狭山市議会・第４回定例会閉会
消防広域化・保育所給食の民間委託を可決
＝＝日本共産党は反対＝＝
狭山市議会第４回定例会は12月15日の最終日に、上程された議案の審査報告、質疑と討論を行い、採決の後、閉会しました。
今議会では市長提案の議案が19件、市民からの請願１件、議員からの意見書２件の計22件の審査が行われました。
共産党、22件のうち４件に反対
株取引への優遇措置、また延長
日本共産党市議団は、「市税条例」と「市立保育所条例」それぞれの一部改訂、「埼玉西部消防組合の設立（消防の広域化）」、「一般会計補正予算」の４議案について反対しました。
市税条例の一部改訂は、寄付金控除対象が５千円以上から２千円以上になるなどの改善点もありますが、株取引による利益に対する税の特例軽減措置をさらに２年間延長するなど、高額所得者などへの優遇措置が含まれています。このことによって狭山市への税収は１６０万円強の減額（２０１０年度実績）が見込まれます。
給食の民間委託
保育現場との連携に支障
保育所条例の一部改訂では、これまで市が責任を持って行なっていた保育所の給食を、民間に委託する内容です。
この議案の反対討論に立った、広森すみ子議員は、「保育所の調理業務は、離乳食、子供の年齢に合わせた調理、アレルギー食、その日の子供の体調に合わせる個別対応など、専門的知見や経験、保育現場との連携が必要」とし、「給食調理の業務委託では法規上でも具体的指示に規制があり、きめの細かな対応が困難になる」と指摘しました。
さらに「市は調理員の定年等の退職の際、補充もせず放置し、安定した給食の提供ができないからと言って民間委託するのは容認できない」と主張しました。
消防、応援協定で十分可能
狭山市を含む第４ブロック以外は全て頓挫か破綻している「消防の広域化」については、本紙18日付で詳報のように、大沢えみ子議員が「化学消防車が減らされる。今ある近隣市との応援協定で、充分カバーできる内容で、広域化によって起きる土地の不案内などのリスクを課してまで広域化するメリットは無い」と反対討論を行いました。
公明党の綿貫伸子議員は市当局の言い分と同じ主張をする賛成討論を行いました。
一般会計補正予算は、保育所給食の民間委託に伴い発生する「債務負担行為」が計上されたことから反対しました。
住宅リフォーム助成の請願、趣旨採択に
今議会には、埼玉土建一般労働組合狭山支部（加藤武美支部長）から２，３７０人と33団体の賛同を得た「住宅リフォーム助成の拡充を求める請願」（紹介議員は猪股嘉直、大島政教、高橋久美子の各議員）が出されました。
本会議では大島政教議員と日本共産党の大沢えみ子議員が各々「市民と建設業者に喜ばれ、経済効果も高く、狭山市の財政にも有効な、この制度の拡充、予算の増額を」と請願の採択を訴えましたが、採決では賛成多数で「趣旨採択」となりました。
議案に対する各会派・各議員の態度
共産 志政 公明 新政 大 河 無所属
大島 萩原 金子 笹本 高橋 矢馳
市税条例 ● ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
保育所条例 ● ○ ○ ○ ● ○ ○ ○ ○ ○
消防広域化 ● ○ ○ ○ ○ ○ ● ○ ● ○
一般会計補正 ● ○ ○ ○ ● ○ ○ ○ ○ ○
リフォーム助成 ○ △ △ △ ○ △ △ 退席 ○ △
※１ ○：議案に対して賛成 ●：議案に対して反対 △：議案に対して趣旨採択
※２ 「新政」は「新政みらい」 「大河」は大島議員から笹本議員までの４名 「無所属」は高橋ブラクソン久美子議員と矢馳議員の２名。個人名は敬称略
