2000年の申告所得---IT関連は大幅増
全国的な不況な中でもこの数年の間、IT関連は製品出荷額を維持あるいは増やしてきました。これは、佐賀県でも同様です。
佐賀新聞8/2付けに、2000年度の県内法人申告所得のランキングについての記事が載っていました。「IT関連企業の健闘が大きく、(申告所得)全体増加分の9割がIT5社の所得増加分。IT特需に頼ってきた日本経済の姿を浮彫りにする」と書いていました。IT関連5社の申告所得額は285億円で、前年度にくらべて187億円増加とも書いてありました。
IT関連は産業分類では「電気機械工業」に含まれます。1996年以降の電気機械工業のなかでの各業種ごとの出荷額と電気機械工業のなかでの構成比を見てみましょう。わかりやすくするために、いわゆるIT関連を別にぬきだして示しておきました。
これを見ると、佐賀県の電気機械工業のなかで、ほかの業種「発電用」「民生用」「その他」はいずれも出荷額を減らしていますが、IT関連(電子計算機、電子部品、デバイス)の割合はふえています。
| 業 種 | 1996年 | 1997年 | 1998年 | 1999年 | ||||
| 金額(億円) | 構成比(%) | 金額(億円) | 構成比(%) | 金額(億円) | 構成比(%) | 金額(億円) | 構成比(%) | |
| 発 電 用 | 550 | 22.2% | 563 | 21.5% | 456 | 19.4% | 433 | 19.1% |
| 民 生 用 | 72 | 2.9% | 73 | 2.8% | 33 | 1.4% | 30 | 1.3% |
| 電子計算機 | 348 | 13.9% | 322 | 12.3% | 400 | 17.0% | 343 | 15.2% |
| 電子部品・デバイス | 520 | 20.8% | 566 | 21.6% | 675 | 28.7% | 557 | 24.6% |
| そ の 他 | 1005 | 40.2% | 1095 | 41.8% | 788 | 33.5% | 800 | 35.4% |
| 電気機械工業計 | 2501 | 100.0% | 2619 | 100.0% | 2352 | 100.0% | 2263 | 100.0% |
| 業 種 | 1996年 | 1997年 | 1998年 | 1999年 | ||||
| 金額(億円) | 構成比(%) | 金額(億円) | 構成比(%) | 金額(億円) | 構成比(%) | 金額(億円) | 構成比(%) | |
| IT関連計 | 868 | 34.7% | 888 | 33.9% | 1075 | 45.7% | 900 | 39.8% |
2000年第4四半期から下降に転じた電気機械工業
2000年度については、詳細なデータが手元にありませんので、手元にあるデータから推察することにします。
「統計佐賀」2001/8号によれば、2000年度の電気機械工業の出荷額の指数(1995年を100とする)は年間平均100.1で1999年平均の90.4より大きく伸びています。これによって、2000年の電気機械工業全体の出荷額は約2505億円になります。IT関連以外の業種の出荷額を前年並とするとIT関連だけで1200億円をこえます。先に紹介した佐賀新聞の記事、2000年度のIT関連企業の申告がダントツだったことがこれで裏付けられています。
しかし、「電気機械工業」全体の出荷額指数は2000年度第4四半期から下降に転じています。
| 四半期 | 第1期 | 第2期 | 第3期 | 第4期 |
| 指数 | 100.2 | 99.6 | 104.4 | 96.4 |
2001年に入ってからの月ごとの前年との比較は次の通りです。とくに4月以降急激に落ち込んでいることがわかります。
| 年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 |
| 2000年 | 96.3 | 102.5 | 100.8 | 100.8 | 98.6 |
| 2001年 | 93.7 | 87.7 | 100.2 | 72.1 | 70.4 |
各業種ごとの詳細な数字は不明ですが、この指数の低下がIT関連の落ち込みによることは間違いありません。
県内IT関連で23社、3000人をこえる従業者
「佐賀県の工業」(1999年)によれば、県内のIT関連の事業所数と従業者数は次の通りです。 一事業所あたりの従業者数は平均135人で佐賀県の企業規模からいえば中堅以上に入ります。
| 年 | 事業所数 | 従業者数 |
| 電子計算機関係 | 6 | 742 |
| 電子部品・デバイス製造 | 17 | 2,354 |
| 合 計 | 23 | 3,096 |
県内のIT関連企業がIT不況にどう対応して行くのか、十分に明らかにされていませんが、NEC、富士通などというIT関連の大企業はいずれも大規模なリストラ計画を発表しています。これが、IT関連産業全体に広がっていくことが危惧されています。
県内のIT関連企業の多くは久留米・鳥栖テクノポリス地域を中心に立地しています。これらのIT関連企業の動向は鳥栖市など県内東部地域だけ出なく全県的に大きな影響を及ぼすことは必至です。
IT関連の多くは県や市町が大サービスをして呼びこんだ誘致企業です。大企業の身勝手で労働者と地域経済に犠牲を押しつけるなという県民の大きな運動が求められています。