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●2024年第1回定例会 最終日討論 2024.3.26

 日本共産党の江尻加那です。
 付議された議案及び請願と意見書116件のうち、49件に賛成、残る一般会計や使用料・手数料値上げ条例を含む議案に反対するものですが、そのうち8件について討論いたします。
 まず、議案第1号、13号、16号、17号は、2024年度一般会計、港湾事業特別会計、水道事業会計及び工業用水事業会計予算です。
 新型コロナに続く物価高騰で暮らしや経済が疲弊する下で、県独自の直接支援は乏しく、学校給食無償化や地域交通の維持拡充に財政支援がまったく不十分です。多くの県民に関わる国民健康保険税や介護保険料、後期高齢者医療保険料の同時引上げに対し、財政安定化基金を活用して負担を軽減すべきですが、対策がありません。中小企業の賃上げを後押しするための継続的な支援も必要です。
 また、老朽化した水道施設の更新が急務ですが、市町村への耐震化交付金は5億円程度に過ぎない一方で、霞ヶ浦導水事業で国に支払う負担金は45億5千万円で、そのうち土木部の治水負担金は毎年のように予算より決算で2倍、3倍になっていることは問題です。水道料金の引き下げを求める市町村の要望に応えるべきです。
 さらに、石炭灰を埋め立てる常陸那珂港整備に一般会計と港湾事業会計で58億4千万円もの巨費が投じられるほか、脱炭素につながらないアンモニア活用を産業拠点プロジェクトと称して推進することは、世界の流れに逆行する石炭火力延命化に他なりません。「カーボンニュートラル」の言葉を冠に使うことは事実に反しており、知事はCO2排出企業に忖度して「ゼロカーボンシティ宣言」をしないのではないでしょうか。
 また、住民訴訟となっている新産業廃棄物最終処分場の整備について、65億7千万円の予算で本格着工の計画です。しかし、日立市の整備地周辺では昨年の台風で鮎川の洪水や土砂崩れが発生、住民の指摘が現実のものとなりました。事業費は新搬入路を含めると当初の1.7倍となる389億円に膨れ上がっています。自然災害を誘発し、住環境を悪化させる処分場整備の中止・見直しを改めて求めます。
 以上の立場から、一般会計、港湾事業会計、水道及び工業用水事業会計予算に反対します。
 
 次に、議案第34号、39号は、県立医療大学及び看護専門学校の授業料値上げであり、産業技術短期大学や産業技術専門学院、農業大学校と陶芸大学校を含む県立学校の授業料値上げなど到底認められません。「低所得者には減免制度がある」「足りなければ奨学金がある、貸付もある」と言って、値上げやむなしとするのは、県民の願いに背を向けるものです。値上げ影響額は2,900万円ですが、これら6つの県立学校の学費は5億円あれば無償化できます。お金の心配なく学べる教育環境を求めます。
 次に、議案第93号・資金積立基金条例の一部改正は、経済産業省が、10年以上停止している原発の立地自治体に新たに交付金を出すことにともなう改定で、原発回帰への新たな仕掛けであり、東海第二原発の再稼働を進める積立基金は認められません。
 交付金は、原発から30キロ圏内の人口が30万人以上かつ、避難計画が国の原子力防災会議で了承されていない場合は上積みする支援があり、本県では最大40億円とされていますが、こうした財源があるなら廃炉事業にこそ投資すべきと考えます。
 最後に、議第4号・医薬品の安定供給確保及びイノベーション推進を求める意見書についてです。薬不足を多くの県民が実感し、あってはならない供給不足の事態となっていますが、意見書案にある「薬価引下げ」の多くは後発医薬品(ジェネリック)であり、大本には国の社会保障費抑制、医療費削減政策があります。政府は2015年骨太方針で、ジェネリックの使用を2倍の80%とする無謀策を決定し、多くの中小製造会社は十分な設備も人材育成もままならない状態で増産を強いられ、結果、複数の企業で不正行為が相次ぎ、供給破綻を招きました。政府の責任は重大ですが、2023年骨太方針で、今度はイノベーション推進の名のもとに、患者負担で薬価を引き上げようとしています。今でも日本の医療費に占める薬剤費は3割を超え、イギリス・フランスの約2倍、ドイツの1.3倍など突出しています。財源が必要なら、公費で検討すべきであり、患者負担増をまねく本意見書には同意できません。
 以上で討論を終わります。


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