市長に「ノー」の審判 国保税引き上げ否決

 所沢市議会第一回定例会は最終日の3月28日、本会議で国民健康保険税の引き上げ条例案や国保会計予算案を否決しました。

 国保税引き上げ条例に反対したのは日本共産党5人、共生1人、民主ネットリベラル4人、公明党5人、みんなの党2人、至誠クラブの1人、の18人。 

 同条例は昨年11月の市国保運営協議会の「答申」をうけて提案されたものです。保険税額の算定方式を現行の4方式(所得割・資産割・平等割・均等割)から2方式(所得割・均等割)に変更して所得割と均等割を引き上げ、上限額を医療分・後期高齢者支援金等分・介護納付金分、合計6万円引き上げるものです。これによって市は年間3億5千万円の増収をはかるとしていました。

川越市なみの支援金で増税の必要はない

 日本共産党市議団は、「一般会計からの支援金を川越市なみにすれば増額の必要はない」「8億8千万円の基金を取り崩す」ことを提案しました。

 各会派からは「所得が少ない多人数世帯にとって大きな負担になる」「資産割をなくすことは公平さを欠く」「滞納世帯がまた増える」など疑問や異論が相次ぎました。

市議会史上まれにみる出来事

 この日の本会議に先立ち、条例案を審議した市民環境常任委員会では、反対5、賛成4で原案が否決され、またその後、議長を除く議員全員で構成する予算特別委員会では、国保税の引き上げ分を含む国保会計予算案が賛成16、反対18で否決されていました。

 市長提出議案が否決される事態は、所沢市議会史上ほとんど例がなく、市民や議会の声に耳を貸さない藤本市長の市政運営に、議会が「ノー」の審判をくだしたもので、歴史的出来事ともいえます。

自民「修正案」大差で否決!

 自民党・無所属の会は3月27日、国保税引き上げ条例も国保会計予算も否決されることを懸念して「修正案」を提出しました。

 1年目2年目を段階的に税率変更して3年後は原案通りになる内容でした。

 28日、修正案にたいする質疑に立ったのは、自民党・無所属の会を除く全会派から15名。

 質疑のなかで、「修正案」が税率改定による毎年3億5千万円の増収であることが原案と共通のため、税額が増額となる世帯が原案よりも増えてしまうなどの矛盾点も指摘されました。

 結局、採決では自民党・無所属の会12名のみの賛成にとどまり、圧倒的大差で否決されました。

 本会議は、翌29日午前1時過ぎに終了しました。

無料法律相談会

4月26日(土)

午前9時30分〜11時30分

中央公民館3階和室

小林弁護士・石山氏(元民事書記官)
担当・荒川市議
090-2660-5883

平井明美の議会報告

 憲法は誰が守るのかという私の質問に「市民です」と答えた市長ですが、今回は「憲法を変えるのは誰か」と質問しました。市長は「平井議員の考えているとおりです」と答え、議場から又もや失笑が起こりました。

 私は憲法遵守という立憲主義の立場を表明するのであれば、憲法に基づいた請願権によって議会で採択されたエアコン設置は市長の考えがどうであろうと設置すべき立場にあると指摘しました。

 市長が市民合意もないままトップダウンで進める市政運営は、安倍首相とそっくりだという声が広がっています。国民健康保険税の大幅値上げが議会で否決された根底には、議会無視のエアコン問題があると読み取れます。

大雪被害補助金で災害救済

 大雪被害で三ヶ島の農家を視察し、議場で写真を見せ被害状況を訴えました。畜産農家からは「450頭の豚舎5棟が倒壊し、狭くなったので100頭をつぶし被害は1千万円」

 養鶏業者からは「乾燥ハウスが倒壊し3百万円の被害、解体費用は補助して欲しい」など農家の切実な声を届けました。

 その結果追加議案として、農業用ハウスの撤去費用や整備の支援策の補助、復旧のため融資を無利子化にする利子補給。雪被害を受けた野菜や果樹・花き生産農業者に対して、種苗費・肥料薬剤などの購入費・トンネル栽培用の農業資材の処理費用の助成が確定しました。

地域の建設組合と災害協定を

 大雪で高齢者の雪かきが大変になり、重機があればなど地域からの声がありました。災害時に建物や家屋の倒壊などの協力体制が必要になります。私は倒壊した公的施設など緊急時に修理の対応ができるよう建設組合などと災害協定を結ぶことを求めました。

 部長は「協定の申し入れがあれば検討する」と前向きの答弁。早速、埼玉土建が申し入れを行いました。

要支援はずし市の事業にして

 介護保険制度の改悪で、国は要支援むけのヘルパー介護やデイ・サービスを介護保険から外し、市に丸投げしようとしています。またこのことで初期の認知症の支援が大幅に切り下げられ、家族の負担はますます大変になります。私はボランテアに任せず、市の事業としてデイサービスや訪問介護をするべきだと質問しましたが、部長は明確な答弁を避けました。

挨拶する平井議員
挨拶する平井議員

グループホーム開所式に参加

 3月19日小手指に新設されたグールプホーム「愛の家」の式典に参加しました。市内にはグループホームは12ケ所あり、要支援2〜要介護5までの方が入所できます。家庭的な雰囲気でケアも受けながら生活できます。

 在宅での介護は限度があり、グループホームの需要が高まっています。現在は民間施設ばかりですが、市としてもグループホームなどの検討も必要ではないでしょうか。