議会だより

9月市議会 2019年度決算で討論 佐伯由恵議員

東の空に虹? 10日夕
東の空に虹? 10日夕
 9月市議会最終日の本会議で、佐伯由恵議員は日本共産党議員団を代表して、2019年度一般会計決算及び国民健康保険・後期高齢者医療・介護保険事業の3特別会計決算について、市民の目線で討論を行いました。佐伯議員の討論は、以下の通りです。




 特別委員会で5日間わたり審査した第94号議案 2019年度一般会計歳入歳出決算、合わせて、民生教育常任委員会で審査した第96号議案、第98号議案及び99号議案の特別会計について、日本共産党議員団を代表して、市民の立場から討論を行います。


◆第94号議案 2019年度一般会計歳入歳出決算について、意見を述べます。

 本案は、歳入決算額446億円に対し、歳出決算額399億円で、翌年度に繰り越すべき財源を差し引いた実質収支額は39億2,681万円となっています。

 決算年度における事業では、幼稚園の保育室、及び小・中学校の普通教室と特別教室の計553室にエアコンを設置し、教育環境が整備されました。また、済生会加須病院の開設に向け、造成工事や周辺整備が行われました。

 台風19号では、利根川など3つの大河の水位が急上昇し、深夜に避難指示を発令する最悪の条件下のもとで広域避難が行われました。犠牲者ゼロの防災対策を構築するため、検証を行い、浮かび上がった課題に対し、対策を講じてきました。

 こうした前進面がある一方、決算内容を市民の立場から子細に分析すると、容認できない問題があることを指摘せざるを得ません。以下、基本的な問題について述べます。


◆まず、第1の問題は、市民の命と健康に係わることです。

 国民健康保険では、加入者に増税する一方、一般会計からの繰入を大幅に減額しています。
決算年度の加入者は2万7,553人・1万6,824世帯が加入しています。国保は、低所得が多く加入する一方、国保税が一番高いという、構造的な問題を抱えています。
決算年度の加入者の平均所得は107万円。これに対し国保税は14万1,500円で、1人当たりの医療費9万5,500円を合わせると27万3千円です。所得のおよそ3割を占めます。そのため、6世帯に1世帯が払いたくても払えないでいます。

 ところが、決算年度は、後期高齢者支援金分の均等割を35.7%も引き上げ、生まれたばかりの赤ちゃんにまで増税し、さらに課税限度額を5万円引き上げ、その結果、加入者全体に対し、6千万円の増税を行いました。

 このように、加入者には負担増を強いておきながら、一般会計の繰入額は5億400万円から2億9,900万円に大幅に減額し、従来の半分以下の水準となっています。国保税の引き上げは、必要なかったことは明白です。

 また、後期高齢者医療制度は、75歳以上が納める保険料と一般会計からの繰入等で運営されています。

 決算年度の被保険者は1万4,444人。平均所得は1人当たり49万1千円に対し、保険料は5万7,450円です。所得のない方が約7割を占め、保険料を軽減することになっていますが、政府は縮小・廃止し、高齢者の負担は増すばかりです。

 さらに、決算年度の介護保険の第1号被保険者は約3万2,300人です。第7期事業では、介護保険料を年額8,350円、14.1%も大幅に引き上げ、高齢者に総額2億6千万円もの負担増を行いました。国が調整交付金を大幅にカットしたため、それを全額高齢者の保険料で穴埋めしているからです。
一方、基金は5億5,273万円に上り、一人当たり1万6,700円に相当します。高齢者から取りすぎたことは明白であり、高齢者に還元すべきです。

 政府は、増税反対の世論を無視し、決算年度の10月から消費税10%強行しました。増税は、社会保障のためはデタラメで、医療も介護も、さらに年金も悪くなるばかりです。

よって、関連する、第96号議案 国民健康保険特別会計決算及び第98号議案 後期高齢者医療特別会計決算、第99号議案 介護保険特別会計決算について反対します。


◆第2の問題は、市民の安全を守る、震災対策が不十分なことです。

 阪神・淡路大震災では、倒壊家屋の下敷きで7割を越える方が犠牲になりました。これを受け、政府は、家屋の耐震性強化と家屋転倒防止を促進するため、家屋の耐震診断及び耐震補強工事の補助制度を創設し、地方自治体に耐震化を推進しています。

 また、2011年3月の被害市日本大震災の被害を受け、2020年度までに住宅の耐震化率を95%とする目標を示し、自治体に取り組みの強化を求めています。

 市内では、東日本大震災で約3,500棟の住宅が損壊しました。市は、「建築物耐震改修促進計画」を改訂し、住宅の耐震化率を2015年度までに90%、2020年度までに95%を達成する目標を立てました。

 ところが、決算年度の耐震化率は83.5%に留まっています。耐震化が進まない要因は、市の補助制度は、県内40市の中で最低水準で、利用する市民はいません。国の補助制度があってもまったく有効活用できていません。

 さらに、2018年、大阪の地震で倒壊したブロック塀で、女子児童が圧死するという痛ましい事故が起きました。

 これを受け、教育委員会は、通学路におけるブロック塀を調査し、民地のブロック塀30回カ所(加須地区8カ所・騎西地区3カ所・北川辺地区11カ所・大利根地区7カ所)を危険と判断しました。

 県内40市の内、23市の約6割は、改修を促進するための補助制度を創設して取り組んでいます。ところが、加須市は補助制度もなく、安全対策がまったく講じられていません。
震災から市民を守る対策が非常に不十分と言わざるを得ません。


◆第3の問題は、市民第一の市政運営が欠如していることです。

 道の駅きたかわべ物産販売施設の指定管理者が、農家から野菜を仕入れておきながら、代金を支払っていない問題です。2018年度末、生産者7人に対し90万円が未払いとなっていました。

 昨年8月、両者で債務弁済契約を締結し、契約に添って、今年2月末日までに全額支払うとなっていました。ところが、68万5千円が未払いのままです。

 指定管理者は市議会で議決した案件であり、管理者の不始末は絶対に許されるものではありません。市は、管理者から施設使用料を、年間433万円受領しております。しかし、そのお金はもとをただせば、生産者が納入した野菜を販売して、その一部が市に入ったものです。

 市がお金をもらう前に、まずは農家のみなさんに仕入れ代金をお支払いすることが先決だった、市は対応を誤ったと厳しく指摘します。

 あらためて、市は管理者が、未払分68万5千円を、可及的速やかに生産者に支払うよう、指導を強めるよう求めるものです。


◆第4の問題は、費用対効果を誤った不要不急事業の問題です。

 住民コンビニ交付事業は、決算年度までの、初期投資及び経常経費の合計は7,320万円です。一方、住民票等の交付は、決算年度末まで7,970枚です。よって、1枚当たりの税金投入は、なんと約9200円にもなります。

 さらに、発行手数料150円の内、地方公共団体情報化システム機構への支払いは、決算年度の10月から117円となり、市に入るのはわずか33円にすぎません。費用対効果を誤った不要不急事業の典型であることは明白です。


◆第5の問題は、血税ムダ遣いの同和事業です。

 加須市において、同和事業は基本的に解決しています。ところが、大橋市政は、同和事業継続5カ年計画を策定し、血税を注ぎ続けています。

 解同などの集会に市職員を延べ13回33人も派遣し、経費は人件費を除き約34万円に上ります。

 また、同和事業と同和教育に投じた税金は、4,963万円に上ります。団体補助金は、血税ムダ遣いの温床になっていて、研修と称して水上温泉で5万8千円、茨城県五浦(いづら)温泉で56万6千円、日光市で48万3千円を遣い、税金の大盤振る舞いです。新年会も7万5,000円を負担しています。

 そして、解同支部をトンネルにして、解同県連と解同北埼玉地区協議会に血税が流れています。決算書は一向に提出されず、市民の税金を何に使ったのか、まったく闇の中です。

 さらに、解同の役員がつとめる同和問題相談員の報酬は何と132万円。これに対し、相談の実人数は41人です。1人当たりの相談費用は3万2,195円で、同和利権の一つになっています。

 さらに、同和集会所学級では、指導員に小・中学校の教員188人が借り出され、教員の長時間労働に拍車をかけています。

 このような、血税ムダ遣いの同和事業及び同和教育は、毎年8月に、解同が市と行政交渉を行い、市長は事業の継続を約束している、これが大本になっています。
 以上、基本的な問題点により、本案に反対するものです。


◆この1年は、市民にとって、困難なことが次々に起こり、本当に大変な年でした。景気回復は、2018年10月で終わり、景気が悪化しているところに、消費税10%増税が強行されました。増税でくらしも経済も落ち込んでいるところに、今度は新型コロナウイルスが襲いかかり、失業、倒産が一気に広がっています。

 子ども達は3ヵ月に及ぶ休校で、はかりしれない不安とストレスを抱え、学力の遅れと格差も広がっています。子ども達に少人数学級をプレゼントし、手厚い教育と柔軟な教育がつよく求められています。

 7年8ヵ月続いた安倍政権は、雇用破壊や社会保障破壊に加え、2度の消費税増税によって、経済を破壊し、コロナ対策でも国民の願いに応えることはできませんでした。新たに誕生した菅政権の旗印は、安倍政権の継承です。

 わが日本共産党議員団は、コロナ禍から市民の命を守り、市民のくらしと経済を立て直し、誰ひとり取り残さない新しい政治をつくるため、市民と力を尽くすことを表明し、討論を終わります。
2020/10/11

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