所沢市国民健康保険税条例の一部を改正する条例の提案理由

 所沢市国民健康保険税条例の一部を改正する条例についての提案理由を申し上げます。
 改正いたしますのは、国民健康保険税の後期高齢者支援分の税率で、第3条の2の所得割100分の2.6を100分の0.82に引き下げ、第5条の2の均等割11,000円を3,400円に引き下げるものです。
 所得割の引き下げ率は1.78%、均等割での引き下げ額は7,600円となります。
 引き下げ総額は15億円です。
 なぜ今回の提案に至ったかといえば、平成20年度の税率引き上げ時の理由が、後期高齢者医療制度の創設に伴い、国保組合として新たに後期高齢者支援金を拠出しなければならず、その全額を国保加入者全員に上乗せせざるを得ない、というものでした。
 当時、厚生労働省は新制度移行によって、国保組合の負担はむしろ軽減されると説明しておりましたが、当市は市独自の計算例をもとに、負担の軽減はないと断定し、後期高齢者支援金として所得割2.6%、均等割11,000円を現行の税率にそのまま上乗せするという前年比で県内一の引き上げ幅となる増税を強行しました。
 増税した平成20年度の当初予算では、増税による収入増が23億円、一般会計からの運営費繰入金は22億円で、前年度決算額32億円を10億円下回りました。
イラスト  増税予算に賛成された会派の3月議会での討論は、一般会計からの繰入金を削減できることへの賛同でした。
 しかし、平成20年度国保会計の決算が提出されると、そこには驚くべき数字が並んでいたのです。
 歳入から歳出を差し引いた余剰金(繰越金)が、17億円も計上されその上一般会計からの運営費繰入金は当初予算額22億円を17億円に削減し、差額の5億円は一般会計に戻したのです。
 増税時の当初予算はあくまで推計の域を出ませんので、歳入歳出を見積もった結果23億円の増税が必要だと説明されれば、しかたない一面はあります。
 しかし、決算は結果です。増税額の23億円は予算決算とも変化がないものの、余剰金(繰越金)17億円の発生。それに加え一般会計への戻し金5億円。合せれば22億円にもなります。増税額23億円とさほど違わない余剰金が発生したのです。
 自然に発生したのではなく、赤ちゃんから74歳までの国保加入者に、いわれのない増税によって発生した余剰金です。
 平成21年度に繰り越された17億円は、一体何に使われたのか。まず10億円は国保運営のための基金に積み立てられました。残る7億円のうち、2億円は国保の保険給付に使われましたが、5億円は一般会計に戻されたのです。
 国保運営のためとして増税した23億円でしたが、一般会計に戻したのが平成20年度5億円、平成21年度5億円、そして国保会計の貯金に10億円まわしたことで、平成20年度の増税は明らかに、便乗値上げと断言せざるを得ません。
 平成21年度決算はまだですが、歳入項目の「前期高齢者交付金」の見込み額をはるかに上回る金額が歳入に計上されるため、また多額の余剰金の発生が見込まれます。
 市長は「22年度中に国保税の見直し」に言及していますが、そんなテンポでは、23年度実施ということになり、20年度から22年度分の増税は国保加入者にとって、取られ損ということになります。
 取りすぎた分は加入者にお戻しするのが、法治国家のルールです。私たちの提案は今年の4月1日から減税を実施することにしています。
 ぜひ、本条例改正に市民の暮らしを守るという期待を担って活躍される議員皆様のご賛同をお訴えして、国保税引き下げの提案理由といたします。


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