議会だより

良質な子育てを 佐伯議員が4条例に質疑

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 9月市議会が開会中です。

 今回、議案審議の焦点のひとつに、来年4月から実施される、「子育て支援・新制度」を準備する条例があります。

 大橋良一市長が提出した、子育て支援新制度に関連する、4件の条例を審議しています。

 市議会は昨日(10日)、本会議をひらいて25件の議案に対し、一括して質疑を行ないました。佐伯由恵議員が日本共産党議員団を代表し、子育て支援関連4条例について質疑を行いました。

 以下は、佐伯議員が登壇して質疑した要旨です。






 私は通告に基づき、子ども・子育て支援新制度に関連する

◆第75号議案 加須市小学校就学前子どもの教育・保育の認定に関する条例、
◆第76号議案 加須市立保育所条例の一部を改正する条例、
◆第77号議案 加須市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例
◆第78号議案 加須市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例
 以上の4議案について質疑を行います。

 子ども・子育て支援新制度の実施まで、あと半年に迫りました。来年4月か
ら新制度を実施するためには、必要な条例を早急に制定し、この秋から実務や
手続きを開始しなければなりません。

 これから市が定めなければならない事項は、
 
 ①家庭的保育事業等の認可基準
 ②給付の的確判断をするための確認制度に関する運営基準
 ③保育料徴収基準
 ④学童保育の設置基準の条例
 ⑤子ども・子育て支援計画の策定――などです。
 保育の認可基準や施設の運営基準の目安は、政府が示しますが、実際にどのように運用するかは実施主体の市町村が決めます。新制度では、市町村の裁量権は非常に大きく、地域の実情をふまえた内容にすることが基本です。
 
 市長も提案理由で、「新制度を円滑に実施するため、市町村の条例で定めることとされた基準等について、本市の実情をふまえた上で定める」と述べております。

 特に、加須市は子育て基盤が充実しています。
先人達の努力によって、保育所が公立と私立を合わせ22カ所と公立幼稚園が13園あります。

 とりわけ加須地域には小学校区ごとに公立幼稚園が設置され、県内はもちろん全国的にもすぐれた幼児教育となっています。こうしたことから、他市では深刻な問題となっている待機児童も加須市にはおりません。

 私は、加須市の子育て基盤を活用し、水準をさらに拡充させ、すべての子ども達に良質の保育を提供する観点から、4議案について質疑を行うものです。


◎ところで、保護者にとって一番の関心事は、「新制度で保育料はいったいどうなるのか」ということではないでしょうか。今回の4議案にも大きく係わる内容です。

 しかし、最も大事な保育料の条例が今回提案されていません。なぜ提案されなかったのでしょうか、いつ提案されるのでしょうか。保育料についてどのように考えているのか、4議案の質疑に入る前に、まずこの点について説明を求めます。


◆第75号議案 小学校就学前子どもの教育・保育認定に関する条例

 本案は、現行の「加須市保育の実施に関する条例」を廃止し、新たに「就学前の子どもの3区分」、保育の「必要性」の事由、保育の「必要量」をそれぞれ定めるものです。
 
 現行制度は、保育という現物を給付する制度です。これに対し新制度は、利用者に個別に補助金を交付する現物給付を基本としています。そのため、保育を必要とする子どもであることを市が認定することになります。

 本案では、保育の「必要性」の事由について、
 
 ①就労(64時間以上/月) ※週4日×4時間×4週
 ②妊娠・出産(産前産後)
 ③保護者の疾病・障害
 ④同居・長期入院等の親族の介護・看護
 ⑤災害復旧
 ⑥求職活動  
 ⑦就学
 ⑧職業訓練
 ⑨児童虐待のおそれ
 ⑩DVのおそれ
 ⑪育児休業中に既に保育を利用している子どもの継続利用
 ⑫その他、市長が認める事由に該当すること となっています。
 また、保育の「必要量」の区分については、
 
 ・保育標準時間…月平均275時間(11時間/日までに限る)※フルタイム就労
 ・保育短時間 …月平均200時間( 8時間/日までに限る)※パート就労   
   となっています。
 その上で、「加須市保育の実施に関する条例」は廃止するとしています。

 
 保育の「必要性」では、私たちが6月市議会で提案した、
  
  ①保護者が求職活動にあるとき、
  ②職業訓練など就学中であるとき、
  ③保護者に虐待・DVのおそれがある、
  ④育児休業中に既に保育を利用している子ども
  以上の4項目が盛り込まれています。これは、社会の要請に応じた適切なものであり、前向きな姿勢と受け止めています。

 質疑で何点か伺います。

①障害児は、乳幼児期の集団的な遊びや関わりを通して障害が克服されることから障害児保育の重要性が指摘されています。これまでも障害児保育を保障してきました。

 ところが、本案の保育の「必要性」には、「障害を持った子ども」の項目はありません。保護者の就労に係わらず、障害児保育を位置づけることが必要と考えます。この点について、説明を求めます。
  
②国の基準では、祖父母がいる場合でも保育の「必要性」を認めています。ところが、本案には記述がありません。この点について、説明を求めます。

③人口減少地域では、同年齢、異年齢の子どもと一緒に活動できる集団保育の経験を重視することが大切です。「その他、市長が認める事項」の中で、対応すべきと考えますが、如何でしょうか。
   
④保育の「必要性」の就労時間の下限について、市は64時間としています。
 一方、国が示している下限は48〜64時間です。最も短い48時間(4時間/日×3日×4週)でも保育の対象にしています。多くの子ども達を保育の対象にするため、国が示した48時間が望ましいと考えますが、市の考えを伺います。

⑤親の就労等に合わせ、すべての子どもに保育の「必要量」が認可されます。保育標準時間は1日11時間(月平均275時間)まで、保育短時間は1日8時間(月平均200時間)までとなっています。市は、その人数をどのように見込んでいるのでしょうか。

⑥すでに保育所に在籍している子どもについても、あらたに「必要量」が認可されます。では、現在の保育時間に影響が生じるのでしょうか。説明を求めます。


◆第76号議案 加須市立保育所条例の一部を改正する条例

 本案は、現行の「市立保育所条例」について、次のように、「保育時間」を改正する内容です。

 【保育時間】
 ・保育標準時間 … 午前7時30分〜午後6時30分
 ・保育短時間  … 午前8時30分〜午後4時30分
 また、「保育に欠ける」を「保育を必要とする」に改正します。そこで、伺います。

①保護者の仕事の始まりや終わりの時間は実に様々です。この保育時間の枠から外れる方が当然出てくると思います。その割合をどの位見込んでいるのでしょうか。
     
②この保育時間を超過した場合は、延長保育扱いで自己負担になると聞いています。一方、子ども一人一人には8時間あるいは11時間の範囲で保育の「必要量」が認められています。

 そうであるなら、認められた時間の範囲は保障するのが当然ではないでしょうか。保育時間については、柔軟かつ弾力的な運用が必要と考えます。市の考えを伺います。 

③新制度は複雑の上、保育の「必要性」や「必要量」など利用者にとって、相当な戸惑いや混乱が生じる懸念があります。

 保護者への十分な説明と周知が必要です。また、保護者から意見を聴取し、利用者の声を反映していくことも大切です。保護者への説明会については、6月市議会で提案をしたところですが、早速、10月8日から4会場で計画されています。この点について、説明を求めます。


◆第77号議案 加須市家庭的事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例

 
 本案は、児童福祉法の改正で、地域型保育4事業=いずれも少人数の施設を、新たに市が認可することになり、事業の設備及び運営に関する基準を条例化するものです。

 新制度では、利用者に対する補助金の対象となる保育・教育の施設は、施設型保育と地域型保育の2つに区分されます。

 施設型保育は、幼稚園、保育所、認定こども園で、認定こども園には、幼保連携型、保育所型、幼稚園型、地域再利用型の4種類があります。また、地域型保育は、小規模保育や家庭的保育、居宅訪問型保育、事業所内保育の4事業があります。

 この地域型保育の運営について、保育者の資格・配置、保育室の面積、給食等の基準を具体的に定めていますが、すべての子どもに良質な保育を等しく保障するため、どのような施設・事業であっても、同一水準にすることが基本です。

◎ところで、市内には対象となる施設があるのか、という点です。
 市の説明では、現在市内にある、事業所内保育の4施設は、新制度に移行しない、また新たに計画している施設もないようです。

 では参考までに、現在市内にある、認定こども園1ヵ所、民間幼稚園2ヵ所は、新制度に伴い、どのような形態を希望しているのでしょうか。施設型保育に移行するのでしょうか。6月市議会で、国の意向調査が7月11日までと答弁していましたが、その結果について説明を求めます。

 いずれにしても、本案に該当する地域型保育は、市内にないということですが、市の条例を制定する以上、大事な点について質疑します。

①保育者の関係です。すべての施設で保育者は保育士資格者が基本です。ところが、本案では、一部を除き保育士資格が不要で、研修だけでよい=子育て支援員となっています。

 保育士配置基準の緩和は、保育の質の低下、子どもの命にも直結する問題です。この点について、市の考えを伺います。なお、保育者の配置について、国基準では一部を除き「1名」となっています。

 これに対し市の基準では、乳幼児の安全確保の観点から、「2名以上で保育を行わなければならない」としています。これは評価できます。

②保育室の面積基準です。認可保育所と同様に、乳児一人あたりで5.0㎡以上、1・2歳児で3.3㎡以上が必要です。ところが、国の基準は「1.65㎡」と低く、これに対し市の基準では「3.3㎡」に引き上げています。これは評価できます。

 一方、保育室は、食事や遊びなど生活のスペースだけでなく、睡眠のスペースなど複数のスペースが必要です。この点は、市の基準はどのようになっているでしょうか。

③食事に関することです。地域型保育は、2歳未満の子どもが多いことを考えた場合、離乳食やアレルギー児食など、個々の状況に応じたきめ細かな調理が必要です。

 そのためには、給食は自園調理を基本とし、調理員を配置することです。市の基準は、どのようになっているでしょうか。


◆第78号議案 特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営・基準の条例

 本案は、支援法の施行に伴い、施設型給付費の幼稚園・保育所・認定こども園、地域型保育給付費の小規模保育や家庭的保育など支給を受ける施設が給付対象として適正であるかどうか、市が確認することとなったため、その基準を定めるもので、「定員の遵守」を除き、国基準を準拠しています。そこで1点お伺いします。

①情報公開についてであります。本案の第28条には情報の提供が規定されています。また、第34条には「職員・設備及び会計に関する諸記録を整備しておかなければならない」と明記されています。

 新制度では、認定こども園や地域型保育など、保護者と施設が直接契約することになります。保護者が施設を選択あるいは評価する上で、情報の透明性の確保がつよく求められます。新制度における情報公開はどのように運営されるのか、説明を求めます。






■2回目の質疑

(要旨です)

 塩原こども局長より説明をいただきました。これまで、私たちは新制度について市議会で取り上げ、市長に申し入れも行ってきました。その内容は、

◎第1に、保育・教育の平等性の原則に基づき、保育・教育条件を同じに、良質な施設、運営に徹すること。
◎第2に、現行の保育・教育水準を後退させないこと。
◎第3に、制度の変更に伴って、利用者に新たな負担を転嫁しないこと。

 そういう点では、今回、保育の「必要性」の事由を拡大したり、また保護者への説明会を計画する、さらに保育者複数配置や面積要件など水準を低下させない内容になっており、私たちの提案が反映されていると受け止めています。

 さらに今回は、議案審議にあたり大事な点を問題提起しました。保育時間の問題は、今後、十分予想される問題であります。保護者の声をよく聞いて、現行の水準を引き下げない、このことを引き続き求めておきます。
 さらに何点か、質疑をします。

①今後のスケジュールの問題です。半年後に迫った新制度の実施に向け、多くの課題が山積しています。説明会後は申請、認可、入所調整など膨大な実務も始まります。新制度実施までのスケジュールについて、説明を求めておきます。
  
②保育料や学童保育の問題です。条例の提案時期はいつを予定しているのでしょうか。制度の変更に伴って、保育料等に新たな負担がないよう、引き上げないようつよく求めておきます。この点について、説明を求めます。



 最後は、市長に伺います。

 待機児童が大きな社会問題になるなか、多くの自治体では、新制度の中で新たに施設を増やすことが喫緊の課題となっています。

 一方、現在、加須市には保育所は公立と私立含め22ヵ所、公立幼稚園は13ヵ所あります。先人達の努力により、保育所や公立幼稚園など、一定の子育て基盤が整備され、待機児童もおりません。先人達のお陰と受け止めます。この伝統と歴史を次の世代に引き継ぐことが、市政の大きな使命であり、加須市の実情にあった新制度のあり方ではないでしょうか。

 7月、私たちは市長に「子ども・子育て支援新制度」の実施に関する提案を手渡して申し入れを行いました。

 大事なことなので繰り返しますが、その基本は…

◎第1に、保育・教育の平等性の原則に基づき、保育・教育条件を同じに、良質な施設、運営に徹すること。
◎第2に、現行の保育・教育水準を後退させないこと。
◎第3に、制度の変更に伴って、利用者に新たな負担を転嫁しないこと
 であります。

 「子育ては加須市で」―このスローガンを名実ともに実現するため、児童福祉法第1条及び第24条の保育実施義務をふまえ、しっかり取り組んで頂きたいと考えます。この点について、市長のお考えを伺います。

2014/09/11

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