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<2012年第二回定例議会を終えて>
6月7日から6月26日までの会期となった第二回定例議会が閉会しました。国政では大飯原発再稼働や税と社会保障の一体改革、そして三党合意など重大な局面を迎えるなか、杉並区がこの激動時に何をなすべきか、問われる議会となりました。日本共産党区議団はこうした情勢を背景として一般質問に臨み、くすやま美紀団長、金子けんたろう、鈴木信男、富田たく区議が登壇。各委員会で活発な論戦を展開した。
【重要議案】
本議会に上程された議案については、16議案中、11議案に賛成、5議案に反対としました。主な議案としては
○印鑑手数料条例の改正条例において、国の外国人登録法の改定に反対した立場から、また住基ネットの強化につながる個人情報の電子送信が含まれているため反対しました。
○特別区民税条例の改定については寡婦控除の手続き緩和、震災被災者の二重ローン対策など賛成できる内容も含まれましたが、いわゆる復興増税にかかわって被災者にも増税を課すことになる住民税均等割額の増加が含まれていたため反対としました。
○学校教職員研修所秋川荘の廃止条例については、ずさんな事業仕分けにより、9割が区民利用という現状への手だてなく廃止とすることに異議を唱え反対としました。区民が提出した区民利用の継続を求める陳情には区内全域から500筆を超える反対署名が添えられており、極めて重い民意をしめしました。党区議団は「旧秋川荘」の区民利用復活を求めていきます。
○「土地の取得について」は東電グラウンド購入の議案です。党区議団は賛成しました。これまで区民利用は極めて限定的でしたが、区の所有地となるため、野球場やテニス場、陸上トラックなど恵まれた施設を区民が享受できるようになります。購入価格は接道がない土地のため60億円弱と近隣の地価と比べて極めて安く、その多くを防災公園としての国からの補助金、都からの財政調整交付金でまかなうため、区の負担分は数億円ほどとなります。
○「平成24年度補正予算(第1号)」は防災対策や緊急雇用対策など積極的な内容がいくつか含まれたものでしたが、南伊豆健康学園廃止に関わる校舎の解体と配管の切回し工事が含まれていたため、その部分の修正を求める意味で反対としました。
○「杉並区議会永年在職議員表彰」は党区議団の鈴木信男議員が在職25年を迎えたため、杉並区議会としてその功労を表したものです。鈴木議員は議場挨拶において「この表彰は私だけでなく長年党を支持し、私を支援していただいた方に贈られたものです」と語りました。
○閉会日に監査委員の選任議案が区長から提出され、党区議団は公正中立、不偏不党の立場を貫くことを指摘した上、これを承認。農業委員の選任も行われ、自民区議が指名されましたが党区議団は議会運営委員会において鈴木信男議員を推薦した経緯があるため反対としました。
【防災への関心高く】
引き続き防災への関心は高く、各会派が様々な立場から質問を展開。党区議団ではくすやま議員、金子議員が一般質問にたち、都市環境委員会では富田区議が防災計画の問題点などについて追求しました。杉並区は都内でも有数の震災時延焼危険地域となっています。しかし、区はこの期に及んでも「都の防災計画に沿って」という言葉が目立ち、区独自の被害予測やそれへの積極的な施策展開という立場にたてない実態があります。党区議団は墨田区の部分耐火工事の助成制度など他区の先進例をあげ、区でもできることは何かを追求しました。今後も地域ごとに防災学習会などを行って参ります。
【福祉向上に向けた具体的な計画がない】
保育や介護の充実等、具体的施策の展開が田中区政において極めて鈍いことが明らかになってきました。たとえば認可保育園建設では計画されている多くが山田区政下で計画されたものとなっています。田中区政下の建設計画の目玉だった井草の認可保育園は、10月開園予定のはずが土地の買収もままならず絶望的です。これは企業に土地の買収から開園までを丸投げするという区内初の方式をとったため、当該企業の都合や意欲で今回のような事態に陥ってしまったものです。区は責任を企業に押し付けようとしていますが、言い逃れはできません。
党区議団はかねてから福祉施設の建設用地として国公有地の区による取得を求めてきました。今回その立場から、阿佐谷北○丁目の○○宿舎跡地や井草○○跡地などが民間売却され宅地化されてしまった事態を詳しく追求。これにたいして区は「様々な施策の優先順位を考え判断した」と答弁しましたがこれは重大です。事実上、保育や介護など福祉の向上を優先順位として低いものとした答弁であり、「困っている人がいれば借金をしてでも助ける」と言ってきた区長の答弁と矛盾するものです。抜本的な姿勢の転換が必要と指摘せざるを得ません。
【党区議団の主張が実る】
○いくつかの党区議団の要望が実りました。まず若者就労支援センターの開設です。党区議団は民青や青年支部と一緒にネットカフェ難民調査を行うとともに、その働き口の確保や生活相談を受ける窓口創設の必要性を訴えてきました。また、過酷な就労活動に心を傷めた若者や、人間関係に不安を募らせる若者などに対処できる、若者に特化したハローワークの杉並分室を求めてきました。若者就労支援センターは党区議団の要求を取り入れたものとなっています。
○また、平和施策で重大な前進がありました。原水禁運動発祥の地でありながら、広島・長崎両市長が呼びかけた「平和市長会議」に加盟していませんでした。平和市長会議は国際的な核兵器廃絶条約の創設を目指す国際NGOで現在世界153カ国・地域5,276都市が加盟。党区議団は毎年の原水禁世界大会に参加者を送り、6・9行動にも参加し、区民の運動を議会に伝えるとともに平和市長会議への杉並の加盟を訴えてきました。田中区長は今議会において加盟検討に入ることを明言しました。国内の反核運動を盛り上げる上でも重要な前進と言えます。
【大飯原発再稼働撤回、子ども子育て新システム反対の意見書を提案】
党区議団は大飯原発再稼働撤回、子ども子育て新システム反対の意見書案を議会運営委員会理事会に提案。いずれも国会で自公が反対を主張していた問題です。しかし、いずれも議案として上程することには至りませんでした。再稼働撤回においては「ハッキリしない中で出すべきでない」(公明)「大飯町のことを杉並でとやかくいうのはよくない」(自民)という低次元の反対理由に自公民は終止、生活者ネット・みどりは意見書提出に賛成しました。新システムの議論では自公民が「先行きがわからない」とし、生活者ネット・みどりは「考えるところがあるので」と意見書提出に反対。ネットは新システムに賛成していることが明らかとなりました。
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