議会報告

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一般質問(住宅施策)全文と答弁の概要

 日本共産党杉並区議団を代表して、住宅施策について、ジェンダー平等について質問します。

●はじめに、住宅施策についてです。
 日本共産党杉並区議団は、昨年末から区民のみなさんに、くらしの実態や意見、要望等についてアンケート調査を実施してきました。2月現在、3230人の方から回答が寄せられていますが、回答の特徴は、長期にわたるコロナ禍のもとで、苦悩や不安の声が多数にのぼっていることです。その中でも胸が痛んだことは、賃貸住宅に住んでいる方が、収入が減っているもとで家賃負担が重いことに苦しみ、将来に渡って家賃を払えるのか、住み続けられるのかという不安を訴える声が多数よせられたことです。
 一部を紹介します。
 「家賃が高くて、パートしないと家賃が払えなくて、年金が少なく、貯金はまったくなくて、見てもらえる家族もなく、病気をしたらどうしようかと毎日不安。年に4回の都営住宅募集に10年以上申し込んでいますが当たりません。どこに相談したらいいのかがわからず、…毎日がとてもつらいです。」「年金7万円アパート代6万円、1カ月のアパート代を支払ったらどうやって食べていけばいいのでしょうか。」「コロナで収入が減り、家賃を払うのでいっぱいいっぱい。食事も1日1食しか食べられない」などです。
 
Q1 私は、こうした声にこたえることが行政の責務であり、私たち議員の仕事だと痛感しました。 区長、こうした区民の叫びともいう声を、どう感じましたか。低所得者や高齢者が増え、住宅困窮者、要配慮者が増えていることは、区の住宅マスタープランにも記載されていますが、昨年来の新型コロナ感染拡大にともなう失業や減収の影響が、賃貸住宅に住んでいる方に鋭く現れている状況を、区として直視すべきと思います。どう認識していますか。

 区は、住宅基本条例の前文で、「住宅は、人々の生活を支える基盤」と位置づけ、「安定した居住を確保することは、健康で文化的な生活を営むうえで欠かせない」と明記しています。これは、住宅に関する国際的な諸原則が反映されたものだと思います。

Q2 国際人権規約では、食料や衣類とともに、住居を生活水準の重要な内容とし、生活条件の改善に努めることを締約国に求めています。1996年に開催された国連人権居住会議では、負担可能な費用で、安全で健康的な住宅に住むことを国民の権利と明記しています。もちろん住宅は、憲法25条が保障する生存権の土台です。憲法を始めとする様々な諸原則に対する区長の見解を伺います。

 次に賃貸住宅をめぐる杉並区の状況について確認したいと思います。
 杉並区は、持ち家世帯が多数というイメージがありますが、住宅統計及び区の統計をみると、総数では借家世帯が多数であることが確認できました。同時に、高齢世帯では持ち家率が高いものの、一人暮らし高齢者の場合は、借家住まいの方が少なくないことも確認できました。そこで、あらためてうかがいます。

Q3 区民全体に占める借家世帯数、及び借家世帯のなかでの公的住宅と民間賃貸住宅の比率、さらに一人暮らし高齢世帯での借家世帯数、その比率について、最新の統計でどうなっていますか。

 次に、区が住宅マスタープランなどで位置づけている「住宅確保要配慮者」について伺います。 区は、住宅施策の対象として「住宅確保要配慮者」という概念を定め、その方々を支援するとしています。そして住宅マスタープランでは「杉並区においては、高齢化の進行や厳しい経済情勢を背景に、低所得者、高齢者、障害者、ひとり親等の住宅確保要配慮者が増加しています」と記載しています。

Q4 この「住宅確保要配慮者」とは、どのような世帯のことをさしているのですか。「低所得者」という記載がありますが、その判断基準となる収入はどの程度でしょうか。都営住宅、区営住宅の入居対象になりうる世帯は、要配慮者になると思いますが、どうですか。また、増加していると記載していますが、何世帯程度と判断しているのですか。

Q5 私は、冒頭紹介したアンケートの声に示されるような、家賃が収入の半分など相当部分を占め、生活を圧迫するような世帯は、行政としての支援対象と位置付けるべきと思いますが、認識をうかがいます。
 
 次に具体的施策について提案し伺っていきます。
 住宅施策は、国、東京都、杉並区が一体となり、連携して取り組む必要があります。そうした視点にたって、具体的に伺います。

 低所得者、住宅困窮者に対する施策で重要な柱をなすのは、公営住宅の整備と入居事業です。公営住宅法第1条は、国と地方自治体協同の責務として、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸することで、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与する旨が明記されています。

Q6 コロナ禍の深刻な事態への緊急的対策として提案したいことは、事業用空き部屋等の活用です。都営住宅の場合、建て替えにともなう一時移転先すなわち事業用として一定の空き室を確保していると思いますが、これを開放するよう都に求めるべきではありませんか。いかがですか。

Q7 区民の要望で強いのは都営、区営住宅への入居です。
 公営住宅に10年以上応募しているが、いまだに入れないなど、悲痛な声があがっています。杉並区が行った区民意向調査にも「家賃が高すぎる。一人暮らしの人が入れる都営住宅がほしい」との要望が記載されています。東京都に都営住宅の整備を要望するとともに、区営住宅の整備を求めるものです。
 この点で、杉並区の世帯あたりの都営、区営住宅の供給戸数が低いことを指摘せざるをえませんが、23区で何位ですか。また、区内の賃貸住宅に占める公営住宅の比率についてもお答えください。

Q8 しかも少ないだけでなく私が統計を見たかぎりでは、2014年から2017年の3年間で、区内の都営住宅、区営住宅とも増えてないどころか減少しています。
 区は都に都営住宅の供給拡大を求めるべきです。どう対応してきましたか。
 
Q9 さらに、住宅マスタープランでは、「区営住宅」という記載はありますが、増設、整備を進めるという記載はなく、「住宅セーフティネットの再構築」指針にもありません。現状の区営住宅供給で「住宅確保要配慮者」に対応できているのですか。具体的にお答えください。また、すでに十分需要を満たしているというならその根拠を示してください。

Q10 応募倍率は、区営住宅では昨年度5.1倍、今年度9月1日時点では4.6倍、高齢者住宅みどりの里は、昨年度単身用が8.2倍、今年度8,5倍、2人用は同じく6.9倍、6.0倍ではありませんか。この倍率を、どう受け止めているのですか。
 
Q11 杉並区住宅基本条例第9条「住宅の供給」では、区は次の各号に掲げる住宅の供給に努めるものとし、公営住宅法に基づき、区が設置する住宅をあげています。今こそ、この実行が求められていますが、どう対応するのですか。

 関連してうかがいます。
Q12 区の住宅マスタープランでは「住宅セーフティネットの再構築」の達成を図る指標のひとつに「特別養護老人ホーム確保定員」をあげています。
 しかし「住宅セーフティネット」とは、「杉並区総合計画」の注釈では、自力で住宅を確保できない方の健康で文化的な生活を営むに足りる住宅の確保に対し、行政が関与・支援する体制を整備すること」としています。そうであるならば、住宅セーフティネットに特養ホームを位置づけることは不適当ではありませんか。
 私が見た限りでは、東京都も近隣区も、住宅マスタープランで、特養ホームを住宅対策に位置づけている自治体はありません。区長、おかしいとは思いませんか。いかがですか。

Q13 公営住宅に入れない方から言われることは、収入等入居資格を満たしていながら、抽選の結果によって、公営住宅に入居している人と同じ支援を、長期にわたって受けることができないことは不公平、不公正ではないかということです。こうした声は当然のことだと思います。
 しかも、冒頭紹介した声にあるように、年金が少なく、かつそれを補うパートなどの収入が切られたり、収入の大部分が家賃で消える、あるいは、収入が家賃を賄えない事態になる世帯に、どうやって暮らしていけと区はいうのですか。お答えください。

 この点で、私は、イギリスやフランスでは、公営住宅の供給と家賃助成がいわば車の両輪策として行われているという論文に注目しました。イギリスの場合、全戸数に占める公営住宅の割合は19%、家賃補助世帯数は19%。フランスの場合も全戸数に占める公営住宅の割合は17%、家賃助成は23%と紹介されていました。
 これは国レベルの問題ですが、ただ23区のなかでも17区で、部分的、あるいは限定的なものでも何らかの家賃助成を実施していることは注目すべきと思います。主に高齢者や介護高齢者を対象とした助成が4区、高齢者優良賃貸住宅への助成が5区、子育て世帯対象が3区、さらにひとり親、障害者、学生、勤労単身者などです。区民意向調査にも「低収入、無収入者向けの家賃・光熱費支給を希望する」との要望があがっています。

Q14 コロナ禍のもと、区としても期間限定でも家賃助成を検討すべきではありませんか。また、優先施策として、年金、無年金生活者で、家賃が年金の相当分を占め、明らかに生活が困窮している世帯への家賃助成を検討すべきではありませんか。また、国、都にも求めるべきではありませんか。以上お答えください。

<答弁>

・住宅に関する諸原則に対するお尋ねですが、「衣・食・住」が人々の日々の生活で大切なことであると一般的に言われているように、住居は、人々が日々の生活を営むために最低限必要な者の一つであると理解しています。
「杉並区住宅基本条例」も含め、様々住宅に関する諸原則において、住宅が人々の生活にとって不可欠であることを表現しているものと認識しています。

・公営住宅と民間賃貸住宅等に関するお尋ねですが、平成30年住宅・土地統計調査によると、借家世帯数は、171,530世帯。借家世帯のうち、公的住宅が占める比率は約3%、民間賃貸住宅が占める比率は約92%となっております。
 また、65歳以上の一人暮らし高齢者世帯における借家世帯数は、12,780世帯、一人暮らし高齢者世帯全体に占める比率は約36%となっております。

・住宅要配慮者に関するお尋ねですが、「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」において、低所得者や、高齢者、障害者、子育て世帯等自力で住宅確保が困難な世帯が示されています。また、低所得者の判断基準となる収入は、月額15万8千円を超えないものとなっております。
 なお、住宅確保要配慮者が公営住宅の入居対象者となるためには、その他の入居資格をすべて満たす必要がございます。
 また、住宅マスタープランにおける住宅確保要配慮者の世帯数について、数は把握していませんが、住宅確保要配慮者のうち、高齢者世帯の占める割合は高く、高齢化の進展により、今後も増加すると見込んでおります。

・家賃が生活を圧迫するような世帯に対する支援に関するお尋ねですが、これまでも、相談者の希望する条件に沿った住宅情報をアパートあっせん事業を通して提供するとともに、相談の中で必要に応じて、福祉との連携を図りながら、住居だけでなく、生活の支援に結び付けております。

・都営住宅の空き部屋に関するお尋ねですが、これまでも東京都では、災害等が発生し住居を失った方々への対応として、都営住宅に、ある程度の部屋を確保しております。
 今般の新型コロナウィルス感染症の影響を踏まえ、都営住宅の家族向け毎月募集において、通常は、若年夫婦・子育て世帯等を対象としておりますが、令和3年1月から3月に限り、一般世帯も申込の対象とし、募集戸数を拡大する臨時的な対応等を実施しているところでございます。

・都営住宅、区営住宅の供給に関するお尋ねですが、令和2年4月1日時点で、都営、区営住宅の供給戸数は、4006戸、世帯当たりの供給率は約1.2%で、23区中19位となっております。 また、賃貸住宅に占める都営、区営住宅を合わせた比率は、平成30年住宅・土地統計調査によると、約2.2%となっております。

・都営住宅の供給拡大に関するお尋ねですが、これまでも都営十tカウの建替えの際に実施される要望調査で、地元割当の実施やシルバーピアの整備を求めております。
 また、区営住宅におきましては、今後、建替えを実施する際に、高齢者単身世帯やひとり親世帯などの需要に即した住宅供給を検討してまいります。

・住宅確保要配慮者に対する区営住宅の供給に関するお尋ねですが、区営住宅へ入居を希望する方が多いため、なかなか入居が難しい状況となっております。そのため、民間賃貸住宅のストックも有効活用しながら、引き続き、居住支援を実施してまいります。

・区営住宅及び高齢者住宅みどりの里野応募倍率に関するお尋ねですが、東京都の応募倍率と比較しますと、区の応募倍率は低くなっておりますが、区は、あらかじめ、空き室まち登録者を募集しておき、空き室が生じたときに、修繕を行い、なるべく早く区民の方が入居できる体制をとっています。
 従いまして、空き室町登録機関内に希望する区営住宅に空き室が生じない場合は、当選した方でも入居が叶わないという課題もあると認識しています。

・区住宅基本条例における住宅の世知に関するお尋ねですが、今後とも東京都へ適切な住宅供給を求めていくとともに、民間賃貸住宅ストックの活用も含め、住宅の供給を進めてまいります。
 また、今後、区営住宅の老朽化による建替えを実施する際には、一人暮らしの高齢者の増加等に対応できる単身世帯住宅の確保など、検討してまいります。

・住宅セーフティネットにおける特別養護老人ホームの位置づけに関するお尋ねですが、特別養護老人ホームは、在宅の生活が困難となった要介護の高齢者や、その家族にとって、広い意味での住宅セーフティネットと捉えることはできると考えますが、ご指摘の通り、生活の拠点と位置づけることについては、課題があると認識しております。
 従いまして、今後は新たな基本構想を踏まえ、次期住宅マスタープランの改定の中で検討してまいりたいと存じます。

・収入の少ない世帯に関するお尋ねですが、これまでも答弁させていただきました通り、区におきましては、窓口相談等になかで、アパートあっせん事業を通し、相談者の条件に沿った住宅情報を提供しております。
 また、収入等が大幅に減り、生活に困窮しているということであれば、必要な福祉との連携も図りながら、生活の支援へ結び付けてまいりたいと存じます。

・家賃助成に関するお尋ねですが、この間もお答えしておりますとおり、区では、家賃助成制度を創設する予定はございませんが、国は、新型コロナウィルス感染拡大の影響で収入が減少し、生活に困窮するかたへ住宅確保給付金の支給を行っています。また、区では、住宅確保要配慮者への住まいの確保につきまして、居住支援協議会での不動産関係団体などとの連携による民間賃貸住宅ストックの活用や、福祉部門野各施策との連携など、様々な取組に努めております。引き続き、区民のかたが安心して住むことができる住宅の確保に向け、官民一体で取り組んでまいります。


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