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飯能市で学習会【原発事故 今何が問題か】
熱心に説明を聞く参加者
熱心に説明を聞く参加者
原発事故 今何が問題か

 5月21日、飯能市民会館で、日高市在住の渡辺伸一氏を講師に「原発事故と私たちの暮らし」と題した学習会が開かれました。 渡辺氏は元大学教員(原子物理学が専門)で、原発問題を追及してきた日本共産党衆議院議員吉井英勝氏を学生時代に教えたという経歴をお持ちの方です。
 
「今、何が問題か」という視点について渡辺氏は、「終息時期、汚染の実態、食の安全管理、原子力安全行政、健康被害、原発事故の再発防止といった国民の不安に、政府が答えられていないこと」を挙げました。
 文部科学省が出した小学校などの校庭利用にに関する「年間20ミリシーベルト」という数値についても、これに抗議して辞任した元内閣官房参与の小佐古氏が「極めて高い数値。原子力発電所の放射線業務従事者でもこれを超えて被曝する人は極めて少ない」と述べていることを紹介し、「国民が本当に知りたいと思っている情報が伝えられていない」と指摘しました。

 放射線予測の公表と周知を

 渡辺氏は、放射線の仕組みや人体への影響、今回はどのような事故が起こったのか等も詳しく解説。文部科学省が5月3日以降、ようやく公表した緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)のデータを示しながら、「実際は風向きなどによって放射線の広がりには偏りがあり、政府の発表しているように同心円上には広がらない。こうした情報をが速やかに国民に知らされていないことは問題であり、放射能予測、予報のようなものを発表させる必要がある」と指摘しました。

人体への影響と被ばく防止

 放射線被ばくには「外部被ばく」と「内部被ばく」があり、細胞破壊による急性障害(白血球の減少、脱毛、倦怠感、場合によっては致死)、または晩発性障害(長く放射線を浴びることによるがんなどの発症)が起こることが指摘されています。
 特に今回の福島原発の事故では、塵状の放射性物質が空気中や水に溶け込んで体内に取り込まれる「内部被ばく」が心配されています。
 「外部被ばく」とは、体の外に付着するなどした放射性物質から体の表面に放射線を受けることで、防止策として、@遮蔽する、A距離を置く、B時間を短くする、ことが重要とされています。「外部被ばく」より「内部被ばく」が危険とされるのは、体内に取り込んだ放射性物質が筋肉に留まったり、カルシウムと入れ替わって歯や骨に蓄積され、放射線を出し続けることになるからです。子供は体が小さい分、影響が大きくなることも指摘されました。
 被ばく防止策としては、基準値を超えたものを口にしないことのほか、「雨が直接皮膚にあたらないようにカッパや外出専用のコートを着る」「雨やほこりを浴びたらシャワーなどで洗い流す」「食品なども流水でよく洗ってから使用するよう心がける」などは一定程度有効であるとの説明がありました。
 渡辺氏は「原発事故は人災であり、いまだ終息していない。現地での原子炉の安定と同時に、人体への影響への対応が必要であり、二度とこのような事故が起きないようにするための国民的な議論が必要」と指摘しました。
 参加者らは「原発の問題点が良く分かった」「こうした学習会をあちこちでやってほしい」等の感想が出されました。
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