日本共産党
杉並区議会議員
原田あきら
HOME
プロフィール
議員活動
すぎなみ探検隊
お知らせ
趣味のページ
リンク
すぎなみ探検隊
<< 戻る

09.9.11 一般質問原稿��

区立図書館の全地域館指定管理者導入について

 次に区立図書館の全地域館指定管理者制度導入についてお聞きします。区はこのたび指定管理者制度に基づいて全地域図書館を民間事業者に明け渡す計画を発表しました。区民の議論もないまま、すでに業者の募集が始まっています。市民団体からはすでに多くの反対意見が出されていますが、その特徴的なものは指定管理者制度では図書館の継続性が失われ、社会教育の主柱たる図書館の発展を損なうと指摘するものです。しかし区は民間業者の創意工夫が運営に加わるし、職員の労働条件も法令に違反することはないと強弁します。そこで図書館を受託している代表的な民間事業者が2006年毎日新聞にあけすけに語った記事を紹介します。「図書館法に無料貸し出しの原則があるため…入館者が増えれば赤字になる。全くうまみのない事業」だと創意工夫どころか誠意も感じられない発言が飛び出しています。事業者にとって図書館の民間委託は人件費を削ることでしか利益を上げられないのです。ここにはたして創意工夫が生まれるかどうか。
 ですから民間運営の図書館で働いている人はほとんど非正規、低賃金、短期間の労働となっています。働いている人の労働条件も気になりますが、図書館にとって最も重大な問題が短期間雇用であるという点です。図書館にとって非常に重要なことは経験や能力の蓄積です。これが保障されれば図書館には本の貸し借りにとどまらないまさに無限の可能性があるのです。例えば、その地域の商店街が衰退していたとする。そんなときにいい実践はないかと図書館に行くとその図書館の蔵書に熟知し、地域を熟知した図書館司書が最新の優れた本をすぐに用意してくれる。まるで経営アドバイザーのような機能が備わっているわけです。議員が地域問題で困り、どうしようかと図書館に行くと専門の司書が対応し、次々と目の前に各地の経験を記した本やその問題に関わる学術書まで積み上げてくれる。そんな機能を発揮することもできるのです。これは単なる夢ではなく、実際にそうした実践を実現している図書館があるのです。来週の9月15日(火)6時半から杉並産業商工会館で行われる市民集会に訪れる常世田良氏が指導した浦安図書館です。
 図書館にしっかりと専門職を配置し、経験と能力の蓄積を図ってきた結果です。職員が低賃金でコロコロと変わるだけでなく、管理業者自体が3年ごとに変わる可能性がある図書館の指定管理者制度の問題点は国会でも大きな課題となり、2008年6月衆議院、参議院の両院で図書館については「指定管理者の導入による弊害」があるので「十分配慮」せよという全会一致の付帯決議がなされています。こうした声におされてか同じ国会で渡海文部科学大臣も「公立図書館への指定管理者制度の導入は長期的視野に立った運営が難しくなり、図書館になじまない」とより明瞭に答弁しているのです。ですから実際は指定管理者制度を図書館に導入している自治体は全国で少数派です。
 さて、杉並には条例に定めのある図書館協議会という中央図書館長の諮問機関が存在しますが、この協議会委員からこのほど区の今回の方針に反対の声明が出されました。これは極めて異例のことです。そこには数々と重大な問題が指摘されていました。例えば全館に指定管理者制度が導入されたとき、敵対する事業者が円滑な図書館ネットワークを構築できるのか、コロコロ入れ替わる事業者やその職員が大量の区民の個人情報を守れるのかどうか等々です。こうした指摘は区民からも区は受けており、回答もしていますが、結果としては「現在検討組織を設け検討している」というものでした。来年から全館導入という重大な決定にもかかわらず、この時期に現在検討中というのは異常事態ではないでしょうか。
 なによりも驚いたのはそもそもなぜ図書館協議会からこのような声明が発表されるのかということです。図書館行政に関わる重大な決定はこれまでもれなく図書館協議会に報告され諮問されてきました。しかし今回の全地域館への指定管理者制度導入の件だけは協議会に諮問されることがなかったというのです。実は先に区は図書館経営評価委員会なる組織を作り、「図書館経営評価」なる報告書を作成し、図書館協議会に諮問していました。これは図書館経営評価委員会のメンバーによる評価や図書館職員による自己評価などを織り交ぜて、各図書館の、各項目でABCをつけた資料です。実はこの資料こそが、今回の決定の重要な資料になったと区は話しているのです。
 図書館協議会はたしかにこの報告書の諮問を受けましたが、そのときこの報告書が全館指定管理者制度導入の資料になるとは聞いていませんし、しかも報告書がまだ試行的段階の未熟な資料であると指摘しているのです。たしかに報告書には多くの疑問点があります。たとえば民間事業者に業務委託を行っていた南荻窪図書館では、利用者の個人情報が書かれた紙をメモ紙にして個人情報が漏洩する前代未聞の事件をおこしていますが、なんとこの図書館は「個人情報保護の徹底」を含めた運営管理の評価がAだったのです。かたや区直営の図書館では同じ項目でA評価は2館だけ。B評価が5館という結果になっているのです。情報漏えいをした館がAとなる評価で、Bとなる直営館はどんな事件を起こしたというのか、思いますがたいした問題などおかしていなかったのです。市民団体が開いた集会では、区直営館の職員が発言し、やはり何に使われるかも知らされず自己評価報告書に記入したこと。正直にまだ足りない面があると記入したところBとつけられ、指定管理者導入の口実にされたと憤りを隠しませんでした。そこで続けてお聞きします。
<質問>図書館協議会の意義について区の見解を求める。また図書館協議会に区立図書館の全館指定管理者導入について諮問しなかったのはなぜか。
<質問>全館指定管理者制度導入に関して、図書館協議会にあらためて諮問すべきだと考えますがいかがですか、お答えください。
<質問>率直にお聞きしますが、「図書館経営評価」報告書でさして問題のない直営館がBとなり、情報漏えい問題を起こした中央図書館の業務委託がAとなっているのはなぜか。
<質問>「図書館経営評価」報告書は内容の信頼性が乏しく、これを資料とした改革方針の撤回を求めますがいかがか、お応えください。
 日頃「百年の計」だとか「日本の没落は教育が悪くなっているから」と指摘する区長がなぜ社会教育の主軸たる図書館行政をかなぐり捨てるような方針を出すのか、理解に苦しみます。区長の答弁も求めて、次の質問に移ります。

答弁

<中央図書館長(和田義広)>
 私からは、図書館についての質問にお答えいたします。
 まず、図書館協議会の意義でございますが、図書館運営における区民の参画を推進し、透明性を確保するとともに、図書館サービスの一層の向上を図るため、図書館法に基づき、図書館政策について、館長の諮問に応じ意見、提言を行う機関として設置しているものでございます。
 次に、地域図書館の運営を今後指定管理者の運営とするとの方針決定をなぜ図書館協議会に諮らなかったかとのお尋ねでございますが、指定管理者制度の導入につきましては、協議会にも報告した「民との協働で、個性ある図書館づくり」の方針のもと、条例を改正し、平成十九年度から阿佐谷、成田両図書館を指定管理の運営といたしました。また、既に四館が業務委託による運営となっています。
 今回の方針決定は、これまでの取り組みを検証し、現在業務委託となっている四館、直営となっている六館も指定管理者による運営とすることとし、決定したものでございます。
 図書館協議会には、五月に、今後の地域図書館の運営について、経営評価の結果を踏まえ、新たな運営方針を策定することを報告し、七月に方針について報告を行ったところでございます。したがいまして、改めて協議会に方針を諮り、審議いただく考えはございませんが、今後ともこの方針について理解を求め、図書館サービスの向上、発展のために意見を伺ってまいります。
 次に、図書館評価についてのお尋ねにお答えいたします。
 まず、具体的評価についてのお尋ねですが、個人情報の保護については、個人情報保護の意義等の徹底、情報セキュリティーマネジメントシステムについての理解、個人情報の理解の厳格さの三つの指標に基づき評価したものでございますが、個人情報の漏えい事故があった図書館につきましては、事故後、適切な運営管理を行い、この三つの指標を満たしていることからA評価とし、この一つが欠けていた図書館はB評価となったものでございます。
 次に、経営評価は信頼性が乏しい、改革方針の撤回を求めるとのことですが、経営評価は、運営管理業務の執行状況評価、サービス水準及び運営コスト評価、利用者満足度調査で構成され、サービスの成果や達成度、運営実態を評価できるものとなっております。
 また、今回の方針決定は、地域図書館が直営、指定管理者による運営、業務委託と三つの運営形態となっている現状について、経営評価の結果を踏まえ改めて検証し、定めたものでございますので、撤回する考えはありません。
 私からは以上です。

再質問

 図書館協議会、最後にお聞きしますが、全く答弁になってないんですよ。これ一点だけお聞かせください。
 図書館協議会には重大な問題はいつも諮問してきました。いつも諮問してきたのに、なぜ今回その諮問をしっかり行わなかったのか、議論の場を持たなかったのか。経営評価報告書を見てもらったから、それで諮問になりますと言ったってだめなんですよ。さっきも質問で指摘しましたけれども、経営評価報告書は全く未熟なものだった、試行的な段階で、何か重大な決定をなすには不十分な資料だという指摘を図書館協議会の委員の人たちがしているんです。この問題について改めて答弁を求めて、私の再質問を終わります。

再答弁

<中央図書館長(和田義広)>
 私からは、図書館についての再度の質問についてお答えいたします。
 図書館協議会にいつも諮問してきたのに、なぜ今回は諮問しなかったのかとのお尋ねでございますが、今回の方針につきましては、区で決定し、これまで同様に協議会に七月に報告したところでございます。
<< 戻る

杉並区成田東4-5-14
TEL 3391-0977

Copyright(c)2004,AKIRA HARADA
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。