活動報告

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第4回定例会 一般質問全文

 日本共産党杉並区議団を代表して、区民のくらしを守る諸施策の拡充について、質問します。
 
〇区民のくらしについて
 前定例会の2016年度の決算審査で、わが党区議団は、税と社会保険料の負担増が区民のくらしに重くのしかかっていることについて、区の認識を質しました。区からは「一つのシミュレーションにしか過ぎない」「ことさら支出の負担を取り上げることは、きわめて一面的なものの見方」などと、負担増にあえぐ区民を切り捨てるかのような答弁が繰り返されました。もちろん、区民全体をひとくくりにして負担増に苦しんでいるということは言えませんが、生活保護世帯は、基準額が引き下げられても受給世帯数は横ばい、就学援助を受けている世帯は小学校で15%約7人にひとり、中学校では23,6%約4人にひとり、国民健康保険料の滞納世帯数は、この数年3万世帯を超え、加入世帯の32%となっています。こうした数字からみても、区民の暮らしむきは向上していない、むしろ深刻になっているのではないでしょうか。
 わが党区議団が行っている区民アンケートにも、現在のくらしの厳しさ、将来への不安を訴える声が若い人から高齢者まで多数に上っています。20代パートで働く女性からは「給料に対し、国保や年金の保険料が高すぎる。年々上がっていく社会保険料の支払いに追われて将来が不安。最低賃金で働く人が国民年金保険料を払えるのか考えてほしい」。70代女性「年金も減らされ、負担が増加していく傾向で生活が苦しくなっている」。60代派遣の男性「金がないので保険料が払えない」などです。
 区長は、先ほど示した数字にみられる区民生活の実態や、暮らしの厳しさを訴える声をどう受け止めますか。そしてどう応えていくのか、お答えください。

 くらしが深刻になっているのは、この間の増税やアベノミクスの失政、年金の削減、医療や介護など社会保障の改悪などが大きな要因です。国に対し、増税や社会保障の改悪はダメだと戦うべきですが、いつも区は国の動向を見守る、意見を言うつもりはないなど情けない姿勢です。同時に、増大する税や社会保険料の負担増にあえぐ区民のくらしに、もっと区政の光を当てることが必要です。区民からは、保育園の待機児童や特養ホームの待機者をなくしてほしい、公営住宅の増設や家賃助成、高い国保料の引き下げ、教育費の負担を軽くしてほしい、など切実な要望が寄せられています。昨年度の決算では63億円の不用額を出し、34億円を財政調整基金に積みたて、財調基金は364億円となりました。積立基金総額は、479億円に達しています。一定額の積み立ては必要ですし、全て否定すべきものではありませんが、積立に力を注ぐ一方で肝心な区民要求が置き去りになってはなりません。
 杉並区の豊かな財政力を、もっと大胆に区民福祉や負担軽減の拡充に振り向けるべきではありませんか。来年度の予算編成に向けて、区民のおかれている実情や需要に見合った施策に予算をつけ、拡充することが重要と考えますが、区長の見解をうかがいます。

 最近、私たちのところに、区民税を滞納している方から、差し押さえの通知が届き困っているという相談が寄せられました。昨今、全国的に税や国保料の滞納者に対し、一括納付を迫ったり、預金の差し押さえなど、自治体による厳しい徴収が強まっています。こうしたなか、注目されているのが滋賀県野洲市の債権管理条例、くらし支えあい条例です。「ようこそ滞納いただきまして条例とも言われています。全国から視察が相次ぎ、先月は当区議会の保健福祉委員会も視察を行っています。この条例は、税金や保険料などの滞納を市民の困窮のシグナルととらえ、自治体あげて生活再建の支援をするというもので、最大の特徴は、条例の第23条で「市は、その組織及び機能の全てを挙げて、生活困窮者等の発見に努めるものとする」と定めていることです。
 滞納が発生すると、市民生活支援課に情報を集め、そこからアウトリーチも行い、市民の生活困窮にいち早く対応し、様々な専門家の力も借りて、生活を安定させるための取り組みを行います。債務者が著しい生活困窮状態にあり、徴収することが著しく困難または不適当であると認める場合には、徴収停止や債権放棄ができると明確に位置づけています。
 滞納を効率的に解決するとともに、生活困窮者を発見し自立支援につなげる取り組みは、「税金を納めてもらう前に市民の生活が健全でなければならない。市民の生活を壊してまで滞納整理するのは本末転倒。市民生活の安定こそが今後の長期的な納付意欲の向上につながる」「全体の奉仕者である公務員が目の前の一人を救えなければ誰も救えない」という市長の強い信条のもとに実践されているとのことです。心揺さぶられる言葉です。杉並区でも、野洲市のような生活再建型滞納整理の取り組みを進めてほしいと思いますが、区の見解をうかがいます。
 
 次に、くらしを守る具体的な施策の拡充として、生活保護制度と住宅確保要配慮者の住まい、国民健康保険制度、就学援助の3点について、質問します。

〇生活保護制度と住宅確保要配慮者の住まいについて
 「ワーキングプア」「下流老人」貧困女子」「子どもの貧困」などの言葉が日常的に聞かれるように、現在の日本では、あらゆる年代や階層が、失業や病気などで所得が減れば、たちまち生活が行き詰まり、貧困におちいる危険と隣りあわせで暮らしています。
 そうしたときの最後の砦となるのが、生活保護制度です。生活保護法第1条には、生活保護制度は憲法第25条の理念に基づいて行われていることが明記され、第2条には、「無差別平等に受けることができる」、第3条には、「この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない」と書かれています。
 この間、安倍政権のもとで、生活扶助基準の切り下げ、期末一時扶助の減額、住宅扶助基準の引き下げ、冬季加算の削減など生活保護の連続改悪が強行されてきました。これらの改悪により、たとえば、30歳代の母と義務教育課程の子どもひとりの世帯では、年間で20万円という大幅な保護費の削減となっています。加えて、生活保護基準は、住民税の非課税限度額、就学援助、最低賃金、国保や介護の減免、公営住宅の家賃減免など他の制度の基準とも連動しているため、保護基準の引き下げは、税制や賃金、福祉施策の全面的な後退に直結します。
 政府・与党は、保護基準の切り下げについて、生活保護世帯と保護を利用していない貧困世帯の所得を比較し、格差是正や均衡をとる必要があるなどと正当化しています。しかし、生活保護基準以下の生活困窮世帯が多数にのぼるのであれば、支援の拡充や貧困の打開に国を挙げて取り組むのが政治の責任のはずです。生活保護以外に貧困への支援がない、という日本の社会保障制度の問題点を放置しておきながら、保護世帯と保護を利用していない低所得世帯に貧困を競い合わせて、足を引っ張りあわせるようなやり方は本末転倒です。国民に分断と対立を持ち込むだけで何の解決にもなりません。
 さらに、この数年、政治家や一部メディアから、不正受給が蔓延しているかのような事実をゆがめた生活保護バッシングが繰り返されています。しかし、生活保護の不正受給は支給総額の0・5%前後に過ぎず、しかも、不正受給と言われるなかには、「高校生の子どもが、アルバイトを始めたのをうっかり届け出ていなかった」などの事例も少なくなく、悪質なものはごく少数です。
 こうした風潮に便乗するかのように、2013年の生活保護法の改定では、保護申請の際に書類提出を義務付け、書類不備を理由に追い返し、保護の断念に追い込もうとする水際作戦が強化され、2015年3月には、生活保護者に、毎年、貯金通帳のコピーなど「資産申告書」を出させるよう自治体に指示する通達を発令するなど、生活保護の申請権、受給権が脅かされ、プライバシーに対する監視統制が強められています。洪水のような「生活保護バッシング」のなか、受給者のなかには精神的に追い込まれて病状を悪化させたり、生活に困窮する人が保護の申請をためらうケースも出ています。
 いま政府が取り組むべきことは、保護基準の引き下げや水際作戦の強化などではなく、収入が最低生活費未満の人が生活保護を受けている割合−捕捉率があまりに低いという問題を解決することです。国連の社会規約人権委員会からは、日本は「スティグマ(恥辱)のために生活保護の申請が抑制されている」と懸念が示され、生活保護の申請を簡素化し、申請者が尊厳をもって扱われるようにすること、生活保護につきまとう恥辱を解消する手だてをとるようにと勧告が出されています。
 
 こうしたなか、安倍政権は、2015年に閣議で確認した「社会保障改革」の工程表で、2018年度、さらなる「制度改革」を行う方針を打ち出し、改悪を狙っています。
 具体的には、「有子世帯への加算の見直し」として、第1次安倍内閣のもとで廃止され、国民の世論と運動を受けて民主党政権で復活された「母子加算」について、再び削減・廃止することや、子どもの健全育成のための経費にあてる「児童養育加算」や「学習支援費」を二重の支給などと見直しを迫っています。厚労省の生活保護実態調査では、金銭的余裕がないために子どもを動物園に連れていけない、塾にも通わせられない世帯が多いことが示されています。子どもの貧困の解決が一刻も早く求められているときに、これに逆行する削減案は認められません。医療扶助についても、自己都合によって安価な後発医薬品を使わない場合や、医療機関を頻繁に受診する生活保護受給者に自己負担の導入を求めています。自己負担導入については、必要な受診が抑制されて病気を悪化させる危険性があると専門家から指摘されています。
 これらの改悪が強行されれば、受給世帯の生活はますます困難に陥ります。生活保護改悪は行わないよう、国に意見を上げるべきではないのか、見解をうかがいます。
 
 東京での生活保護の住宅扶助基準の上限は、単身では53700円、二人世帯では64000円、3〜5人世帯では69800円です。保護受給後、この基準額を超えている住宅に住んでいる場合、転宅を迫られます。私も、一緒に不動産屋をまわることがありますが、老朽化したアパートであったり、大家が生活保護受給者を拒んだり、高齢者の場合は1階でないと階段の昇り降りが大変など、条件にあう物件を探すのは困難を極めます。そもそも杉並などの都市部で、この住宅基準の設定は実態に見合っていません。国に、住宅扶助の基準額を見直し、引き上げを求めるべきと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。
 低家賃の住居の場合、老朽化や日当たり・風通しの悪さなど、劣悪な環境が多く、湿気やカビが発生し、健康を悪化させる場合もあります。転宅を希望しても、医師の診断書がないと認められていませんが、実情をよく聞ききとって柔軟に対応していただくよう申し添えておきます。

 法外援護として、自家風呂のない世帯または身体上の理由などによって、自家風呂を利用できない世帯に対し、入浴券が支給されているますが、年間60枚です。一か月にすれば5枚。現在、銭湯の料金は460円で負担が重く、支給枚数を増やすよう求めます。区の考えをうかがいます。

 低廉で安心できる居住という点では、公営住宅の増設を希望する声が多数です。しかし、区は民間ストックがあるからと公営住宅は増やさない、また家賃助成もやらない方針です。そこでうかがいますが、区が言う「民間ストック」のうち、生活保護世帯であっても、健康で文化的な生活を保障した居住水準を満たす風呂付の月額家賃53700円以内の単身用世帯住宅、同じく月額64000円以内の2人用世帯は区内に何戸存在するのでしょうか、また、生活保護者が入居できる保証はあるのか、あわせて答弁を求めます。
 
 住まいは生活の基本であり、憲法25条が保障する生存権の土台ともいうべきものです。住まいが権利であることは、世界人権宣言や、日本政府も批准している国際人権規約(社会権規約)も認めていますが、貧困と格差が広がるなか、住まいの安定が損なわれる人たちが後を絶ちません。
 たとえば、年金くらしの単身高齢者の場合、老齢基礎年金は満額で月約6万5千円。杉並ならほとんど家賃で消えてしまい、手元に残る生活費は微々たるものです。若い世代も、独立したくても、非正規雇用や低賃金のために実家に住まわざるを得ません。母子世帯の貧困も顕著で、厚生労働省の国民生活基礎調査(2016年)では「貯蓄がない」母子家庭世帯は37・6%、「借入金がある」が28・1%です。切り詰めて生活する世帯に家賃負担が重くのしかかっています。
 区民アンケートにも、「いまは夫が働いているので何とか家賃を払っていられるが、夫の定年後、いまの住居に住み続けられるのか不安」、自営業の50代女性からは「定収入がなく、住居探しで入居を断られる」など、住まいに関する不安の声が寄せられています。
 「住宅セーフティネット法」が改正され、低額所得者、被災者、高齢者、障害者など、「住宅確保要配慮者」に低家賃の賃貸住宅を供給するとして全国に約820万戸ある空き家の一部を活用する住宅登録制度が盛り込まれました。空き家を安く貸し出すことを目指すものですが、家賃の低廉化助成は法律に書き込まれず予算措置だけにとどまっています。住宅困窮の実態把握を急ぎ、実態にふさわしい仕組みにすることが求められます。
 公営住宅の増設、家賃助成の実施は区民の切実な願いであり、区として、実施に踏み出すべきですが、あらためて見解を求めます。また、これまで通り、公営住宅増設も家賃助成もするつもりはないというのであれば、生活保護受給者や低所得者、高齢者、障がい者など、住宅確保要配慮者が安心して住み続けられる住まいの確保について、区はどのように取り組んでいくつもりなのか、見解をうかがいます。

〇次に国民健康保険について質問します。
 わが党区議団は、これまでも繰り返し国保料の値上げによる負担増や、滞納世帯への保険証取り上げ、差し押さえなどに苦しむ区民の実態を取りあげてきました。先の決算特別委員会でも、年収300万円40歳夫婦と子ども一人世帯の場合、国保料が7年間で18万円近く値上がりし、年収の1割を超える35万円以上の負担となっていることを指摘しました。区民アンケートにも、50代男性「年間85万の所得に対し、12万の負担はどう考えても大きすぎる」、40代非正規女性シングルマザー「親子3人の生活、ひと月の手取り17万で国保料2万5千円は高い。フルタイムで働いているが非正規なので社保に入れてもらえない。国保料の負担が大きい」などの声が寄せられています。
 この間、高すぎる国保料が区民のくらしを圧迫しているのではないかと区の認識を質しても、「加入者の方には一定の御負担をお願いせざるを得ないと考えている」というような答弁が繰り返されています。いったい区は、区民の置かれている現状をどう認識しているのでしょうか。区民にとって、高すぎる国保料の負担が限界にきているという認識にまず立つべきと考えますが、答弁を求めます。

 わが党区議団は、第3回定例会一般質問で、国保料の減免申請の相談に行った区民からの声をもとに、減免申請書を窓口に置いてほしいと求めましたが、「申請者の状況を聞く中で対応していく」という答弁でした。その後も区民からは「なぜ申請書を置いてくれないのか」「他の自治体ではホームページでダウンロードできるようにしているところもある」などと、区の対応に不信の声が寄せられています。改めて国保料減免申請書を窓口に置くことを求めますが、明確な答弁を求めます。

 国保年金課の業務委託について質問します。
 先ほどの区民が減免申請の相談に行った際、窓口では「減免の紙は出せません、相談しながらここで書くものです」などと言われ、その根拠を尋ねると30分以上も待たされたとのことで、窓口対応に不満を爆発させていました。わが党区議団は、国保年金課の業務委託については、個人情報漏洩や偽装請負などのリスクとともに、民間事業者では、区民の生活実態をつかみ、困難に寄り添った対応ができなくなるなどの問題点を指摘し、業務委託はすべきでないと主張してきました。これまで、区民と接する最前線の窓口業務は、区職員が担っており、職員が直接区民と接することで、保険料等の負担が重いなど、区民生活の痛みの声を聞き取とり対応ができていたはずです。しかし、こうした事例をみれば、民間事業者では、困窮する区民に寄り添った対応はできないのではありませんか。区は、業務委託で、保険料等の収納相談や減免申請を希望するくらい生活が困窮している人の相談に対し、区民の生活実態をとらえ対応ができているとの認識なのか、見解をうかがいます。
 また、減免等の相談は、機械的な対応ではなく、相談者の実情をよく聞き、区民を救済する立場で対応するよう求めておきます。

 窓口対応への不満とともに、区民からは「大事な個人情報を公務員以外には話したくない」との声も寄せられています。国保は個人の生活や健康問題などセンシティブな問題を取り扱うところであり、民間事業者への業務委託はそぐわないものです。業務委託は中止し、区職員が責任をもって対応すべきです。見解を求めます。

 来年度の都道府県化に向け、国保料がどうなるのか注視されています。決算特別委員会でも取り上げましたが、区が法定外繰入を行わなかった場合、東京都が示した試算では、杉並区の加入者一人当たりの保険料は、H27年度の年額12万1983円から、15万2823円へと1.25倍、3万円も値上げになる可能性があります。
 東京都は、都議会第4回定例会に、区市町村が来年度の国保料率を定めるうえで基本となる都への国保事業費納付金と標準保険料率を決定するための算定方法などを盛り込んだ都国保条例を上程する予定です。この間、各自治体は、都と協議もしていると思いますが、杉並区は、都が示す国保事業費納付金を納めるにあたり、どのように保険料率を設定していく予定なのか、見解をうかがいます。

 高すぎる国保料の引き下げは切実な願いです。あらためて法定外繰入を継続し引き上げしないよう求めるとともに、東京都にも財政支援を求め、区として、ひとり年額1万円の引き下げを実施するよう求めます。見解をうかがいます。

〇最後の質問は就学援助についてです。
 今年4月から、要保護世帯に対する入学準備金の国の補助単価が、小学生は2万470円から4万600円に、中学生が2万3550円から4万7400円にそれぞれ引き上げられました。こうしたことを受けて、わが党区議団は、この間、準要保護世帯に対しても、要保護世帯並みに額を引き上げ、支給時期も入学前に改めるよう求めてきました。前定例会決算特別委員会の中で、中学校は2019年から、小学校は2020年から前倒し支給の実施が表明されたことは重要な前進であり評価するものです。次は増額に踏み出すよう求めます。杉並区の準要保護世帯に対する入学準備金は小学校で20,700円、中学校では22,900円です。しかし、新入学時にかかる費用は、小学校では、ランドセルだけで平均で4万円、体操着や上履き、絵の具セット、鍵盤ハーモニカなどをあわせると6万円近くにもなります。中学校では、標準服が5万円前後、上履き、体操服などが加わると7万円前後と一定の負担となります。昨年5月の国会でも、当時の文科大臣が、平成26年度子どもの学習費調査の結果を取り上げ、新入学児童生徒学用品等におけるおおむねの経費は、小学校1年生が5万3697円、中学校一年生が5万8603円であり、「実際の支給額と乖離がある」と答弁しています。区の認識はどうでしょうか。答弁を求めます。
 
 準要保護世帯への入学準備金について、区は、これまで「他区と比べて遜色ない。増額は考えていない」と答弁してきています。しかし、他区の額を調べてみると、練馬区は小学校2万3890円、中学校2万6860円、中野区小学校2万3,890円、中学校2万6,860円、板橋区は小学校2万3870円、中学校2万6860円で、杉並区より3000円から4000円近く高くなっています。これで遜色ないといえるのでしょうか。
 増額については、新宿区は、準要保護世帯に対する入学準備金を、要保護世帯と同額の小学校では4万600円に、中学校では4万7400円に引き上げ、今年入学した対象者には、差額相当分も支給するとしました。ほかにも、文京、府中、狛江などでも増額を実施または予定しています。他区に遅れをとることなく、杉並区も増額するよう改めて求めますが、いかがですか。また、要保護世帯並みに引き上げた場合の予算についてもお答えください。

 就学援助を受けられる対象者の拡大も必要です。区は、認定基準については生活保護基準の1.2倍としており、これについても「他区と比較して遜色ないものと考えてる」と答弁しています。しかし、生活保護基準の引き下げなどによって、認定基準額の目安も引き下げられ、たとえば小学生一人のひとり親世帯、平成25年度は約306万円が29年度は約274万円にに引き下げられています。対象者が狭められているのではないでしょうか。こうしたことからも、認定基準を1.5倍に引き上げる必要があると考えますが、見解を求めます。 
 
 先の衆議院選挙では、自民党、公明党が教育費の負担軽減や幼児教育の無償化を主張しましたが、これは消費税増税の口実であり、教育を人質に消費税増税を押し付けるやり方は許せません。また、安倍首相は、教育の無償化を憲法改悪の突破口に利用しようともしています。これもあまりに姑息です。無償化を言うのであれば、まず2005年に廃止した準要保護世帯に対する国庫補助を復活させ拡充させるべきです。区としても、国に意見を上げるべきと考えますが、見解を求めます。

 「子どもの貧困」が深刻化するもとで、就学援助制度の拡充や教育費の負担軽減は最優先課題ですが、杉並区議会では一部の会派から生活保護世帯の中学3年生への塾代助成に対する攻撃が繰り返されています。生活保護の質問の中でも述べましたが、保護を受けている世帯と受けていない低所得者世帯を比較して保護世帯の施策を削るよう迫るのではなく、低所得者世帯にも制度をいきわたらせるように拡充していくことこそが政治の責任です。文京区では、来年4月から、生活保護を受けていない生活困窮世帯の中学2・3年生の学習塾の費用を助成することを表明しました。また、貸与型の奨学金制度をあらため、高校入学時の学用品購入費等に充てる給付型の制度の創設も実施するとしています。杉並区も、こうした自治体の例に学び、先進的に教育の負担軽減に取り組んでいただくことを求め、質問を終わります。


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