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議員だより
猪股嘉直
マスコミの「倫理綱領」って、一体なに?
 3月の東日本大震災。未曾有の被害を及ぼし、福島第一原発を破壊し、放射性物質をたれ流しています。このトラブル、いつ収束するのかわかりません。
日本は1945年、アメリカによって、広島、長崎で原爆の被害を受けました。
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そして、9年後の54年(昭和29年)3月にマーシャル諸島、ビキニ環礁で行なっていたアメリカの水爆実験で、日本のマグロ漁船第五福竜丸は、アメリカが設定した危険水域の外で操業していたのに、船員全員が被爆しました。

原発事故は防げなかったか?

これほど、原爆の被害を受けてきた日本が、原子力の力を借りたエネルギー政策を進めてきたところに、今回の事件の発端があります。
原発事故が起きる可能性は開発当初から指摘されてきました。しかし、国と電力企業は、聞く耳を持ちませんでした。「原発は安全だ」と言い続けました。安全だから、危険はないのだから、危険に対する防御も、対策もうちません。
今回の事故を見るとき、国と企業の責任は明らかですが、それだけですか?日本の科学者は、そんなに能力が劣っているのでしょうか?警告を発していた科学者はいらっしゃいます。国会議員もいます。例えば日本共産党の不破哲三氏も吉井英勝氏もそうです。
マスコミには責任がないのでしょうか?マスコミの仕事は本来、国民の立場にたって、真実を報道する。その時には、国に対してもモノを言う。企業に対してもモノを言う。その姿勢が求められます。どうだったでしょうか。良心的に、国民の立場にたって研究してきた科学者の言葉を借りたり、国会議員の発言を大きく取り上げることによって、マスコミとしての責任は果たせたのではないでしょうか?
ところが、マスコミそのものが、例えば新聞の一ページ全部を使っての電力会社の広告を載せ、あるいはテレビはコマーシャルを流し、莫大な広告収入を受け取る。こんな姿勢で、電力会社の利益に反するような報道ができるでしょうか?無理です。

マスコミは初心に帰ってください

新聞には日本新聞協会が2000年に制定した、「新聞倫理綱領」があります。また、1996年に日本民間放送連盟と日本放送協会(NHK)が、制定した、放送倫理基本綱領があります。
新聞倫理綱領には、「国民の『知る権利』は民主主義社会をささえる普遍の原理である。この権利は、言論・表現の自由のもと、高い倫理意識を備え、あらゆる権力から独立したメディアが存在して初めて保障される」とあります。
また、放送倫理基本綱領では、「報道は、事実を客観的かつ正確、公平に伝え、真実に迫るために最善の努力を傾けなければならない。放送人は、放送に対する視聴者・国民の信頼を得るために、何者にも侵されない自主的・自律的な姿勢を堅持し、取材・制作の過程を適正に保つことにつとめる」と。
私は、これらのマスコミ業界が自ら決めた「綱領」を守ろと努力していれば、今回のような事故は防げたのではないかと思います。今こそ勇気をもって、マスコミは初心に帰るべきではないでしょうか?

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