議会だより

地方法人税 市財源を失う

(加須市議会・本会議場)
(加須市議会・本会議場)
 開会中の市議会で、市税条例の改正を審議してきました。

 このなかに、法人市民税を引き下げ、その分を「地方法人税」として創設して国税化し、地方交付税で調整配分する―という内容が含まれています。

 地方法人税(国税)を創設する理由は、地方自治体間の税収格差の是正を図るため、地域間の偏在が大きいといわれる法人市民税の法人税割の一部を国税化し、地方交付税で調整し、各地方団体に配分する―というものです。

 地方法人税に創設によって、法人市民税法人税割の税率は、現行の12.3%から9.7%に引き下げるものです。今回の改正によって、税率では、マイナス2.6%引き下げです。しかし率ではマイナス21.1%も大幅に引き下げるものです。

 そこで小坂徳蔵議員は、19日の本会議で、大橋良一市長に対し、次のように質疑を行いました(要旨)。




 次に、第55号議案 市税条例改正の問題です。
地方法人税(国税)創設によって、法人市民税の法人税割を引き下げられます現行の法人税割12.3%から9.7%に改正する――施行は、2014年10月1日です。

 地方法人税の創設について国は、地方自治体間の税収格差の是正を図るという理由で、地域間の偏在が大きいといわれる法人市民税の法人税割の一部を国税化し、地方交付税で調整し、地方団体に配分する、と説明しています。

 法人税割引き下げによる加須市の影響は、マイナス1億6,372万円の減収になります。問題は、法人税割が減収になった額が、地方交付税で補てんされるのか、ということ――これが最大のポイントとなります。

 地方法人税の施行は今年10月です。改正によって、実際に影響が出てくるのは来年度以降になります。

 地方法人税の創設によって、結論からいえば、加須市は、法人税割で減収になった額は、地方交付税で補てんされない――ということです。

 加須市は、地方法人税創設で、財源が1.6億円減収となります。さらに地方交付税も削減される――この事実は明確です。

 それはなぜか。
加須市は、来年、合併6年目を迎え、地方交付税の合併算定替が5年間で段階的に削減される時期に入ってくることです。

 加須市の合併算定替は、2013年度ベースで約19億円です。合併6年目以降、これが10%、30%、50%と削減される仕組みになっています。

 来年度の地方交付税の減額は約2億円の見込みです。さらに一方、地方法人税の創設で、加須市は法人市民税の法人税割の引き下げで、マイナス▲1.6億円の減収となります。この2つで加須市は来年度、貴重な財源が3.6億円も減収となります。

 地方交付税の減額は、臨時財政対策債の減収もあるので、実際の減収幅はさらに増加します。このように見てくると、

・2015年度 ▲3.6億円の減収

・2016年度、交付税▲5.7億円+法人税割▲1.6億円=合計▲7.3億円の減収

・2017年度 交付税▲9.5億円+法人税割▲1.6億円=合計11.1億円の大幅減収。        
  
 地方法人税の創設は、加須市が住民サービスを提供する財源を確保する観点から分析するならば、「百害あって一利なし」という事態になります。

 本来、地方自治体間の財政力格差の是正は、国と地方間の税源配分を是正し、地方税財源を拡充するなかで行われるべきものです。

 従って、今回の改正のように、国が一方的に加須市から貴重な自主財源を奪って、さらに地方交付税まで大幅に減額する措置は、絶対にやめるべきだ、と私は声を大にして指摘するものです。

 こうしたことが行われるならば、現行の市民サービスを維持することが困難になってきます。国の今回の措置は、加須市民にとって不利益も甚だしいと、言わざるを得ません。

(本会議場、演壇から傍聴席方向)
(本会議場、演壇から傍聴席方向)
 もう一言、付け加えるならば、安倍内閣は、法人税を更に引き下げ、報道によれば減税幅は10%程度と言われています。

 そうなれば、加須市の法人市民税はさらに減収とならざるを得ません。これでは、地方財政を枯渇させるものといって過言ではない。これは極めて重大な問題です。

 現行の市民サービスを維持していくうえで、地方財政の問題は喫緊の課題です。大橋市長の考えについて、説明を求めます。


 小坂議員の質疑に、大橋良一市長は、「(財源が)きちんと戻れるように考え、工夫する必要がある。異議あるものについては、異議あり、と声を上げていきたい」と答えました。
2014/06/27

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