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質問・発言

●議案に対する討論

2022年6月21日第2回定例会 反対討論 江尻加那

 日本共産党の江尻加那です。議案等の採決にあたり、4件について討論いたします。

 第1に、第81号議案 令和4年度茨城県一般会計補正予算(第2号)は新型コロナ感染の拡大防止や県内産業への支援に要するものであり、賛成です。 
 その上で、さらなる物価高騰対策の早期予算化を求めます。肥料や飼料、原油や資材の大幅値上げで深刻な打撃を受ける農林漁業への支援は、対象も規模も拡充が必要です。このままでは離農と後継者不足に拍車をかけ、本県農業の発展をも妨げかねません。また、食材費高騰の中でも、子どもたちに安定した給食を提供できるよう、県立学校を含め小中学校や保育園等の給食に県の財政支援が急務です。その他、国の原油価格・物価高騰臨時交付金、残る52億円の活用を含め、県民生活支援の具体化を求めます。

 第2に、第85号議案 茨城県地方活力向上地域等における県税の特別措置に関する条例の一部改正条例に反対です。
 6年前に始まった本社機能移転促進のための不動産取得税および法人事業税の減免により、22の企業に対し約2億円が免除されました。これら企業の多くは、本社機能移転の県補助金も受けています。本県は大規模インフラ整備によるアクセス性や土地の安さ、さらには労働力の確保等で優位性が高く、これだけの条件整備には多くの県税が今なお投入されています。その上、さらに進出企業が払うべき税金の免除措置を拡大させることに同意できません。

 第3に、このあと提出される、議第16号 緊急事態条項を含む憲法改正に取り組むことを求める意見書に、反対です。
 緊急事態条項は、権力の分立を停止し、行政府である政府に国会の立法権や予算議決権を認めるもので、極度の権力集中による政府の権力濫用の危険性が高いものです。さらに、人権保障を停止することから、営業の自由や財産権のみならず、表現の自由や報道の自由等、民主主義の根幹をなす人権が大幅に制限される危険性もあります。

 現在、国の憲法審査会で、大規模災害や感染症対策のために緊急事態条項を設け改憲議論を進めようとしている動きがあります。しかし、憲法を変えなければ対応できない事態は起きておらず、緊急事態条項は常に濫用の危険と隣り合わせというのが歴史の教訓であり、立憲主義を崩すものです。
 戦前の大日本帝国憲法には、緊急勅令(8条)、戒厳大権(14条)、非常大権(31条)、緊急時の財政処分(70条)という4つもの緊急事態条項が置かれ、これら権力の行使によって国会機能は停止し、戦争への道に突き進みました。
 現行の日本国憲法は、こうした過去の緊急事態条項の濫用の歴史にも鑑みて、あえてこれを設けることをせず、緊急事態には、あらかじめ平時から個別法を制定して対処するという立場をとってきました。
 意見書案に、新型コロナウイルス感染症は医療崩壊の危機を招いたとありますが、それは、緊急事態条項がなかったからではなく、平時からの感染症対策や医療体制整備を怠り、社会保障を脆弱にしてきた失政の責任です。また、今後予想される大規模災害に対しては、現行の災害対策基本法を抜本的に拡充・改善し、国民の命と生活、財産を守り、被災者や地方自治体を支援することが強く求められます。
 歴史認識と、現在の社会情勢を歪曲し、緊急事態条項の創設および改憲を行うことは、権力の集中と濫用による民主主義の破壊を招きかねず、本意見書に強く反対いたします。

 最後に、私ども共産党県議団が提出した議第17号は、消費税インボイス制度の実施中止を求める意見書です。まさに新型コロナの影響で、経営や従業員の雇用継続に深刻な打撃を受けつつ頑張っている多くの個人事業主、小規模事業者に対し、新たに消費税を課すインボイス制度の実施中止を求めるものであり、議員各位の賛同をお願いするものです。

 以上で討論を終わります。


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