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原田あきら
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さよなら「ぼたん湯」…。

29年間見てきたぼたん湯の入り口。昔と変わっているのは自動販売機が変わったことぐらいです。

地域の文化財ともいえる銭湯

 成田東4丁目、地下鉄丸ノ内線『南阿佐谷駅』の南に裏道を行くと何だか古いコンクリートの高い壁が道沿いにそびえて20mほど続いています。それがぼたん湯の壁です。草ぼうぼうの小道を行くとすぐに入り口がありますが、いかにも銭湯らしいあのグァラグァラいって開ける二枚の扉。入るとまずは靴を脱ぐところがあって靴箱の鍵はもちろん木のお札状のもの。こだわりの番号に靴を入れたら自分の性別のかいた暖簾(のれん)をくぐってもう一つの小さなガラガラ戸をあけると男子の場合、右に番頭さんがいます。とにかく広い敷地ととにかく高い天井
 この銭湯、特徴は今ではありえない広さと昔の形そのままの木造銭湯の建築様式です。男湯、女湯合わせればちょっとした体育館ぐらいあります。ロッカーだけじゃなくて草で編んだ籠(かご)が置いてあってそこに着替えをいれてもOKです。わたしはよく風呂からあがった時のバスタオルをいれて入り口のところに置いておきました。
 天井が異様に高く、脱衣所の天井には名前を知らないのですがあのでかいプロペラが4つついたぐるぐるまわる扇風機がまわっていました。湯船の広さも杉並一番! 大の大人がおよげます(実際に泳いでいるシーンを見たりします)。
ぼたん湯の裏側。ほんと独特の建築物ですよね。一度解体する前に見学したいです。

五感を刺激します

 熱いお湯も気持ちいい! 小さい風呂で熱いと熱湯としか感じませんがでかい銭湯の湯船では五感を刺激してくれる感じがします。
 湯船からあがった方はこれまたでかいガラス戸を開けて外の板張りの軒(洋風に言えば「テラス」?)へどうぞ。溶岩や花崗岩、豊かな木々、そして池をあしらったデザインのちょっとした日本庭園を眺めて涼みます。
 男湯と女湯をわける壁に埋め込まれたそれはそれは巨大な鏡に自分の肉体美を映して眺めるもいいでしょう。
 ほっと落ち着いたら明日への活力を出すために小さな冷蔵庫から瓶の珈琲牛乳を取り出し、それを横目で見ている番頭さんから110円で買って、腰に手を当てごっくごっくと飲んでください。

 そんな銭湯です。これが銭湯です。そんなぼたん湯が廃業するとはただただ、残念の一言。
男湯側の高い壁から木が飛び出していますが、なんと石榴(ザクロ)が実を付けています。

風呂なしアパートだったので銭湯通いの幼少期

 私はかつて鎌倉街道の入り口付近、成田東5丁目の吉野荘という二階に風呂のないアパートのまさに二階に住んでいました。小さい頃は銭湯に行くのがイヤでイヤで(めんどくさかったんです)仕方ありませんでした。しかし、ぼたん湯てのは何だか行くと雰囲気があって大人になったせいもありますが、私が初めて銭湯っていいなとおもったところでした。中学2年生になって風呂付の家を借りてからはあまり銭湯に行かなくなりましたが、それでもたまに誘われるようにぼたん湯や近くの銭湯に足を運んでいました。
拡大写真。
 なんだか異様にさびしい。地域の銭湯が廃業すると何だか言い知れない寂しさが襲ってきますよね。って私だけでしょうか…。
 メモリアルとしてぼたん湯の写真を少数ですが載せています。

ちょっと不安…。不自然なぐらいの手際の良さ

 廃業したのは8月31日で廃業のことは利用者などにほとんど伝えないまま9月1日に突然貼り紙で閉湯を通知。私は知っていましたが、利用者がその日もやっていると思って桶にタオルを入れてやってきていました。私があいさつに行くとおばさんたちがいましたが、その日、9月1日には引っ越してしまうとのこと。そしてなんと9月6日には解体です。南阿佐谷駅の徒歩30秒といったところにあってしかも真四角の広い土地ですから、もしかしてマンションでも立つのではないかと思ってしまいます。そうした場合、近隣との問題も生じるので突然の閉湯&引越しとしたのかなあとおもいます。やはり地域住民としてはマンションよりも風情のある銭湯の方がいいですもんね。
 ああ、残念。地域の文化財とでも言うべき銭湯を私は守っていきたかった。
 解体は9月6日から。中の撮影もさせてもらえればなあ。
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杉並区成田東4-5-14
TEL 3391-0977

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