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13.11.21 一般質問原稿『区立施設再編整備計画素案について』

“ 杉並区財政危機論 ”への反論と対案

さて、区立施設再編整備が議題とされるようになったのは、杉並区「施設白書2010」の指摘からです。30年間で約2800億円の区立施設の改修改築経費がかかるという試算を発表したものです。確かに一見すると巨額に感じますが、しかし年間になおすと約90億。今でも年間約50億円の改修改築経費を使っていますから、例年と比べて増える年間予算は40億円ほどとなります。さて、はたして年間1500億円の一般会計において、この40億円がどれほど財政を圧迫するというのか、実はいまだにはっきりしていません。
 しかも先の第三回定例議会におけるわが党区議団の質疑により、この「30年間で2800億円」という数字には起債が考慮に入れられていないことがわかりました。これは大きな問題です。今回の改修改築経費である約2800億円のうち、実に約2000億円は小中学校の改修改築経費ですが、この間の学校改築には総工費の60%に起債が充てられています。起債を立てることによって、年間の改修改築経費は相当平準化されることとなります。巨額の改修改築経費という財政危機論の根拠は揺らぐことになり、児童館やゆうゆう館、区民事務所会議室などといった区立施設に大ナタを振るわねばならないような区立施設再編の必要性に一つの疑問が浮かび上がります。そこであらためてお聞きします。
【質問】
 田中区長はこの間、山田前区政の起債ゼロ政策を批判してきましたが、その区長がなぜ区立施設再編整備計画素案における改修改築費の財政負担について、起債を考慮した数字を出さなかったのか伺います。また、起債を考慮した単年度の財政負担はいかほどになるのか、明快な答弁を求めます。
 区長の財政運営にはほかにも大きな疑問がわいてきます。基本構想では区立施設再編は先行き不透明な経済状況下、やむを得ないとされましたが、一方で荻窪駅周辺まちづくりという大型開発は平然とまちづくりの戦略的課題、重点施策として明記されました。
この基本構想と同時に示された『「今後の財政運営の在り方」についての基本的な考え方』という文章では経常収支比率80%目標が掲げられています。現在杉並は82.8%の経常収支比率で、柔軟な財政状況といえます。端的にいうと区長が柔軟に支出することのできる予算が全都平均を上回って存在することを意味しています。財政が柔軟性を有することを否定はしませんが、区民福祉がないがしろにされてまで目指すものではありません。経常収支比率にこだわらなければ、現在の施設規模を維持しながら、基本的ニーズたる保育や介護の願いに応えることが十分可能であると指摘します。
また、財政のダム550億円の基金積み立て目標まで打ち出されています。“今後の財政運営の基本的なあり方”には「万難を配しても」3カ年で160億円を貯めるんだと力強く書いてあります。いったい大規模な区民施設を統廃合せねばならないほどの財政危機をうたいながら、どのようにこうした方針は整合性が図られるのか、しっかりと説明していただきたい。
 
【質問】
 経常収支比率80%や、550億円となる「財政のダム」の目標にことさらこだわり、その一方で区立施設再編による区民サービスの大幅な低下がもたらされることに大きな疑問がわいています。区としてどのようにその疑問に答えるのか、お答えください。
 区は党区議団によるこうした議論を受け、修正素案においては少子高齢化を強調し始めました。杉並区の人口は30年後、子どもが減り、とくに高齢者が2倍近くになっているので、その時には区立施設を維持する力が区にはないというのです。
 これは野田前首相が好んで使った「騎馬戦型から肩車型」社会論と似ています。人口構成からすると現在は3人の現役で一人の高齢者を支えているが、将来一人の現役が一人の高齢者を背負わねばならないという論法ですが、これは今や自民党政権も使わなくなりました。
 ここは重要ですので少し詳しく指摘します。この論法は現役世代と高齢者の人口割合をそのまま、社会保障の負担かのように表現します。しかし、現役世代が支えているのは高齢者だけではありません。子どもたちも支えていますし、現役世代自身の社会保障も支えているのです。そこから考えると高齢者にかかる負担は社会保障の全てではなく一部です。ですから高齢者がたとえ2倍になったとしても社会保障費全体が2倍になるわけではないのです。
 さらに当時の政府は生産年齢人口を現役世代といいましたがこれはまやかしです。生産年齢人口とは15歳から65歳を指し、学生まで含まれます。さらには失業者や障がい者、専業主婦など給与所得者でない国民も含まれるのです。少子高齢化による将来の影響を測るなら実際の労働人口を割り出さねばなりません。また女性の社会進出や、進むであろう高齢者の就労なども加味した労働人口を将来推計し、その数値で人口全体を割ることで将来の負担が見えてきます。そこでお聞きします。
【質問】
 区は少子高齢化によっていずれ財政がひっ迫するといい、将来人口推計ばかりを示しますが、具体的に労働力人口の推計は杉並区の場合どうなっているのか、その杉並の労働力人口で総人口を割る計算をした場合、現在と2040年の割合はそれぞれどうなるのか、数字を示していただきたい。
 基本構想と区立施設再編の中で杉並の将来設計にかかわる重大な問題となるのが近隣住区の考え方の見直しです。杉並区は7地域の標準生活圏とさらに細分化した46地区に区内をわけ、施設配置等の目安としてきました。住宅都市杉並の特徴としてどの地区に住んでも区民サービスを身近に便利に享受できるまちなみが魅力です。しかし区は、財政危機論や少子高齢化の不安をあおるなかで、近隣住区の考え方を見直し、区立施設の統廃合と駅周辺のまちづくりに舵を切ろうとしています。ここでも少子高齢化の中で施設の集合化複合化はやむを得ないかのように説明しています。しかし、本来であれば自治体は、ゆゆだくだくと少子高齢化を待つのではなく、それを克服するべく施策を講じるのが仕事です。少子高齢化に合わせるどころか、むしろ先行して区民サービスの縮小を図れば、逆に少子高齢化を呼び込むばかりです。そこでお聞きしたいと思います。
【質問】
 身近で手厚い福祉施策を展開し、良好な住宅都市杉並を目指してこそ、杉並の少子高齢化を克服していくことになると考えますが、区の見解を求めます。
 区はとかく、都市部では土地がないといって保育や介護の施設整備を怠ってきましたが、わが党区議団が示してきたように、国有地や都有地には認可保育園はもちろん、100名規模の特養も可能な土地がいくつもあります。しかも保育や介護施設の場合はこうした土地の賃料を大幅に引き下げて借りることができるようになります。にもかかわらずこの間、区はこうした土地の活用に背を向け、いくつもの数千�屬箸いε效呂�売却されてしまいました。こうした区の動きの鈍さは区の姿勢の根底に、区立施設再編による跡地活用という考え方が横たわっているからにほかなりません。そこでお聞きします。
【質問】
 保育や特別養護老人ホームは、区立施設再編による用地の確保ではなく、積極的な国有地や都有地の活用をめざすべきであると考えるがいかがか。3000�屬鬚海┐襪茲Δ聞餡噺�務員宿舎跡地などは、一度宅地化されれば都市部において二度と取り戻すことのできない土地であり、すぐにでも活用の意向を明らかにすべきではないのか。区立施設の削減ありきの姿勢のためにおくれてはならないと指摘するがいかがか、お答えください。
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