3月議会 開発優先 暮らし後退 高齢者医療や学校給食値上げ

 所沢市議会第一回定例会は29日閉会。市長提出議案60件のうち日本共産党市議団は54件に賛成、6件に反対しました。
 反対した議案は(1)街づくり基本方針の改定(2)2014年度一般会計予算(既報)(3)2014年度国民健康保険特別会計(既報)(4)2014年度後期高齢者医療特別会計予算(5)国民健康保険税条例の一部を改正する条例制定(既報)です。
 議案の特徴は、今後事業費が82億円の西武車両工場跡地周辺開発や、百億円を超えるごみ焼却炉の改修などに湯水のごとく税金を投入する一方で、増税や値上げなど市民生活を省みない藤本市政の政治姿勢があらわれています。
 また、議員提出議案は3件、全会派一致で可決されました。

農地の宅地化ねらう 街づくり条例の改定

  市内に6箇所ある旧逆線引き地区(現在市街化調整区域)を区画整理による宅地化をめざすことにしています。
当該地は国が農地保全を最優先にする方針から県も市街化は困難との見解を示していた地区です。
 しかし市は10年前と変わらぬ方針を固めました。
 過去に何度も地権者アンケートをとり、いずれも市街化を望まないとの結論に至った地区であり、このために職員の労力を再びかけるのは税金のむだ遣いです。

後期高齢者医療 55%が値上げ

 2年に一度の保険料改定で運営主体の広域連合組合は均等割額580円と、所得割率0.04%を引き上げ、軽減対象の拡大もあった結果、対象者の55%、1万8730人の方が料金値上げとなります。
 剰余金82億円のうち67億円を取り崩しましたが、この全額の取り崩しと財政安定化基金84億円を活用すれば保険料を大幅に引き下げることができるのです。
 もともと剰余金や基金は保険料が原資なのですから、とりすぎた保険料は被保険者に返すべきです。

私会計の学校給食 消費税増税上乗せ

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 消費税増税分の上乗せについては、企業会計を除く公共料金の上乗せについて法的な義務はなく、当市も今回は見送りました。
 しかし、学校給食代は保護者と学校の間の「私会計」との認識から、消費税増税分を上乗せする(小学校110円・中学校130円値上げ)ことを決めました。
 県内自治体では据え置きする市町が多いなかで、ここでも庶民の気持ちを省みない姿勢があらわとなっています。

年金削減中止 自民が反対

 年金者組合と長生クラブ連合会の議会各会派への要請を受け、日本共産党市議団が提出した「年金2・5%削減の中止を求める意見書(案)」は、自民党の反対で本会議に提出できませんでした。

 

無料法律相談会

4月26日(土)

午前9時30分〜11時30分

中央公民館3階和室

小林弁護士・石山氏(元民事書記官)
担当・荒川市議
090-2660-5883

城下のり子の議会報告

 新年度がスタートしました。わが家でも長女が大学、次女は中学校に進学と慌ただしい毎日です。なにかと物入りなこの時期、消費税増税による家計への負担は大変なものです。
 こうしたなか、所沢市は子育て世帯にも負担を強いる国民健康保険税の引き上げを提案、反対多数で否決されました。
市民の声が議会を動かしたのです。
 被災者の声に耳を傾けず原発再稼働や、戦争する国づくりを目指す安倍政権に国民の怒りが広がっています。子どもたちの未来を原発や戦争のない社会にするためにも頑張ります。

東部クリーンセンター基準値超え

 2号焼却炉排ガス中のダイオキシン自主基準値超えの原因報告がメーカーから示されないまま新年度予算が提案されました。東部クリーンセンター建設を審議した2000年6月議会で市は「施設が存続する限りメーカー保証される」と答弁。その後、自主基準値超えについても「メーカー保証で対応する」と説明していました。しかし、今回の質問で保証期間の曖昧さや、法定点検で指摘されていた修繕など、未実施があったことを認めました。自主基準値超えの対策もメーカー保証になるのか未定です。こうした状況に対する見解を求めたところ市長は「財政的な問題もあり、すべて対応できなかった」と答弁しました。

西部クリーンセンター1炉休止を

 西部クリーンセンター2炉の改修工事が約34億円で予定されています。1炉休止した場合の費用と二酸化炭素の削減量について質問しました。環境クリーン部長は「費用は約1億9600万円。二酸化炭素は年間1039tの削減になる」と答弁。更なる生ごみ類の減量資源化を進めることで1炉の休止は可能です。

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介護保険改悪の影響は

 介護保険改正に伴い、多くの市民が今後のサービスや保険料などの負担増に不安を持っています。現行の第5期高齢者保健福祉計画と次期計画との違いや影響について質問しました。福祉部長は「特養ホーム入所が要介護3以上となることや、要支援1,2の方が総合支援事業へ移行など、大幅な介護保険の改正が見込まれる」と答弁。
 保険料値上げ抑制のためにも基金の取り崩し額を増額するよう求めました。

障害児支援の充実を

 医療的ケアを必要とする障害児を受け入れる日中一時預かり施設は市内にはありません。そのため子どもたちは近隣では飯能市にある施設を利用していましたが、利用者の増加により市外の利用を制限することが明らかとなりました。2月に保護者も市へ施設設置を求める要望を行っています。医療的ケアの一時預かり施設への認識と第三期障害者計画への位置づけについて質問しました。
 子ども未来部長は「日中一時預かり事業は重要。次期の計画にも位置づけていく」と前向きな答弁をしました。

所沢駅東口に公衆トイレの設置を

 所沢駅が改修され、東口に設置されていた公衆トイレが廃止されました。駅利用者にとってもわざわざエスカレーターを上がって、駅構内までいかなくてはなりません。西武バスの待合 所に1ヶ所ありますが、多くの方から、駅一階に公衆トイレを設置して欲しいとの声が寄せられています。西武鉄道に設置の申し入れを行うよう求めました。
 経営企画部長は「西武鉄道との情報交換の場でも要望していく」と前向きな答弁をしました