだと考えます。
 A 国公労連は、行政の第1線で働く国家公務員で組織する労働組合として、とりわけ国民生活関連の事務実施部門の切り捨てや形骸化の問題点を各行政分野毎に具体的に示しながら、反動的ともいえる「行政改革」に反対するとともに、国民生活重視の行財政確立を求める運動を展開してきました。中央省庁等改革基本法の国会審議段階の取り組みでは67万筆の署名を集約し、衆参両院で89名の国会議員から署名内容への賛同を得るなど、「行革推進」一色であった国会内外の状況を変える足がかりを築いてきました。
 たたかいの最重要段階をむかえ、このような運動の到達点を基礎に運動を強め、当面、内閣法や行政組織法の「改悪」や独立行政法人制度創設反対などを目標に据え、98年秋の段階から宣伝や「総対話」の取り組みに全力を挙げることとしています。
 国公労連にかけられた「合理化」攻撃に対するたたかいという位置づけにとどめることなく、「大企業のための行政か国民のための行政か」を争点にした21世紀の「この国のかたち」を決するたたかいとして捉え、国民的な運動への発展をめざして全力を挙げる決意を固めています。

(団体会員・国公労連書記次長)




海外からのEメール2通

 事務局内にインターネット機能を備え、本年1月から「労働総研ホームページ」を開設した。海外からのアクセスもはじまり、Eメールが届きはじめている。
・「最近、労働総研ジャーナルNo.20(97年10月発行)を読んだ。私は日本の労働事情に関心をもっている。私の名前をあなたの研究所の発送リストに加えてもらいたい。私はかつて一橋大学でジェルウッドのフェローとして在学し(87〜88年)、シェーフィールド大学付属・東アジア研究センターの名誉研究員である。また長年、労働史研究学会(SSLH)のジャーナル(かつて、労働史レビューとして知られていた)の編集者であった。労働総研ジャーナルのコピーを別記宛に送ってほしい」(イギリスから)
・「AMRCはホンコンに所在の非政府地域組織である。われわれは、労働総研ジャーナルNo.22(98年4月発行)を受取った。われわれは、労働総研の国際労働研究部会によって執筆されたレポート『世界の労働者のたたかい/1997』に関心をもっている。このレポートのコピーで送ってもらえないだろうか」(ホンコンから)



寄贈・入手図書資料コーナー




8月の研究活動

8月2日 不安定就業と雇用・失業問題研究部会=報告・討論/「雇用労働問題変質の今日的意義」および「職業紹介事業における情報ネットワーク化」
  8日 社会保障研究部会=報告・討論/「介護保険問題に関する埼玉県内の自治体へのアンケートに見られる特徴」
  24日 国際労働研究部会=報告・討論/「最近のヨーロッパにおける時短闘争について」



8月の事務局日誌

8月14日 労働総研・全労連共催「第3回地域政策研究交流集会」打合せ(黒川代表理事、芹沢理事、宇和川)
  25〜27日 労働総研・全労連共催「第3回地域政策研究交流集会」準備のための北海道現地調査(大須常任理事、芹沢理事)
  27日 99年春闘白書編集委員会(辻岡、金田常任理事、西村理事、宇和川)
  28日 国公労連第43回定期大会へメッセージ
     建設一般第63回定期大会へメッセージ
     全労連・全国一般第10回定期大会へメッセージ
  30日 運輸・鉄道一般労働組合全国会議第3回総会へメッセージ