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TPPとは何か?��

TPPのもう一つの狙い、そして日本の進路

 シリーズ3に分けてTPPを特集してきました。演説も最近こればっかりです。
 TPPシリーズの最後に、あらためて日本の進むべき道について取り上げたいと思います。

経済協定はなんと24項目も!

 農林水産業はその取引額だけで語るわけにはいきません。自然環境や水源を守り、観光資源にもなっている伝統文化の伝承などなど、貨幣換算で年間90兆円にもなる農林水産業が担う多面的機能。これに傷がつけば税金ではもう補うことのできない深刻な被害が日本の経済社会や風土にもたらされるのです。
 しかも農林水産業だけが問題と思ったら大間違い。TPPの経済協定の項目は全部でなんと24!日本医師会が反対を表明しているのは、アメリカ型の、金の有る無いが寿命も左右するような、民間保険会社の支配する医療制度が日本に導入されようとしているからです。マイケル・ムーア監督の『シッコ』みたいなことになるってことです(観てない人は必見!)。

日本が世界から孤立!?

 TPPに参加しないと世界経済から取り残されることになる!
 なんて、おっそろしい言葉が飛び交っていますが、いったいどうしてTPP不参加が世界から孤立することになるのか。
 実は昨年の秋あたりで少なからぬ識者が、今確立に向けて歩んでいるアジア経済圏で日本がキャスティングボードを握るためには、アメリカも入った新たな経済圏をアジアにつくらなければならないと言っていました。なんといっても去年の段階では、中国も韓国もカナダまでTPPに参加するなんて噂が飛び交っていたのでそういうガセネタをキャッチした識者が色めき立ったわけです。自由貿易協定の被害の甚大さもしっかりと認識せず、アメリカというジャイアンについていけばアジアでスネオの役割を果たせるかのようなことをよくもまあ学者といわれる人たちが語れるものです。
 しかし結局、蓋を開けてみればTPPの参加国はたったの9ヶ国。中国も韓国もロシアもフィリピンもタイもインドネシアも入ってない。これでどうして政治家やマスコミはいまだに“世界から孤立する!”なんて言えるのでしょう。

ASEANとTPP

 そもそも、アジアにはASEAN(東南アジア諸国連合)という経済・社会・政治・安全保障・文化での地域協力機構が存在しています。日本もそこに「ASEAN+3」として中国や韓国とともに参加しています。大きな国が小さな国を食い物にするような「」付きの経済協力協定ではなく、大小いずれの国も発展していける経済協力圏をどう創っていくのか慎重に議論が進められています。
 この動きを気に食わないのがアメリカです。かつてアメリカの裏庭と言われた南米諸国からも見放され、アメリカも参加しているAPEC(アジア太平洋協力)でも環太平洋地域での貿易自由化交渉は議論されどもうまくいっていません。だからなんとかして、今後つくられていくであろうアジアの経済圏に割って入りたい…そんな思惑が透けて見えそうです。

世界から孤立するのはアメリカ

 アメリカが「環太平洋経済協力」などとムリくりの枠組みをつくってアジアに入りこもうとしても、昔のようにアジア諸国がへつらうような世界ではありません。こんなアメリカの思惑にのってTPPに参加すれば、逆に世界最重となるであろうアジア経済圏の熱気に日本は水を差したことになり、そのバスに乗せてもらえなくなるのではないでしょうか。
 世界で孤立し始めているのはアメリカです。10年後、20年後の世界の形を見定め、アジアでの協力関係の構築こそ日本が進むべき発展への道です。
(11.2.9)
 
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