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探検隊48号:姉歯事件の真相を問う
=杉並でも姉歯やイーホームズの物件があった!=
倒壊するのは「官から民へ」
姉歯一級建築士による構造計算書偽造事件は当初「姉歯事件」と呼ばれたりもしましたが、今では「ヒューザー事件」とも「総研事件」といってもおかしくない様相を呈しています。どこまで闇が広がっているのか…。 杉並でも姉歯等のかかわる物件はないかと心配される方も多く、区役所は対応に追われています。
このほど閉会した第四回定例議会では原田区議が質問。今回の事件をめぐる杉並の様子を報告します。
姉歯物件は区内で一件
日本共産党杉並区議団長の山崎一彦区議は、杉並区議会都市委員会の委員長であることから区役所にたいし、姉歯氏の関わる物件があるかを調査報告させました。
11月28日の都市環境委員会での報告によると、姉歯設計事務所が関わった建築確認は全国で194件。そのうち都内に72件。そして杉並区内には1件の建築確認があったことがわかりました。
当初、区はこの物件について、個人向け3階建ての建築で問題は無かったとしていましたが、国土交通省から再度確認の要請を受け調査。今回は構造計算の洗い直しを行っています。
区の調査相談活動は?
阪神大震災で中間部分が崩壊し傾いたビル。倒壊だけでなくこうした被害も心配です。
現在、相談は日に30件ほどで区職員が対応に奮闘。混乱は避けています。構造計算の洗い直しなど調査中の物件は全部で5件(竣工済み3件)。対象は今回の事件に名のあがった業者物件です。構造計算の専門家は区にいないため委託の方針。「全て区の負担とせず国の負担も求めるべき」とは都市環境委員会での原田区議です。
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衝撃!区内イーホームズの建築確認取り消し!!
杉並区で今話題となっているのはイーホームズです。
原田区議は11月28日の委員会において、富士見が丘葬祭場の建築確認について質問しました。
京王線富士見ヶ丘駅前にのびる商店街の中に葬祭場をつくるというめちゃくちゃな計画で、地域住民と建築主が激しく対立。テレビも入って「噂の現場」となっています。じつはこの計画を建築確認したのがイーホームズだったのです。品川の葬祭場でつい最近、同社の建築確認が取り消しになっていた事件を受けての質問でした。区から「確認する」との答弁を受けた三日後の12月1日、建築確認が取り消される事態へ発展。共産党のチェック機能が光りました。
区内には他区ほどではないにしろヒューザー物件もあり、事態はまだ広がる可能性も。日本共産党は区民の目となり口となり議会での追及を行っていきます。
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『官から民へ』の正体
震災後に建てられた神戸の巨大マンション群。急激な「復興」のため震災後の神戸の建築物はなんと99%が民間建築確認。
そもそも今回の事件はどういう事件なのか。じつは今流行の「官から民へ」「小さな政府」というスローガンと密接な関係があります。
1998年、このスローガンのもと建築基準法の「改正」が行われ、それまで行政が行っていた設計や構造計算のチェックをする建築確認業務を民間の検査機関が行ってもいいという「規制緩和」がなされたのです。しかし、この「規制」は安全な建築を行わせるための、国民から業者にたいする規制でした。
結局、自民党のいう「官から民」の「民」とは民間大企業であり、国民ではありませんでした。政治の大事な部分を官僚から大企業に預けてしまう極めて危険な意味をもっていたのです。
民間検査機関にゼネコンが出資
するとどうなったでしょうか。
下の図をご覧下さい。これは国会でも名前の出た日本ERIなど民間検査機関の最大手数社の出資企業を示した資料です。
どれを見ても名の通った大手のゼネコンやハウスメーカー、建材メーカーが資本出資をしています。建築物のチェックをするべき検査機関が、チェックをされるべき企業によってつくられてしまっている…。
民放のニュース番組でも日本共産党が98年の法「改正」のとき、このような癒着の関係ができるのではないかと国会で追及していたことを報道。予想できない事態ではなかったことは明白です。
主張
政治と企業の癒着なしに幕引きは許されない!!
問題は国がなぜこの状態を放置してきたのかです。今回はヒューザーの小嶋社長が自民党や公明党に献金を行っていました。こうした献金まみれの議員が事件に際してとった行動は深刻。
事件発覚の一週間前に山口那津男参院議員の秘書が、発覚の二日前には伊藤前国土庁長官が小嶋社長を国土省に紹介し相談しています。いったい何を相談したのか。「ヒューザーの責任は問うな」「補償はすべて国民の税金で」などといっていたとしたら…。そんな幕引きは絶対にさせてはなりません。共産党のチェック機能が今必要とされています。
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