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原田あきら
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衆院選!杉並の結果について

 さて、日本共産党が選挙結果を語る上でわりと注目を集めるのは、杉並選挙区の結果についてでしょう。
 ご存知のように東京八区(杉並)は自民、民主、共産に加えて、山本太郎氏が出馬したことで一気に注目選挙区となりました。
 長い文章ですが、かなり突っ込んで書いたつもりですのでよろしければ最後まで御高覧下さい。

杉並の共産党の結果

 まずは共産党の結果について。小選挙区の上保まさたけは約24000票でした。この結果はわりとすごいなと思っています。なぜなら、前回2009年の衆院選のときは自民、民主、共産の三つ巴で約25000票だったのに、今回は4人が出馬(しかも山本太郎が参戦)していながら、ほぼ前回の得票を維持しているからです。私のまわりでも相当数の支持者が山本太郎に投票すると言っていましたから、これは逆に言うと相当数の方が他党候補の支持をやめて共産党に今回は入れてくれたということです。吹き飛ばされてもおかしくなかった候補者状況にあって上保まさたけはふんばった形です。

共産票は政治のバロメーター

 杉並の共産党の比例は前回2009年衆院選の27000から今回約22000票へ減少。ただし、2010年参院選での杉並の比例票が18203票…そこからすると4千票ほどのばしていますので、直近の選挙と比べれば、まあ少しは持ち直した感のある結果でした。
 さて、共産票というのは政治のバロメーターとなっています。「日本共産党」というウケない名前やマスコミウケしないパフォーマンスなど数々のハンデ(笑)を乗り越えながら、真正面から財界の横暴やアメリカの暴力と闘う政党がどれだけ支持を集めるか…それを保守陣営はよく見ています。悪政推進に対する国民の反撃を常に恐れていますからね。よく共産党に入れると死に票になるなどと言われますが、逆に一票一票が政治に影響を与えているのです。出ては消えていくような党への票とはここに違いがあるということを訴えておきたいと思います。

山本太郎氏の結果について

 さて、山本太郎氏の選挙結果について。これにはまあ、驚かざるを得ませんね。71000票。突然の立候補にもかかわらず、これはすごい得票です。民主、共産の票を合わせれば久々石原票を上回っています。結果としてその票が他の革新政党の比例票や宇都宮けんじ票に大規模には流れていなかったことも指摘できますが、まあ今後の可能性を感じられる数字ではありますね。
 反原発運動家の中でも全国的に異彩を放っていた山本氏が杉並を立候補の地として選んだのは、高円寺素人の乱が引き起こした「原発やめろデモ!」や、その後の脱原発杉並の動き、そうした有象無象勢力大団結をうけた宇都宮けんじ選挙の異様な盛り上がり(結果としては全都平均15%の得票率が杉並では19%)を見てのことでしょう。

山本太郎氏と共産党の候補者一本化はできなかったのか?

 さて、山本太郎氏の話を出してこの問題を避けることはできないでしょう。
 公示直前の杉並で山本氏が出馬したことに対しては、共産の上保が出馬していましたから、少なからずの人達から山本氏にたいし「杉並の団結を分断するのか」の声が上がりました(なかば共産党への同情の声でしたが…)。でもこの出馬って共産党も含め、前向きにとらえるべきことかなとも思うのです。共産党も含め多くの団体や個人がいっしょくたになって杉並の反原発運動をつくってきました。なんでここで立候補するんだという声もありますが、まさに杉並の運動の高まりがあったからこそ山本太郎という全国的にも著名な活動家がこの地を選んだのでしょう。

独裁的な組織なら簡単に候補者調整できた

 山本氏からは公示日の前日、共産党の杉並地区委員会、次いで中央委員会に候補者調整(=共産党の候補者を降ろしてもらえないか)の話がありました。
 杉並では共産党が9か月前から28歳の上保まさたけを擁立し、活動を始めていました。共産党は政党助成金も大企業献金も受けていませんからね、候補者を一人立てるのに、年金暮らしの高齢者や生活保護の人もなけなしの千円や五百円をカンパしてくれたりします。土建業者や保育士、普通のサラリーマンもいます。みんなで支えて何百万円も集めます。一人の候補者にいろんな思いやみんなの苦労がつまっているのです。
 共産党では、地域で力のある人達が地区役員となって地区委員会総会を形成します。候補者もそこで議論されます。その議論をまた支部におろし、最終的には全国的な視点もいれながら中央委員会が判断します。そういうシステムになっているんですね。このようにしっかりした民主的な候補者の決定を行うことで、個人的な判断による組織の独裁を排除します。こうしてブレない党ができていくのです。もちろん、共産党の候補者を途中でおろすなんて話になれば同じように、この民主的なシステムが作動します。
 なかには「独裁的な組織だから地域の候補者調整ができない」なんてことをいう人もいましたが、これは全く逆ですね。それこそ維新の党なら即調整できたでしょうね、独断と好みで。

それでもすごい議論が展開されました

 ただ、それでも今回共産党ではすごい議論をしました。候補者調整についての。公示の前日ですからね…かなり無理のある展開ではありましたが、日本共産党は誠実に受け止めて、賛否両論、内部での激しい議論を展開しました。結論としては、共産党を支援する人の中には必ずしも山本氏の名は知れ渡っているわけではなく、政策の未知数、当選後の山本氏の行動への責任など、共産党が自信をもってこれまでの支持者に候補者調整を訴えられる状態にはなく、調整には至りませんでした。この結論には候補者調整もあり得ると訴えた党員も納得しています。そして、この点は山本氏も理解してくれていると思います。中央委員会ではお互いが力を出し切って頑張ろうと合意したと聞いています。
 しかし山本氏の社会的インパクトと政治姿勢を考えるとたしかにもったいないという話が出るのもわかります。沖縄では1区と2区で、共産と社民が候補者調整をしています。これは両者でじっくり話し合っての結果です。選挙での共闘はできないことではないわけですね。

民主的な手続きと「即応性」の両立は課題

 情勢に合わせた即応性というのも組織には必要ですが、党内の民主的なシステムを投げ捨てて身につけた「即応性」は、いずれ「ぶれない共産党」を変質させ、組織的独裁を生むことにつながっていくでしょう。
 ただし、じっくり時間をおいて考えないと情勢に対応できないというのもいかにも動きが鈍い印象を与えるかもしれませんね。ぶれない党と情勢をとらえた即応性の両立は課題かもしれません。日本共産党も結党から90年経っていますが、まだまだ成長の過程です。組織を革新していくことは重要なことですし、また、そういう姿勢が人々の共感を得るのだと考えています。そこら辺の共感とか信頼がいまいちないんですよね、共産党って。
 杉並では、これまでにないような激しい動きをしているからこそ、いろんな展開が生まれています。さらなる展開を期待こそすれ、次に何が起こるのか…と震えている場合ではありません。こんな逆境でも次の展開にワクワクしているような姿こそ、素人の乱の松本哉いわく「やたらしぶとい共産党」の真骨頂と言えるのではないでしょうか。
(12.12.21)
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