トップページ もどる
議会報告
議員団紹介
議員団だより
猪股 嘉直
大沢えみ子
広森すみ子
リンク集

議会報告
狭山市奨学金の支給要件を変更
党議員団「柔軟な対応を求める付帯決議」を委員会に提出するも、賛成少数で否決

12月定例議会には、狭山市奨学金に関する補正予算が提案されていますが、これに関連して、来年1月から奨学金の支給要件を変更する予定であることが明らかになりました。
 そもそもの発端は、今年度の当初予算において、奨学金の予算が半減されたことです。
 小谷野市長は「奨学金につきましては、例えば貸してもかなりの確率で返ってこないという課題がございました。これを一般財源、つまり市民の皆さんからいただいている税金で賄うということが、果たして今後許されるのだろうかというところが大きな課題だと思っています」として、市内金融機関からの貸付を活用して、市としては利子補給を行う方向で実施したいとの方針を打ち出しました。
 これを受けて教育委員会では@金融機関と連携した奨学金制度(学生本人を対象)、A金融機関と連携した融資制度(保護者対象)、B教育ローン利用者への利子補給制度、C現在の奨学金貸付制度の運用の適正化、の4つの案を検討してきましたが、金融機関の協力を得られないことや、将来の利子補給の額などを総合的に検討した結果、Cの「適正化」を実施することになったとの説明がありました。

「適正化」で半数が対象外に

 「適正化」の内容は大きく分けて3点です。1つめは奨学金の貸付にあたり、新たに収入基準を設け、生活保護基準の2倍以内とします。
 また、大学等への進学を希望する場合は、成績基準が規定され、全履修教科の評定平均が5段階評価で概ね3・5以上であることが要件とされました(高校への進学については基準なし)。
 あわせて、これまで「随時」としていた申請期間を「10月と2月」の年2回に限定しました。
 本会議の質疑では高橋ブラクソン久美子議員(無所属)が、「今回の適正化を実施した場合、これまでと比べて対象者はどうなるのか」と質疑。担当者は「約2分の1が対象外になる」と答弁しました。
 現在、学生の2人に1人が奨学金を利用しています。滞納が増えている背景には、非正規雇用が増え、返済が厳しくなっている実態があり、10代で性風俗に身を落とす例まであります。

  本会議での決議文を準備

日本共産党の大沢えみ子議員は、文教委員会の質疑の中で、
「一定の収入がある家庭でも、複数の子どもを大学にやるには奨学金を利用せざるを得ない。低所得や成績が伸びない子ほど、専門学校などで技術を身につけるための支援が必要。狭山の子どもたちが安心して学べる環境を保障するという立場にたち、要件については柔軟に対応してほしい」と要望しました。
 担当課長は「返済に困っている場合は分納などもあるので相談してほしい。成績などについては基準に少し足りていなくても、収入が低い世代などで奨学金の必要性が高いと判断した場合は対応していきたい」と述べました。
 大沢議員は文教委員会で、補正予算に賛成した上で、「狭山市の子どもが安心して学べる環境をつくる視点から、収入、成績その他の要件について柔軟に対応するよう求める」との付帯決議を付けることを提案しましたが、「問題解決ができておらず時期尚早」(新良委員・創政会)「委員長からの報告で委員会の方向性を見出せれば」(千葉委員・創政会)「執行部側として柔軟な対応に取り組む意思があると感じた」(矢馳委員・創造)「一定の基準を設けるのは妥当。経過措置等の確認も取れており、決議には至らない」(内藤委員・新政みらい)として、採決の結果、大沢委員のみの賛成少数で否決されました。
 党議員団では「奨学金の積極的な運用に向け、議会としても意思を示す必要がある」として、議案提案権を活用して、本会議への決議案を上程する予定です。
インデックス ページのトップ