評論・佐賀と太良

太良町をどうするか?

「まちづくりシンポジュウム」に参加しての感想

2001年10月14日


 今日(10/14)は午後、自然休養村管理センターで町主催の「まちづくりシンポジュウム in  たら2001」が開かれたので出かけてきました。
 町では、今年度末をめざして「太良町総合計画」を策定中ですが、その一環として開かれたものです。町の総合計画の策定には関心がありますので、どのような内容の総合計画が検討されているのか、それに対する町民の声はどうなのか聞きたくて参加しました。

 シンポに先だって、千葉大学法経学部教授の大森彌氏が「地方分権と住民参加のまちづくり」と題して講演しました。大森氏は10年ほどまえ、現在の総合計画を策定するときにも講演にきたとのことです。
 小泉内閣の「構造改革」のもと農山村の位置付けが低下していること、これまで地方にまわっていたお金をけずって都市にまわそうとしていることなど、その通りだと思いました。

 シンポジュウム本番にはいり、太良町の総合計画策定に関与しているコンサルタント「ぎょうせい総合研究所」の雛元昌弘氏が検討中の総合計画についてその骨組の説明をしました。
 これには、「おや?」と思いました。「太良町の総合計画なのになんでコンサルタントが基調報告するんだろう?」。
 雛元氏の話では10年前とちがって今回は総合計画の策定に町役場の職員のみなさんが主体的に取りくむことに努力しているとのことです。これは当然の事です。しかし、町民を対象にしたシンポジュウムで基調報告をコンサルタント会社がやっているようでは、総合計画の検討課題の設定、計画の柱の設定、とりまとめという計画策定の中枢部分の作業はどうなっているんだろうという疑問もでてきました。こういう中枢部分の作業で死ぬほど苦労してこそ、生きた計画が出来るし、それによって、優秀なプランナーが育つのです。
 町がこれからの行政の指針とする総合計画です。
 町長、あるいは担当の企画課長が説明に立つべきでしょう。
 そして、いま、太良町が直面している課題はなになのか、それをどうやって打開しようとしているのか、太良町のどんな未来を展望しているのか、そのためにどんな事業をやるのか---情熱をもって語るべきです。コンサルタント会社の説明では、目次の説明はあっても、町民への語りかけはありませんでした。
 せっかくの企画だったのに大変残念でした。

  パネリストの発言では太良町商工会青年部の田川さん、JA佐賀みどり多良支所の中溝さんの発言から不況と大型店進出のなかで苦闘している町内の商工業者、農業と子育てをになっている農家の女性の声を聞く事が出来ました。
 佐賀から呼ぶまでもなく、パネリストには町内各層の代表をもっとふやし、生の声がもっと聞こえるようにしたら良かったのにとおもいました。

  パネリストの間での討論で時間がたっていき、フロアからの発言の時間はあるかなと思っていたら会場から若い女性が「参加者にも発言させてください」と声をあげました。
 そのとおりだと思ったので私もつい「そのとおり」と声をあげてしまいました。

 昨年まで町役場に勤め、今は退職したという女性でしたが、「町民の声が役場に通って行かない、一般職員の声がとおっていかない現実がある。そんな中で、計画を策定しても生きた計画にならないのではないか」という趣旨の発言でした。
 退職したとはいえ、町長や役場幹部を前に勇気のある発言だと思いました。そして、そこに問題があるんだなと感じました。
 私は、今日は発言するつもりはなかったのですが、勇気ある女性の発言につられて少しばかり発言してしまいました。

 シンポジュウムの最後にコーデイネーターが、今日の議論の集約として「町役場に町民の声が届くようにすること、異業種の町民の間での対話の推進」をあげましたが、その通りだと思いました。
 これまでに、町民アンケート、住民代表によるワークショップ、町内各種団体トップインタビューがやられているようですが、今日の集まり具合をみてももっと底をついた議論がいるなと思いました。
 たとえば、太良町には55の行政区がありますが、総務とか商工とか日常の部署とは関係なく町役場の全職員が数人ずつで組を作って全部の行政区を訪問し、町民の生の声を聞いたらどうでしょう。
 これからの町の産業をどうするか、農業(ミカン、畜産、コメなど)、漁業、商工業、林業、サラリーマンなどいろいろな業種の人があつまって率直に議論したらどうでしょう。漁業者にたいする農業者の意見、農業者に対する漁業者の意見、商店に対する農業者の意見などもふくめて率直にぶっつけあうことがたいせつだとおもいます。
 役場の職員も、農業者も、漁業者も、商工業者も、男性も、女性も、年輩者も、若い人もいっしょに議論する中で、いま、太良町が解決しなければならない問題は何なのか、これからどういう町づくりをめざすのか、どんな事業をやっていくのかという最も基本的な点で合意が出来上がっていくと思います。
 こうしてこそ、町民が住民自治の担い手としての役割を発揮し、町民に奉仕する役場職員が育っていくと思うのですがどうでしょうか。


太良町の総合計画のための提言(これまでに掲載した記事)


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