政策・提案

「子育て支援新制度」…日本共産党議員団の提案

(左から、及川議員、小坂議員、大橋市長、松本議員、佐伯議員)
(左から、及川議員、小坂議員、大橋市長、松本議員、佐伯議員)
 来年4月から、「子ども・子育て支援新制度」が実施されます。
市は、模索しながらこの準備に追われています。新制度を準備するため、市長は次の定例市議会=9月市議会には、保育所と幼稚園の保育料を決める条例など、子育て世代に影響をおよぼす議案を提出する見通しです。

 そこで、日本共産党議員団の小坂徳蔵議員、松本英子議員、及川和子議員、佐伯由恵議員―4人の議員は昨日(18日)、市役所市長室で大橋良一市長に会いました。

 そこで、党議員団が利用者の立場でまとめた、「『子ども・子育て支援新制度』の実施に関する提案」を市長に手渡しました。そして、保育所、幼稚園などについて懇談し、意見を交換しました。

 以下は、日本共産党議員団が市長に手渡した、「『子ども・子育て支援新制度』の実施に関する提案」の全文です。






2014年7月18日


加須市長  大橋 良一様
日本共産党加須市議会議員団
団長  小坂 徳蔵


  「子ども・子育て支援新制度」の実施に関する提案
 政府は、来年4月1日から、市町村に「子ども・子育て支援新制度」(以下は新制度)の実施を求め、市はその準備に取り組んでいます。市内には、就学前の子どもが5,063人(2014年7月現在)暮らしていますが、すべて健やかに育まれ、安全が確保されなければなりません。

 その理念は、子どもに関しては、すべての事柄について「最善の利益」を確保することです(子どもの権利条約)。さらに児童福祉法は、「地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う」(第2条)と明記しています。そこで加須市は、こうした理念に基づいて、新制度を実施することがつよく求められています。

 加須市は合併以前から、「子どもは社会の宝」を理念に掲げ、1923年(大正12年)には公立幼稚園を設立し、戦後の混乱期に早くも民間によって保育所が設立されました。この地域には、混乱と窮乏の社会経済情勢のもとで、子育て基盤を整備するため、営々として取り組んできた先人達の熱い思い=歴史的伝統が今日に引き継がれています。

 しかし、人口置換水準を分析するならば、少子化の影響を受け、加須市が決して子育てに適している状況にないことも事実です。人口の推移が、ゼロの状態における合計特殊出生率は概ね2.07といわれています。直近では、全国平均1.43、埼玉県1.33(2013年)です。しかし加須市は1.07の水準(2012年)で、2006年の1.01に次ぐ低水準です。

 そこで日本共産党議員団は、先人達が営々として整備してきた子育て基盤を活用し、加須市が「子育ては加須市で!」―このスローガンを名実ともに実現するため、来年4月から実施される「子ども・子育て支援新制度」について、以下の提案を行なうものです。市長はじめ関係各位が真剣に検討し、施策に反映させることをつよく申し入れるものです。




1.子育て支援を考える基本について

 加須市には、子育てを支援する子育て基盤として、保育所は公立7園、民間14園です。幼稚園は、公立13園、民間2園、それに認定子ども園1園です。現在、就学前の子どものうち、保育園に約40%、幼稚園に約20%が各々通園しています。

 こうした施設は、先人達が、「未来を担う子ども達には、大人は食べるものを我慢しても、子どもにはお金を惜しまない」という熱い思いで整備され、私たちが受け継いでいる施設です。

 その結果、加須市は、①他市で問題になっている、保育所の待機児童がいない、②加須地域の小学校には公立幼稚園が設置され、保育所を含め、幼稚園・保育所・小学校が連携しながら対応している―2つの大きな特徴があります。

 そこで加須市は、先人達が営々と整備してきた保育・幼稚園など子育て基盤の成果を、次の世代に引き継ぐことを基本に据えて取り組むこと。


2.子育て支援新制度の実施に関する基本的な提案

 新制度の実施にあたっては、市内すべての子どもに良質な子育て施設を提供し、健やかな成長を願い、安全を確保するため、保育所および幼稚園について、次の3項目を基本にして対応すること

①.保育・教育の平等性の原則に基づき、保育・教育条件を同じに、良質な施設、運営に徹すること。

②.現行の保育・教育水準を後退させない。

③.制度の変更に伴って、利用者に新たな負担を転嫁しないこと。


3.新制度の実施に対応する条例の制定について

(1) 新制度の実施にあたり、市は「子ども・子育て支援法」(以下は支援法)などによって、新規の条例として、
 ①保育所・幼稚園の保育料、
 ②教育・保育施設の運営基準(支援法第34条第2項、第3項)、
 ③地域型保育事業の認可基準(同第46条)、
 ④放課後児童健全育成事業の設置運営基準等(改正児童福祉法第34条の8の2)
   ―などを制定しなければならない。新条例の制定にあたっては、前項で示した3項目を基本に対応すること。

(2)地域型保育事業について
 小規模保育、家庭的保育、居宅訪問型保育、事業所内保育の認可基準について、施設型給付と同じ条件に設定し、保育格差を生じさせないこと。


4.保育所について

(1)保育の実施基準を定める「保育の実施に関する条例」を見直す。
 現行の実施基準は7項目になっている。これを「保育の必要性」に鑑み、以下の7項目を入所基準に該当させて対応する。
 ①.保護者が求職活動にあるとき。
 ②.保護者が就職するため職業訓練など就学中であるとき。
 ③.保護者に虐待・DVのおそれがあること。
 ④.育児休業取得時に既に保育を利用している子どもがいて継続利用が必要であること。
 ⑤.障がい児を入所させ、集団保育で発達支援、養育支援の機能を発揮させる。
 ⑥.同居の祖父母及び親族がいる場合も保育の必要を認める。
 ⑦.人口減少地域で、同年齢・異年齢の子どもと生活できる集団保育を重視する。

(2)公立保育所について
①.児童福祉法第24条第1項に基づき、加須市は保育を実施する責任があり、公立保育所は加須市の保育水準を形作る施設として位置づけ、整備を図る。

②.公立保育所は、市役所の一組織として、子育てを地域で支援する中核組織として機能させる。

(3)私立保育所について
 ①.私立保育所は、加須市が保育を実施する責任を果たす児童福祉施設であり、現行水準の支援を引き続いて継続する。


5.公立幼稚園について

①.保育内容について拡充を検討する。
 新制度は、3歳以上の子どもに幼児教育が提供されることから、保育の内容について拡充を検討する。

②.預かり保育について
 就学前の子どもを育てる保護者の実態に即して、充実を検討する。

③.発達支援、養育支援の機能を高める
 障がいを持つ子どもに発達支援、養育支援の機能を高め、子育て支援機能を充実させること。

④.騎西地域の幼稚園2園を存続させ、利用者のニーズに対応する。
   
⑤.大利根地域は、保護者が希望する公立幼稚園入園を保障し、その設置を展望する。


6.保護者の声を子育て支援事業に反映できるプロセスを保障する

①.新制度は利用者支援を重視し(支援法第59条第1号)、保護者の事情を正確に把握すること(同第61条第4項、第5項)を求めている。よって、子どもを育てる主体=保護者の意見をしっかり汲み取り(同条第7項)、子育て支援事業に反映させる。

②.保護者会を育成し、保護者の声を聞き、子育て支援事業計画の内容に反映させる。

③.重要案件は、市の責任で保護者対象に説明会を開催し、保護者が意見表明を行えるようすること。


7.子育て施設の安全確保等について

(1)公立の保育所・幼稚園について
①.子どもの安全を最優先に、公立の保育所および幼稚園の耐震改修整備を促進する。

(2)児童館について
 ①.児童館は、児童福祉法が定める児童厚生施設(第40条)の1つであり、子育て支援ネットワークの地域センターとして位置づけ、その機能を拡充すること。

以上。

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