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東京都道路整備事業推進大会

 道路の維持補修や不具合の整備、バリアフリーの促進、電線の地中化というならば歓迎する。しかし、幹線道路のネットワーク整備や都市計画道路の推進となると、意に反するところが大である。お役目とはいえ、15日午後、永田町の砂防会館別館で行なわれた「第30回東京都道路整備事業推進大会」は、この場にいること自体に相当に気の引けるものがあった。

 道路整備推進を求める意見表明や大会宣言、大会決議では「慢性的な交通渋滞の解消」「防災力の向上に資する延焼遮断帯の形成」「安全で円滑な移動の確保」のために道路整備が必要だと述べる。もっともな言い分である。しかし、ちょっと待てよと私は言いたい。

 地方創生と言いながら、都心に人や車が集中する政策をとっているのは、ほかならぬ政府ではないか。容積率の緩和で超高層ビルを次々に呼び込み、人もモノも都心に集め、そのことから“交通渋滞が深刻になった”“物流や人の輸送に時間がかかるようになった”と叫んでも、そうなるのは当たり前ではないかと思う。

 「防災力の向上に資する延焼遮断帯の形成」とは、木造住宅密集地域はひとたび火災が発生したら大きく燃え広がるので、建物をなくして幅広い道路をつくれというものである。実に乱暴な論である。建物防火対策を施して、火事が起きにくい仕組みをつくることこそ必要なのではないか。木造住宅密集地域が問題だとなれば、京都の古い街並みや東京下町の谷根千などは、存在自体が問われることになる。

 来年夏に行なわれる東京オリンピック・パラリンピックも引き合いに出して、道路整備の必要性を訴えている。国内外から多くの人々が集まり、都心が大混雑になることはそのとおりであろう。祭典が終わった後も、多くの外国人が日本を訪れるであろうことも、疑いのないところである。だからといって、そのために道路建設促進なのか?。

 オリンピックとパラリンピックを合わせても、せいぜい一カ月半の取り組みである。それでも道路建設なのか?。また、その後に東京へ足を運ぶ国内外の人々がいたにしても、極体に増加するわけではない。莫大な財源を投入してまで道路建設を行なわなければならない事態だとは到底、言えないのである。

 少子化のなかで日本の人口は減少へと向かう。東京も人口が減っていくという。非正規雇用の増加で車を持たない若者も増えている。果たして、新たな道路建設は必要なのだろうか。
 築地市場が、地下水が滲み出る豊洲の埋め立て地へと移された。築地市場跡地は再開発が行なわれ、幹線道路がつくられるという。「利権」という言葉が、ここでは飛び交っている。

 道路建設を促進せよと壇上で気勢をあげる面々。関西電力高浜原発ではないが、ウラになにかあるのではないかとさえ、勘繰ってしまう。お役目とはいえ、ずいぶんと場違いにいるものだと、つくづく思った。

(2019年10月15日付)

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