放射線副読本についての申し入れ
佐倉市教育長 葛西広子様
2012年2月3日
日本共産党佐倉市委員会
文部科学省はこれまで、原子力発電の安全性を確信する立場で作成された副読本を小中学校の教育に使用するよう指示して来ました。しかし、東京電力第一原子力発電所の事故によって安全神話が崩壊したことを受け、内容の見直しを行い、新たな副読本を作成しました。
新たな副読本の内容は「放射線は身近にあるもの」と繰り返し、内部被曝などの危険性を過小評価する内容です。自然界にあって避けられない放射線や、医療でやむなく使用する最低限の被曝と、原発事故による放射線を一緒にすることには問題があります。不要で有害な放射線は出来るだけ少なくすることが人体を守る原則です。
放射線が心配ないのなら、佐倉市においても除染の実施や給食食材の検査は必要なくなります。
原発の安全神話を放射能の安心神話に替えて、子ども達に非科学的な安心感を与えることは、国の原子力政策を肯定するための教育といわざるを得ません。
それを裏づけるのは、新たな副読本の作成委託先が、安全神話を振りまいてきた前回の副読本作成者と同じ日本原子力文化振興財団であることです。この団体は原子力業界団体が1969年に作った広報団体で、理事長・副理事長は経団連のメンバー、東京電力の社長も理事として名を連ねています。
委託先として適当ではなかったと文科相も釈明しており、佐倉市に於いて、この副読本を全児童・生徒に配布することは適切ではないと考えるものです。よって、下記のことを強く申し入れます。
記
- 佐倉市教育委員会として、全児童・生徒への副読本配布は行なわないこと。
- 放射能についての教育は、教育委員会として科学的な見地から研究し、慎重に行なうこと。
以上 |