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6.20 一般質問原稿
��国民保護計画について
2、国民保護計画について
次に国民保護計画について質問いたします。
区は去る5月31日、国民保護法に基づく第一回杉並区国民保護協議会を開催しました。
“日本が攻められたときのための法律”といわれる有事法制ですが、今回の協議会資料を見るにつけ、攻められたときのシナリオ=いわゆる武力攻撃事態というものがいかに現実と乖離した内容であるかを指摘せずにいられません。
「武力攻撃事態等シナリオのイメージ」という協議会の資料をみますと、杉並で想定される様々な武力攻撃事態について、そのイメージが示されていますが、そうした想定にかなりの無理があることをみずから明らかにしているのです。
「着上陸侵攻」という項目では「着上陸侵攻そのものは情勢的に考えにくい」と断りながらも攻められた場合には「幹線道路沿いという地理的特性から侵攻経路や出動経路になりえる」などとして強引にシナリオを作り出します。
さらに「特殊部隊等」による侵攻事態の項目でも、特殊部隊の「直接的にターゲットとなる施設は存在しない」とやはり杉並でのこの想定に無理があることを示しています。それでもこの想定を汲まねばならず、結果杉並の場合、特殊部隊が新宿でコマンド作戦を実行後、移動してきて阿佐ヶ谷の駅前ビルに立てこもるという想定になるのです。「危険物施設等への攻撃」についても「危険物施設が存在しないため、考えにくい」とはっきり書いてあります。それでも計画を作らなきゃいけないためにこのシナリオでは南荻窪のガソリンスタンドが破壊されるというかなり苦しい内容となっています。
ほかにも荻窪駅に弾道ミサイルが着弾するとか、公会堂で天然痘がまかれるとか、空爆されるとか、率直に言って荒唐無稽とも思われる内容が繰り広げられています。
区は11月にはこの報告に基づく国民保護計画案を作成し来年の2月には決定する方針です。本気でこのシナリオにそって今後計画が作成されるのでしょうか。
区の国民保護計画の骨子なるものをみると、この計画に基づいて警察や消防との連携など関係機関との体制整備、さらには区民への研修、訓練、啓発を行うとされています。
その12ページでは、「区は…具体的な事態を想定した訓練を実施する」とあり、さらに25ページでは「防災に関する啓発との連携」として大震災などの防災啓発にくっつけてこの想定に基づく危機意識を区民に啓発するとされています。
しかもその際、防災市民組織の特性を活かした地域住民への啓発をするとはっきり言っていることには驚ろかされます。防災市民組織を利用して武力攻撃事態を啓発する行為は区民の無用な危機感を煽るものです。「避難・誘導の訓練等に共通点があるのだから防災と一緒にやってもいいじゃないか」と区はいいますが、防災と武力攻撃事態を結びつけるのは姑息で危険な手法ではないでしょうか。
<質問>
そこでお聞きします。防災市民組織を利用し、他国への危機感を煽るような区民への訓練、研修については、区は慎重であるべきと考えるがいかがか。
特に注目しなければならないのは25ページの「学校における教育」というところです。こうした武力攻撃事態について子どもに学校を通じて教えるというのです。先生の口から、あるいはパンフレットなどから武力攻撃事態の可能性を煽る啓発が子どもになされることへの危惧を抱かずに入られません。
子ども向けですから、カラーで図柄の入ったわかりやすい資料、わかりやすい言葉になるのではないでしょうか。そうしたパンフなどで他国の軍隊が阿佐ヶ谷に立てこもるとか、荻窪にミサイルが着弾したなどと教育するつもりでしょうか。
国際情勢や社会認識の乏しい児童生徒に武力攻撃事態の教育を施すことがいかなる心理的影響を与えるか、国際感覚の歪みをきたすか想像に難くないではありませんか。これだけは絶対に行ってはならないことであります。
<質問>
学校における国民保護計画の啓発行為について、子どもの心理や国際感覚に与える影響を区はどのように考えているのか。お答え下さい。
この計画を練っていく機関となる国民保護協議会には武力攻撃事態という想定上、消防庁にとどまらず、自衛隊や警視庁がメンバーに入ってきます。区民への啓発、学校での教育、さらにはそれを防災組織を通して行っていくなどの手段を講じる上で、自衛隊や警察がその中心にいるのは不安を覚えずにいられません。
近年、自衛隊が不正なルートで複数の自治体から成人男性のリストを提出させていたことが問題となりました。あるいは防衛庁に情報公開請求をした個人をリスト化し、庁内で資料化するなど国民監視の体質がこの間、問題となっています。警察も1994年の生活安全局設置以降、警察主導で生活安全条例の普及に努めるなど、いわゆる治安行為を目的とした行政や住民団体への介入を進めています。
武力攻撃事態という想定に便乗して行政機関にたいする指揮系統の上部に自衛隊や警察が置かれることはないのか。また訓練、あるいは研修を通して安易に区民の情報やリストが警察や自衛隊に流される危険性もあるのではないか。
実際の大災害時ならいざ知らず、荒唐無稽とも思われるような想定を作り上げての警察や自衛隊の行政介入は許してはなりません。
<質問>
大規模テロなど武力攻撃事態という非常事態の想定を通して、区民のプライバシーが目的外に警察や自衛隊に流れることのないよう区の慎重さを求めるとともに、自治体に対する警察や自衛隊の権限強化につながらないよう注意が必要と考えるが、区の見解を求めます。
この質問の最後に根本的な問題を問いたいと思います。
保護計画骨子では区の地域特性として15ページに「諸外国の大都市において大規模なテロが多く発生している状況を踏まえ」た対応が必要であるとしています。しかし今、大都市において大規模なテロが起きている諸外国というのは、いずれもイラク戦争で他国に直接の攻撃を仕掛けたり、内戦を繰り広げているような国であります。日本でそのような事態を想定するのは、むしろ武力事態を自分たちから引き起こした場合ではないですか。
政府自身が2004年12月に閣議決定した新防衛大綱において「本格的な侵略事態生起の可能性は低下」したとしています。そこででてくるのが海外での活動、いわゆる国際貢献を自衛隊の中心任務にすえるという問題です。
イラク戦争にも各国が国際貢献といって軍隊を出動させました。憲法9条を変えようといっている政府です。「正義のため」を口実とした日本が起こす武力攻撃を実際に想定しているのではないですか。実際、今回の武力攻撃事態の想定が着上陸侵攻よりもテロリストによる襲撃を可能性の高いものと捉えていることをみれば、日本がそうしたテロの標的になる行為に踏み出そうとしていることを図らずも語っているではありませんか。
今、アジアでは靖国参拝の問題と合わせて日本の軍事的緊張の高まりを非常に危惧しています。ニューヨークタイムズで杉並の教科書問題が取り上げられたのをみても、日本の思想の右傾化、軍事的緊張の高まりはアジアだけでなく欧米でも問題になろうとしていることを私たちは知らなければなりません。
有事法制は日本が責められたときのための法律といいますが、国際社会からすれば明らかに日本が攻めるときのための法律と受け取られているのです。
<質問>
根本的な問題として、平和的な国際関係において有事法制関連法が問題を引き起こすとは考えないものか、区が国民保護計画を策定する段階にあってどういった認識をもっているのか、あらためて区長の見解を伺うものであります。
答弁(危機管理室長)
私からは、国民保護計画についてのご質問にお答えします。
まず、国民保護計画における区民への訓練や研修についてのお尋ねですが、訓練や研修の実施は、テロなどに際して区民の安全・安心を確保するために実施するものであり、他国への危機をあおることを目的としたものではございません。こうした観点から、区民の理解と協力を得られるような効果的な実施方法等を検討してまいりたいと存じます。
次に、子どもの心理や国際感覚に与える影響にかかわるお尋ねですが、子どもの教育は、成長、発展段階に応じて行う必要があると考えています。
次に、区民のプライバシーの保護についてのお尋ねですが、非常事態を想定した訓練などで、区民のプライバシーを保護することは言うまでもありません。同時に、緊急事態時に専門的な対処方法に知見を持った警察や自衛隊との連携は必要であり、緊密な関係の構築は不可欠でございます。したがいまして、区民の安全確保を図るという観点とプライバシー保護を含めた基本的人権の尊重という両面から、国民保護計画を策定していく必要があると考えております。
また、国民保護計画については、計画の策定、訓練、実施の各段階において区が主体的に取り組むものであり、警察等の過度な介入等のご心配はないものと考えております。
最後に、有事法制関連法の国際関係への影響等についてのお尋ねにお答えします。
有事法制関連法は、武力攻撃事態等に国全体として整合のとれた対処を行い得る体制を整備するものとして、さまざまな地域紛争の頻発、弾道ミサイルや大量破壊兵器の拡散、日本近海における武装不審船の出没、外国による日本を越えたミサイル発射、大規模なテロ事件の発生などを背景に、国家の緊急事態における対処を定める、国にとって基本的な法制であると認識しております。したがいまして、武力攻撃に備えるものであり、戦争を行うための法整備ではないと考えております。
私からは以上でございます。
再質問
国民保護計画なんですが、大震災とかの防災の訓練は、私だってやるべきだと思っているんですよ。そのときに、もちろん防災市民組織というのは非常に重要な役割を果たすと思っています。
ところが、それを利用して武力攻撃事態の啓発を行うんだと、この骨子には書いてあるわけですよ。どうしたって、荻窪にミサイルが着弾するとか公会堂に天然痘がまかれるといったら、危機感をあおるんじゃないですか。区が広報を使って啓発するぐらいだったらまだしも、本当にミサイルが飛んできたり天然痘がまかれる、そんな状況があったら、自然とそれは広がっていきます、そういう危機的な状況が社会にあれば。しかし、そういうことはないわけです。防災組織を利用するのみならず、一二ページを見ますと、さまざまな媒体を活用して計画の意義を、あらゆる手段を使って伝えるんだと書いてあるわけですよ。あらゆる手段を講じないと普及できないものって、一体何なんですか。私はあえてそういう危機意識を区民に広げるものにほかならないと思います。それについて再度答弁を行ってください。
それから、子どもについての教育ですけれども、気をつけるみたいな答弁だったんでしょうか。私の質問は、こうした危機意識を啓発することが、子どもの心理や環境、国際感覚に与える影響はどのようなものと考えているのか、こう聞いているんです。再度お答えください。
再答弁(危機管理室長)
私からは、原田議員の再質問についてお答えします。
まず、区民への訓練が危機意識をあおるものではないかという再度のご質問ですけれども、訓練自体は、あるいは研修自体は、そういったものをあおることを目的としたものではございません。しかし、危機に対しての対応というのは、常に危機意識を持っているということは、これは大切なことでございまして、いざというときにはこういった対応をするんだよと、そういったことの情報を伝えることは、ある意味では必要なことだというふうに考えております。
それから、子どもに対する影響ということですけれども、先ほど申し上げましたように、子どもの教育については、成長、発展段階に応じて行う必要があります。したがいまして、その内容ですとか教え方については、当然その辺は十分配慮する必要がありますが、小さいお子さんといっても、危機に遭遇したときに自分の身は自分で守るということは基本でございますので、そういった点について、教え方等に工夫をしながら、やはり教育についても考えていく必要があるのではないかというふうに考えております。
それから、先ほどの関連で、市民防災組織の活用ということでございますけれども、特別に国民保護法の避難誘導等と地域の方の危機の体制づくりにおいては、新たな体制をつくるというよりも、実際に存在している市民防災組織、こういった方々の協力を仰ぐことが現実的でございます。また、よく言われますけれども、地震等に対する対応が万全であれば、あらゆる危機に対応できるといったようなこともございます。そういった意味から、市民防災組織の協力を仰ぐというふうにしているものでございます。
私からは以上でございます。
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