議会だより

アスベスト「早期解決と救済を」 国に意見書

昨年、アスベスト除去工事を行った騎西総合支所
昨年、アスベスト除去工事を行った騎西総合支所
 加須市議会は、12月市議会の最終日12日の本会議で、建設労働者が提出した「アスベスト訴訟の早期解決及び被害者全員の早期救済を求める請願」(紹介議員は党議員団の小坂徳蔵議員)を採択、衆・参両院議長と安倍首相等に提出する意見書を可決しました。

 発がん物質のアスベスト含有建材によって建設従事者がアスベスト疾患による重篤な中皮腫や肺がん等で亡くなっています。中皮腫による死者は2015年に1500人を超え、肺がんによる死者は年間約3千人と推定。中皮腫を発症する潜伏期間が20〜60年とされ、患者はさらに増える見込みです。

 アスベストによる最大の被害者は建設業の従事者です。しかし、賠償の制度はありません。 現在、建設従事者と遺族が国とアスベスト建材製造企業を被告とする訴訟を行っており、市内の建設労働者も原告として参加しています。原告が死去後は遺族が故人の遺志を受け継ぎ、人間の尊厳をかけて訴訟を継続しています

 「アスベスト訴訟の早期解決及び被害者全員の早期救済を求める請願」は、賛成多数で採択。 衆・参両院議長、安倍首相、厚生労働・国土交通・環境の各大臣に提出する意見書を多数で可決しました。市民の代表機関である加須市議会は、市民の願いにしっかり応えました。
 以下が、意見書です。




 「建設アスベスト訴訟の早期解決及び被害者全員の早期救済」を求める意見書


 株式会社クボタのアスベスト被害が大きな社会問題になって11年が経過した。この間、石綿健康被害救済制度の給付者は、平成18年の制度発足以降、1万人を突破し、労災認定者を含め2万人を超えている。平成27年度のアスベスト疾患による労災認定数は、建設業で543人となり、全産業の52.6%を占めている。

 建設産業は最大のアスベスト被害産業である。アスベスト含有建材を使用した建物約280万棟の解体工事が今後ピークを迎えることから、建設従事者並びに市民に対する被害の拡大が大変懸念されている。

 大阪泉南アスベスト訴訟の最高裁判所判決(平成26年10月9日)を受け、厚生労働省は石綿工場で働いていた元労働者や遺族に対し、和解による賠償金支払いの枠組みをつくった。ところが、アスベストの最大の被害者である建設業従事者に対する賠償の制度はなく、現在、建設従事者とその遺族が原告となり、国とアスベスト建材製造企業を被告とする訴訟が、東京・福岡・大阪の高等裁判所及び札幌・東京・横浜の地方裁判所で行われている。

 アスベスト原因の疾患は、重篤で完治はありえず、原告のなかで訴訟後、多数の第1審判決(平成24年12月5日)を踏まえ、さらに建設業従事者の深刻な被害に対する補償に向けて、立法府及び関係当局における真剣な検討を望むもにである。
 よって、下記の事項について、強く求めるものである。

 建設アスベスト訴訟の早期解決及び被害者全員を救済すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 加須市議会

2016/12/18


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