議会だより

職員給与引き下げ 異議あり

(加須市議会・本会議場)
(加須市議会・本会議場)
 今月8日に閉会した6月〜7月定例市議会。審議の焦点は、安倍政権が強制した、市職員給与を引き下げる条例でした。内容は、7月から来年3月末までの9か月間、平均で5・9%引き下げるものです。

 地方公務員給与の引き下げについて、日本共産党議員団は、先の2月〜3月定例市議会で、小坂徳蔵議員が大橋良一市長と議論し、職員給与の引き下げを行わないよう、つよく求めてきた経緯があります。

 6月市議会の本会議(6月26日)で質疑を行った小坂議員は、「それなのに、給料の引き下げ条例を提出したことは極めて遺憾だ」と、批判しました。

 職員給料の引き下げによる、職員の区分ごとの影響額は以下のとおり。


◆部長、副部長、課長 ▲7・68%引き下げ ・対象者:104人
 1か月3万3000円の減額  9か月で29万8000円減額



◆主幹、主査、主任(5年以上) ▲6・06%引き下げ ・対象者:472人
 1か月2万1000円減額  9か月で18万7000円減額



◆主任(5年以下)、主事、主事補 ▲3・65%引き下げ ・対象者:189人
 1か月8000円減額  9か月で7万5000円減額



◆職員1人当たり平均 ▲5・9%引き下げ ・職員総数:765人
  1か月1万9000円減額  9か月で17万4000円減額



 職員給与を引き下げる条例に対し、本会議で日本共産党議員団を代表し、小坂徳蔵議員が質疑を展開しました。大橋市長は「、「国から一方的に地方交付税を担保にして給与の引き下げを迫る―今までなかったことだ。みなさん(各市長)が憤りを感じている。…このようなことは、断じて国が取るべきではない」と答えました。

これに対し小坂議員は、「私が指摘した問題は、これまで全国市長会や市議会議長会など地方6団体が表明している内容と殆んど同じだ」と指摘。その内容について、紹介しました。

 条例は、佐伯由恵議員が所属する、総務委員会に付託して審査しました。佐伯議員が委員会で質疑を行って、詳細に審査しました。条例は、6月28日の本会議に上程。佐伯議員が、日本共産党議員団を代表し、討論を行いました。採決の結果、日本共産党議員団はじめ10名の議員が、職員給与の引き下げに反対しました。

 なお、佐伯由恵議員が行った、討論の要旨は以下のとおりです。




職員給与の引き下げ条例に対する討論
 私は、第58号議案、市長、副市長及び教育長並びに一般職の職員の給料を減額する特例に関する条例について、日本共産党議員団を代表して討論を行います。

本案は、安倍内閣の押しつけで市職員給与を平均で5.9%引き下げ、そのため政府は地方交付税を減額するという問題を内在しています。私は、総務常任委員会での審査を踏まえ、本案の問題点を述べます。

まず第1は、憲法28条「労働基本権」の剥奪の問題です。 
 公務員は、団体交渉権の一部である労働協約締結権、団体行動権が剥奪されています。その代替措置として、人事院が国家公務員の賃金や労働条件について勧告し、それに基づいて政府が賃金や労働条件を法律化することになっています。今回はその人事院をまったく無視して、公務員給与の減額が押しつけられています。こんなやり方はかつてなかったことであり、重大な問題と言えます。

第2は、市職員への影響です。 
 職員765人に対し、7月から来年3月までの9カ月、給与を平均5.9%引き下げ、一人当たり17万4千円、総額1億3,333万円減額されます。最も減収となる職員は35万円にも上り、一カ月の給料に匹敵します。

一方、職員給与はこの5年間、給料や一時金のカット、現給保障の縮小・廃止で、一人当たり38万円も減額されています。今回を加算すると一人55万円を超える減収です。こればかりではありません。公務員の退職金は15%カット、約400万円の削減もすでに決定しています。「働けば働くほど給料が減る」「これ以上引き下げないでくれ」…これが職員の正直な気持ちだと思います。これでは人生設計も成り立ちません。私は、公務員の生活と権利を守る立場から、このような公務員バッシングは容認できません。

第3は、民間の賃金や地域経済に負の連鎖を生む問題です。  
 公務員給与の減額は民間労働者の賃下げに波及し、負のスパイラルが社会に蔓延します。地域内での消費活動は鈍り、民間企業の業績も悪化し地域経済が冷え込むことは必至です。さらに10月から市内の高齢者2万5千人に対し、年間4億円を超える年金削減も開始され、地域経済の悪化に拍車をかけます。そうなれば、税収は一層落ち込み、市財政を圧迫し、市民サービスへの影響も懸念されます。本案は、市長が自ら本会議で述べているように「問題の多い内容」であり、まったく道理がないことは明白です。

第4は、地方自治の根幹を揺るがす問題です。  大橋市長が加入する全国市長会、議長が加入する全国市議会議長会など地方6団体は、「共同声明」を発表し、「地方公務員の給与は、議会や住民の意思に基づき地方が自主的に決定すべきものであり、国が強制することは地方自治の根幹にかかわる」「地方交付税を国の政策目的を達成するための手段として用いることは、地方の固有財源という性格を否定するものであり、断じて行うべきではない」と、政府の対応を厳しく批判しています。

第5は、政府の経済政策の問題です。  デフレ不況の一番の原因は、国民の所得が長期にわたって減り続いていることです。ところが、安倍内閣の経済政策「アベノミクス」は、雇用ルールの改悪、消費税大増税、社会保障大改悪など、国民の暮らしを壊す「毒矢」だらけで、国民の所得や働く人の賃金を増やす「矢」は一本もありません。本案がそのことを象徴しています。これでは、ますます国民の暮らしも経済も悪くするだけです。
 
 よって、我が議員団は本案に反対するものです。私は、国民の所得を奪う政治から、国民の所得を増やす政治への大転換が必要であると考えます。その実現のために、広範な市民と力を合わせて全力を尽くすことを表明し、討論を終わります。
2013/07/25

◀ 議会だより一覧に戻る