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探検隊60号:全国初基礎自治体独自の教員養成・採用
師範館て何?
問われる師範館の公共性
杉並は独自に教員養成、教員採用を行う!
世間をあっと驚かせた杉並発のニュースでした。今回取り上げる師範館はこの教員養成を担う団体です。テレビなどでは「教育改革」としてもてはやされているようですが、現場や専門家からは疑問の声も出ています。
今号ではこの師範館の実態について原田区議の質問を取り上げ特集します。
「戦前のわが国の教育を現在の教育にどう活かすか」
区長が理事長?
教員の養成・採用という教育行政の重要な任務を担うにもかかわらず、実はこの団体、教育委員会の機関ではありません。なんと区長が理事長となっている任意団体。つまり区長が勝手に作った団体なのです。
ですから教員養成のための講師も勝手に選べ、カリキュラムの内容も勝手に作れてしまいます。つくる会教科書を採択したような山田区長の指揮下、区の教員が養成され採用される…これが師範館問題の本質です。
座禅や写経が教育実習…?
当初、師範館HPには「戦前のわが国の法律を現在の教育にどう生かすか」という文言がありました。心配していた通りでした。
実習には「座禅」「写経」などが盛り込まれ、教員養成としては不自然な感を否めません。山田区長らしさが存分に表れる内容でした。これは大きな問題となり、共産党の鈴木幹事長に『こういう教員養成を行っているのか』と厳しく追求され、区教委も「広範な意見を聞くためHP上に掲載したもので…今は行っていません」と答弁しました。
原田区議の質問に反響
「師範館購入図書」にみえた
「養成」の実態
「今は行っていません」と答えていた区教育委員会。ところが昨年、原田区議が師範館にかかわる問題を取り上げ雲行きが怪しくなってきました。“師範館の購入図書”という資料を原田区議が示したのですが、そのリストには『東京裁判日本の弁明』『中国、韓国反日歴史教育』『市販本 新しい公民教科書』(&同歴史教科書)など、いかにも偏った視点によると思われるタイトルの図書が並んでいたのです。
師範館講師の本に「教育勅語は教育の基本」!?
明白な国粋主義者の本も
さて、その中に『おじいちゃん戦争のことを教えて』という本がありました。著者は中條高徳氏(アサヒビール名誉顧問)。この人、実は「靖国神社に行かない人は政治家ではない」と発言して反日運動の火に油を注ぎ、中国でのアサヒビール不買運動を引き起こした人物です。
何を「子々孫々に伝えたい」のか
単なる購入図書ですがその中身は見逃せません。【学校教育の基本「教育勅語」】という項では「国益に尽くしてそれぞれの生き方を全うさせるように導く」と、戦中の「滅私奉公」を評価する姿勢を見せています。クライマックスでは孫から「アメリカとの戦争は正しかったの?」ときかれたおじいちゃんが答えます…「戦争以外に選択の余地はなかった」と。
なんと師範館の講師に来てました…
そして驚くべきは何をかくそうこの著者、昨年6月3日(土)に講師として師範館に招かれていたのです。テーマは「子々孫々に伝えたいこと」…いったい何を師範館塾生に伝えたのでしょうか。
出費もばかにならない
5年間で20億円!?
人件費の問題も深刻です。これまで東京都の採用だった教職員を杉並区が独自に養成・採用してしまうというのですから人件費は全て区の負担。初任給550万円として毎年25名の採用を5年間続けると独自採用職員に使うお金は5年間で20億円をこえます。
師範館の「公共性」を問う
さて、問題はなぜこんな団体から区が教師を採用できるのかです。実は区教委が師範館との間に協定書を結び、師範館が「公共性の高い団体」であるとのお墨付きを与えているからなのです。
この「師範館の公共性」を振りかざせば、任意団体である師範館の教員養成やそこからの教員採用が法的には可能となります。この協定書に基づき師範館の事務局には区職員が出向しています。年4千万円の経費も区財政からの支出が認められています。
中條氏のほかにも個人的選択といえる財界人を講師として招いており、そこに区教委が口を挟む余地はなし。しかもその講義の内容は公開されない…。
これでも師範館を「公共性」にかなった団体といえるのでしょうか。ここが師範館問題の分かれ目といえます。
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