政策・提案

2014年度予算に対する修正案

(河津桜/諏訪神社で17日)
(河津桜/諏訪神社で17日)

 予算市議会の最終日、11日に本会議をひらき、日本共産党議員団が提出した「2014年度一般会計予算に対する修正案」を上程し、審議が行われました。

 予算修正の規模は10億3,800万円。修正した科目は10項目におよんでいます。

 以下は、予算修正の要旨です。
 
 ①国保税を1人当たり1万円引き下げ、いのちと健康を守る―3億2,000万円
 ②介護保険料を1人2,800円引き下げる―7,800万円
 ③小中学校に緊急地震速報の端末を設置し、子どもの安全を守る―1,260万円
 ④木造住宅耐震化補助を3倍に引き上げ、防災・減災のまちづくりを推進
 ⑤旧3町地域の拠点避難所に3か年計画で防災用井戸を設置―4千万円
 ⑥子ども医療費の窓口払い廃止を市外医療機関でも実施し、子育てを支援する
 ⑦学校備品・「机の引き出し」を公費負担する―90万円
 ⑧小中学校に2か年でエアコンを設置し、学びの環境を整備する―4億8,900万円
 ⑨指定ごみ袋を廃止する―9,300万円減額
 ⑩財源は、大ムダ遣い同和事業廃止、身の丈超える開発事業を見直して充てる。


 11日の本会議では、審議に先立ち、予算修正案を提出した発議者を代表し、日本共産党議員団の小坂徳蔵・議員団長が提出理由について説明しました。以下は、その要旨です。





 ただいま上程されました、日本共産党加須市議会議員団が提出した、第1号議案、「平成26年度一般会計予算に対する修正案」ついて、発議者を代表し、提出理由について説明を申し上げます。

 貧困と格差が拡大する社会のもとで、市民の所得を分析した場合、所得200万円以下が7割を占めています。そのうち、所得100万円以下が4割にのぼっています。

 2014年度予算の歳入予算をみると、市民所得は「給与所得の伸び悩み等を勘案し2・45%の減」を見込んでいます。また市内には、均等割納税法人が2,392社におよんでいます。ところが、景況および景気動向を分析してみると、「経済状況を勘案して8・5%の減」という、大幅な落ち込みを見込んでいます。

 国は地方財政計画において、市町村の法人税について12・6%と、大幅な増収を見込んでいます。ところが、加須市の経済においては、地方財政計画と比較して、実に21%を超える大幅な落ち込み予測となっています。

 こうした厳しい暮らしに対して、4月から消費税大増税によって、市民の負担増は総額27億円にのぼります。同時に、年金の相次ぐ引き下げ、70歳から74歳まで高齢者医療の患者負担を2倍に引き上げなど、社会保障の全面改悪による給付減は7億円にのぼります。

 結局、大増税と社会保障改悪によって、加須市民には、かつてない未曾有となる、総額34億円の負担増と給付減が覆いかぶさってきます。

 こうした市内の社会経済情勢に鑑み、血税のムダ遣い、身の丈を超える開発事業を抜本的に見直し、その財源を市民の暮らしを応援するために活用し、以下の10項目について予算修正を行ったものです。

 それでは、はじめに、予算修正案のポイントについて説明します。

 先ず、第1に、予算の総額について、増額修正していることです。
予算書、第1条で定めている歳入歳出予算の総額について、原案は357億4,300万円と定めています。これに対して修正案は、歳入歳出予算の総額について6億6千万円を増額修正し、予算の総額について364億300万円と定め、修正しております。

 第2は、原案を修正した予算規模の総額は、全体で10億3,800万円にのぼっております。

 第3に、予算修正を行った科目は、歳出予算で7つの科目、歳入予算で4つの科目におよび、歳入歳出予算の全体では、11の予算科目に及んでおります。

 さて市議会が、予算を議決する予算科目の対象は、「款」と「項」の科目となっています。これ以外の予算科目である、「目」と「節」の区分は、執行科目と定められております。従って、市議会で議決する対象外となっております。それでは、このことを大前提として、説明をすすめてまいります。

市民のくらしを応援する

 先ず、第1は、市民所得が減少し、消費税大増税と社会保障の全面改悪のもとで、住民の暮らしを守り、応援する施策について、予算修正の措置を講じております。

①.国保税 1人当たり1万円引き下げ

 その1つが、市民のいのちと健康を守る国民健康保険の保険税について、加入者1人当り、おおむね1万円を引き下げる修正措置を講じていることです。

 国保加入者は、収入が不安定な非正規労働者をはじめ、現役を退いた高齢者、年金生活者など低所得者が多く加入し、構造的な問題を抱えています。

 国保加入者の1世帯当たり平均所得額は、僅か116万5千円に過ぎません(2012年度)。これを1か月に換算すると、ひと月の生活費は僅か9万7千円にしかなりません。また、国保加入者の平均家族は2人となっており、1人の生活費は、1か月4万8,500円と言う状況です。

 端的にいえば、国保加入者の平均収入そのものが、生活保護基準を下回る極めて低い水準にあります。これに対し、平均16万円の国保税が課税されているわけです。これでは国保税が高すぎて、払いたくても払いきれない―加入者から悲鳴が上がるのも当然でしょう。だからこそ、加入者6世帯のうち1世帯が払えない深刻な事態に陥っているわけです。

 住民のいのちと健康を守ることが、市政における最優先の課題であります。そこで、医療給付費分の平等割を5千円引き下げる、均等割については、医療給付費分で3千円、後期高齢者支援金分で4千円を各々引き下げ、加入者1人当り、国保税を概ね1万円を引き下げる修正措置を講じています。

 なお、これに要する財源は3億2千万円となります。その内訳として、1つは、血税大ムダ遣いの同和事業関連を歳出予算の各科目から減額措置を講じ、2つに、身の丈を超える開発事業の典型となっている、野中土地区画整理事業の繰出金を減額措置するなどして、継続的かつ安定的に対応できるように、措置しております。

②.介護保険料 1人2,800円引き下げ

 2つ目は、介護保険料について、65歳以上の第1号被保険者の保険料について、1人当り2千800円引き下げる修正を行っています。

介護保険事業は新年度、第5期事業計画の最終年度にあたります。介護保険制度の財政スキームは、公費負担が50%、そのうち国が25%の負担です。

 ところが国は、調整交付金5%を減額しているのが実態です。新年度予算では、調整交付金5%のうち、3・91%を見込んでいるにすぎません。

 不足分1.09%分は、国が約束を遵守するまで、市が肩代わりする措置を講じ、その財源として7千800万円を増額修正しております。これを原資として、被保険者1人当り保険料について、平均2千800円を引き下げる措置を講じています。

減災・防災のまちづくりを推進する

 先ほど、黙祷を捧げましたが、今日が、あの東日本大震災から、ちょうど3年目を迎えています。そこで第2に、減災・防災のまちづくりを、いっそう推進する予算修正を行っています。

①.学校に緊急地震速報の端末設置

 その1つが、突然襲ってくる大地震の恐怖と災害から、次代を担う子ども達の安全を確保するため、市内小中学校30校すべてに、緊急地震速報の端末を設置する予算修正を行っています。

 具体的には、第10款教育費の小学校費に924万円、中学校費に336万円を措置し、維持管理費を含め総額で1,260万円を増額修正しています。

②.旧3町拠点避難所に防災用井戸を設置

 2つ目は、旧3町地域の拠点避難所に、防災用井戸を3か年で設置する経費として、4千万円を増額修正しています。

 加須地域の拠点避難所となっている小学校には、すべて防災用井戸が設置され、防災訓練のときなどに活用され、地域住民の安心・安全に大きく寄与しています。

 ところが合併後、拠点避難所に指定されている騎西地域5か所の小学校、北川地域の2つの小学校と中学校、それに大利根地域4か所の小学校には、そうした施設がありません。

 そこで、拠点避難所に飲料水などを確保するため、防災用井戸を3か年で整備するため、増額修正の措置を講じております。なお、財源は、災害に対応する施策であることから、財政調整基金を取り崩して対応しています。

③.木造住宅耐震化 補助を3倍に引き上げ

 3つ目は、県内で最低水準となっている、木造住宅耐震化補助について、抜本的に見直す修正措置を講じています。
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 木造住宅耐震化補助制度は、阪神淡路大震災で家屋倒壊による、圧死者が8割以上にのぼった痛苦の教訓から、1981年5月31日以前に着工した木造住宅の耐震化を推進するため、国が2分の1を補助する制度です。

 ところが、加須市の補助制度は、県内最低の水準であることから、利用者がおらず、年度末になると、必ず不用額として処理することが繰り返されています。

 そこで、1件当たりの補助基準について、耐震診断は現行の2万5千円から2倍の5万円に引き上げる。耐震改修工事に対する補助は、現行10万円を3倍に引き上げて30万円に引き上げる修正措置を講じています。

 そのため、予算額を3倍に引き上げて250万円を増額しています。また、これに対応して国補助の増額も見込み、歳入予算で増額修正しております。

子ども医療費…市外医療機関も現物給付で  
 次は第3、子育て世代を応援し、未来に羽ばたく子ども達の健やか成長を願って、子ども医療費の窓口払い廃止を、市外でも実施する予算修正を行っています。

 次代を担う子どもは、加須市の「宝」であり、加須市の子ども医療費は、中学校卒業まで無料化が拡大されています。

 そして、残された課題は、子育て世代の4分の1が市外の医療機関で受診していることに鑑み、その窓口払いを廃止して現物給付を実現し、もって、子育て世代の利便性を向上させることです。

 こうした動きは、既に県内の市のなかで大勢となっています。そこで、新年度から市外の医療機関でも窓口払い廃止を実現するため、所要の経費200万円を追加修正しています。

「机の引き出し」を公費負担に

 第4は、小学校の学校備品である、「机の引き出し」を公費負担する予算修正を措置していることです。

 小学校で児童が学ぶ、「机の引き出し」が学校備品であることは、合併前の旧加須市が約40年にわたって、公費負担してきた事実が、明白に証明しております。

 従って、教育委員会がどのように詭弁を弄しようが、この事実は決して消えさるものではありません。合併時のどさくさにまぎれて、無知な職員によって、学校備品が保護者負担に置き換えられたという事実は、その稟議の存在によって明々白々となっています。

 そこで、「机の引き出し」を公費負担に戻す措置として、90万円を予算修正しています。

小中学校にエアコン 2か年で設置へ

第5は、小中学校30校に、2か年計画で空調施設を設置し、学びの環境を改善する増額修正を行っていることです。

 近年の夏場における猛暑日の連続は、地球温暖化による異常気象と言わざるを得ないものです。そのことはまた、学校施設における学びの環境を整備する手法、および基準に係わる従来の発想について、根本的な転換が余儀なくされています。

 そこで、子どもは、次代を担う加須市の「宝」であることから、学校における学びの環境を整備するため、2か年で小中学校30校の普通教室すべてに空調施設・エアコンを設置する経費を増額修正しています。

 具体的には初年度に設置する経費として、教育費の小学校費に3億3,700万円、同じく中学校費に1億5200万円を措置し、総額4億8900万円を増額修正しています。

 空調施設の設置に要する財源は、学校施設の再整備を図るという目的に立脚し、公共施設再整備基金を取り崩して予算修正しております。

 ただし、空調施設の設置に関しては、文部科学省の「安全・安心な学校づくり交付金」ならびに「学校施設環境改善交付金」が使えます。その交付率は3分の1となっています。これに該当すれば当然、適債事業として市債の発行も可能となります。

 従って、当面は、基金の財源で対応しますが、文科省の交付金を前提に取り組み、そのあとに財源調整を行って、およそ3分の2程度の財源は、当該基金に繰り戻すことを前提にしています。

指定ごみ袋を廃止 真に資源循環型地域社会を 

第6は、市民と協働し、ごみ減量化・リサイクルを推進するため、真に資源循環型地域社会の構築を目指し、指定ごみ袋を中止する修正措置を行っています。

 これは、歳入予算の科目で、ごみ処理における税金の「二重徴収」という役割を負っている、指定ごみ袋の該当部分を減額し、それに対応する歳出予算を、減額して対応しております。

 これは、ごみ収集の無料化で、ごみ減量化とリサイクル効果を上げてきた「加須方式」でこそ、さらなる推進を図ることができる、と明確な確信のもとで修正するものです。

ムダ遣い同和事業廃止、身の丈超える開発見直す

第7は、予算修正に充てた財源に係わる内容です。
予算修正に必要な財源は、
1つ、税金ムダ遣いの同和事業費について、歳出予算の各科目から減額しております。

2つ目は、身の丈を超える開発事業=所謂野中土地区画整理事業に対する繰出金を減額修正して対応しています。

また3つ目として、個人に番号を付けて国民を監視し、行政による情報漏えいが懸念される「社会保障・税番号制度」導入に係わる経費のうち、市負担分1260万円は減額修正し、暮らしの予算に振り向けています。

4つ目は、財政調整基金及び公共施設再整備金を取り崩して修正財源に活用しています。
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そして5つ目、さらに不足する財源は、2012年度の繰越金が23億円を超えていることから、5200万円だけ増額修正して対応しております。

 要は、同和事業における税金のムダ遣いをやめる、身の丈を超える開発事業を抜本的に改めれば、どれだけ市民の暮らしを応援する施策を展開することが可能になるのか。

 そのことを予算修正と言う形で、財源を明確に示して提案するものです。

 以上をもって、第1号議案、「平成26年度一般会計予算に対する修正案」について、提出理由の説明を終わります。
以上。
2014/03/21

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