日本共産党 茨城県議会議員団 一人一人が大切にされる政治をめざして
議員紹介 県議会報告 質問・発言 申し入れ・提案
HOME BACK
質問・発言

●予算特別委員会での大内久美子議員の質問(2014年3月18日)

〔質問項目〕
1. 特別別支援学級の改善策について(答弁・教育長)

 (1) 整備計画の見直し
 (2) つくば特別支援学校について」
2.公共交通について (答弁・企画部長)
 (1) 地域公共交通の支援策
 (2) 茨城空港支援の見直し
3.財政運営と保有土地対策について (答弁・知事)
4.東海第二発電所について (答弁・知事)
 (1) 安全審査申請と再稼働中止
 (2) 原子力安全対策委員会
 (3) 原子力安全協定の見直し

1.特別支援学校の改善策について

○大内委員 日本共産党の大内久美子です。
 最初に、特別支援学校の教育条件の整備について、教育長に伺います。
 18校のうち12校で不足教室155教室もあり、特別教室の転用やクラスを仕切って使うなど、現場では工夫をしながらも早急な改善を願っております。
 水戸飯富では、運動場が狭く、200メートルのトラックがとれず、長距離走は近くの田んぼを使用している状況です。200人以上の大規模校が8校もあり、つくばでは、4月から400人にもなるということです。児童生徒にとりまして、よりよい環境を保障するためにも、整備計画の見直しは緊急の課題です。
 第1次計画は、平成22年から平成26年であり、次期計画は今年中に策定しなければなりません。特別支援学校には、設置基準がありません。国に働きかけると同時に、県としても、適正規模や施設の整備、不足教室の解消、通学区の見直しなどを基本に計画を立てるべきと考えますが、教育長の所見をお聞かせください。
○小野寺教育長 お答えいたします。
 ご指摘のように、特別支援学校の児童生徒数につきましては、年々増加傾向にあり、特に知的特別支援学校では、10年前の1.41倍と大変著しい伸びとなっております。
 県では、こうした児童生徒数の増加に対応いたしまして、平成19年度につくば特別支援学校を開校したことに加え、平成22年度から、御指摘ございますように平成26年度までの5年間を期間といたします県立特別支援学校整備計画を策定し、不足教室の解消に努めてきたところでございます。
 具体的には、平成24年度に開校いたしました境特別支援学校の整備により、特に過密となっておりました結城特別支援学校の27室ありました不足教室を解消しましたほか、伊奈特別支援学校につきましても、5室程度の不足教室の緩和が図られたところでございます。
 また、現在は、県北地区特別支援学校の新設により、勝田特別支援学校の28室程度の不足教室を解消することや、校舎の増築により美浦特別支援学校の16室程度の不足教室を解消することなどについて、計画的に整備を進めておるところでございます。
 一方、これらの施設整備などの取り組みを進める中におきましても、依然として児童生徒数の増加傾向は続き、この計画に基づく具体の取り組みが完了した後におきましても、県内複数の学校であわせて130室程度の教室不足の状況が残ることが見込まれておりますので、引き続き対応が必要であると認識しております。
 こうしたことから、県といたしましては、今後の児童生徒数の将来推計も勘案しつつ、学校の適正配置の観点から、全県的な視野で検討を進め、現整備計画終了後の第2期計画を来年度中に策定してまいりたいと考えております。
○大内委員 つくばの特別支援学校は、平成19年の開校時は180人と予想しましたが、現在は2倍を超えております。県内で初めての肢体不自由児と知的障害児の併設校です。施設は、開放的で教職員の熱心な取り組みなど明るい雰囲気です。しかし、あまりにも大規模となってしまい、新設計画が必要になっております。
 200名の職員会議、26の不足教室、中高等部の教師など114名分の給食が作れず、生徒と別の弁当食です。知的と肢体のそれぞれの課題もあります。新設計画を次期計画に明記し、保護者や教職員などの要望、意見を反映して整備することが必要です。教育長の所見を伺います。
○小野寺教育長 お答えいたします。
 御指摘のように、つくば特別支援学校の児童生徒数は、開校後7年間で2倍近くに増えるということで、県立全体の中でも突出した高い増加率となっております。
 こうした中、学校におきましては、現在、広い教室を間仕切りして2教室に分けて使用したり、多目的スペースを普通教室として使用したりし、なお不足する分については、複数ある家庭科室、図工美術室などの特別教室を普通教室に転用するなど、極力授業に支障がないように対応している状況にございます。
 もともとつくば特別支援学校は、一般教室が他校に比べかなり広い上に、多目的スペースを各階に配置しているなど、児童生徒数の増加にも柔軟に対応できるようなつくりとなっているところでございますが、既に児童生徒数が400人近くにも上っており、今後、このままのペースで増加した場合、さらに特別教室を普通教室へ転用しなければならない状況も考えられますことから、この教室不足への対応は大変重要な課題であると認識しております。
 こうしたことから、今後の対応につきましては、先ほど述べました第2期の整備計画を策定する中で検討することとなりますが、その際には、保護者や学校関係者などからも広く意見を聴取いたしますとともに、今後の児童生徒数の推移を見守りつつ、最も効果的なものになりますよう様々な視点から検討してまいりたいと考えております。
○大内委員 前向きの御答弁をいただきましたが、ぜひ新しい学校をもう一つ作らなければならない、この観点で取り組んでいただきたいと強く要望いたします。

2.公共交通について

○大内委員 次に公共交通の支援策について、企画部長に伺います。
 茨城県公共交通活性化指針では、公共交通の必要性について、高齢者、通学者の移動支援、環境にやさしい交通体系の実現、地域の交流と活力支援などを示しています。
 路線バスの縮小や廃止で、高齢者など交通弱者のために、県内自治体では独自にコミュニティーバスやデマンドタクシーを実施しています。これらの利用実績を調査し、支援策を講じる必要がありますが、取り組みについて伺います。
○小松原企画部長 お答えをいたします。
 まず、県内のコミュニティーバス、デマンドタクシーの利用実績をつかめるべきという御提案がございましたので、その利用実績について現時点でつかんでいる数字を申し上げます。
 まず、コミュニティーバスにつきましては、16市町村で190万2,198人が利用してございまして、デマンドタクシーにつきましては、18市町村で38万8,419人でございます。合わせますと、229万人余という形になりまして、これが利用実績でございます。
 それに対して、委員のほうからこれに対する支援をというふうな御提案かと思いますけれども、委員も当然御承知だと思いますが、先程、委員のほうから公共交通活性化指針のお話がありましたけれども、平成19年にこの公共交通活性化指針を策定いたしまして、県、市町村、事業者及び利用者の役割を明確にしながら、みんなで公共交通の維持確保に努めていこうという指針でございます。この指針の中で、県と市町村の役割分担を明確にしてございまして、県は複数市町村間の広域的な公共交通を、また市町村はそれぞれの域内の、いわゆる地域の公共交通の維持確保を図るべきというふうな基本スタンスを決めてございます。
 こうした考え方に基づきまして、県では広域的なバス路線対策といたしまして、毎年6,000万円の予算を計上させていただきまして、赤字路線が廃止にならないように広域部分の補填をしているところでございます。
 一方、コミュニティーバス、あるいはデマンドタクシーにつきましては、運行区域も、これは委員も御案内のとおりだと思いますが、当該市町村区域の中で完結するものがほとんどでございまして、また利用者、いわゆる従事者でありますが、この人たちもほとんど市町村民あるという、まさしく市町村が担う役割として当該市町村の責任で運営していくことが、私は基本だというふうに考えてございます。
 その際に、運営にあたりまして、特別地方交付税として、国から財源が手厚く、市町村負担額の8割になっていますけれども、措置されているような現状もございます。
 さらに、平成23年度からでございますけれども、国が新たに市町村域内のフィーダー、いわゆる私線路線でございますが、ここの維持確保のための補助金、これは2分の1国捕で、補助残につきましては、先程申し上げましたような80%の特交措置と、いわゆる有利な制度を制度化してございまして、これもコミュニティーバス等には活用できるものでございます。一部市町村においては、この活用を23年からしているということもございますので、こういった国の制度も現在充実してきている状況にもありますから、当面はこれらの活用策を、県としては、促進していただけるように市町村のほうに努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○大内委員 ただいまの部長の答弁は、新しい年度をむかえるにあたっての今の状況ではなく、2年前の数字です。
 パネルをご覧いただきたいと思います。

表

 新しいデマンド交通は22市町村ですね、増えました。40万人が利用しています。コミュニティーバスは、20市町、200万8,000人の利用です。福祉バスを含めて実施していないのは、水戸市など4つの自治体だけです。とりわけデマンド交通は、病院や買い物、公共施設の利用など大変喜ばれており、拡充を望む声が出されています。
 この市町村独自施策に、県の支援策がないのです。私どもの調査では、コミュニティーバスに、平成26年、今年の予算ですね、9億3,800万円、デマンド交通に7億7,300万円の予算化をしているのです。独自の支援策を行い、高齢化社会への対応としても、市町村事業の拡充要望に応えていくのが、県のあり方ではないかと考えるものです。
 この現状をつかんで、県独自の補助についての検討はいかがでしょうか、お答えください。
○小松原企画部長 お答えいたします。
 先ほど私申し上げましたけれども、この市町村のコミュニティーバス、デマンド関係の交通への対応につきましては、特別地方交付税という措置が国の方でなされている現実がございます。8割でございます。それと、先程も言いましたけれども、平成23年から、更に手厚い国捕補助の制度も確立をされているといった状況でもございます。
 そこで、委員からパネルを頂戴しましたので、そのパネルの中で、一方的な数字だけをご覧いただくのは、やっぱり不公平だと思いますので、私なりにちょっと数字を入れさせていただきました。
 例えば、まず一つは、空港利用、左側でございますけれども、現在40万8,000人になっていますが、これは搭乗者数の数でございまして、空港ビルを利用している数を入れますと、120万人になります。一方、予算額は、その下に書かれている通り、6億ちょっとでございます。
 一方、コミュニティーバス、デマンドのところを見れば、これは、委員が240万8,000人、右側の数字は、今時点の数字を把握されたというふうに伺っていますが、私たち平成23年の調査では、これは230万人でございました。ただ、230万ではなくて、240万8,000人ベースでお話をしたいと思いますが、その県補助なしと下に書かれていますけれども、市町村の予算といたしまして、13億円程度が入っています。そのうちの8割が特交措置になります。
 そういうことを考えますと、それぞれの、これ1人あたりの、いわゆる効果がどのくらいかというふうなのを計算してみますと、かたや茨城空港62億円から63億円になりますが、これを120万人で割りますと、1人あたり529円でございます。
 一方、コミュニティーバス等で、これの13億円を240万8,000人で割りますと、531円となります。そうすると1人あたりの効果的には、コミュニティーバスのほうがちょっとだけ多いのですけれども、効果はさほどはないというふうに考えます。
 ただ、コミュニティーバスの場合には、県域内の移動だけにとどまるというふうなことが現実だろうと思います。
 一方、茨城空港の場合には、広域観光も含めて、広い効果が、いわゆる波及効果が出てくるのだろうと思います。そういった観点から見ると、ひとつ、県補助の部分だけをここに提示されるということは、誤解を生むのではないかということで、今、紹介をさせていただきましたが、県全体で、市町村とやはり県で、事業者もそうですけれども、公共交通というのは、盛り上げていくはずだと思います。ですから、県全体の数字でやはり御検討いただくことが、より適切な判断ができるのではないかというふうに、かように思っています。
○大内委員 大変残念なお答えでした。
 茨城空港の平成24年度の実績利用者は40万8,000人、そして県単独補助が6億3,000万円近くでございます。1日4往復、うち2便は神戸経由米子と那覇です。国際便は1往復です。
 年間81万人の利用、国内便1日12往復という重要予測とは全くかけ離れた実態です。新年度は、搭乗10回で片道1回無料サービス、チャーター便を運航する旅行代理店に150席までの1席1,000円の補助、1,000円のレンタカー、乗り合いタクシーの補助など、各種サービスが盛り込まれています。
 住民が必要としている地域の公共交通を支援し、茨城空港の補助は、大幅に縮小することこそ県民の願いです。今の御答弁は、この茨城空港への独自補助と、独自にやっている市町村に対して補助をしていない言いわけです。
 昨年11月の県政世論調査では、茨城空港を利用したことがないと91%が答え、その理由として、羽田、成田を利用するからが県南地域で44%、そもそも飛行機は利用しないと県央地域では7割の回答です。
 茨城空港は、自衛隊百里基地の強化が目的であり、需要があると誤魔化して、国と一体で進めてきたのです。私は、計画の段階から、危険と無駄使いを指摘し、中止を求めてきました。
 東京からワンコインで茨城空港へ、このサービスを、病院に行くのにもタクシー代往復6,000円以上もかけている高齢者はどう受け止めるのでしょうか。県民の願いと逆さまな県の補助を改めることを強く求めて、次の質問に移ります。

3.財政運営と保有土地対策について

○大内委員 次に、保有土地対策と財政運営についてです。
 平成25年度の最終補正では、保有土地対策は、当初の87億円から4倍の351億円計上し、3月14日には先議として、日本共産党以外は認めてしまいました。開発で買収した莫大な土地の、借金返済のための支出です。すべて一般財源です。どのようにして生みだしたのでしょうか、お答えください。
○橋本知事 まず、財源確保についてお尋ねいただきました。
 歳入面におきましては、株価の上昇に伴う譲渡所得の増や企業所得の増等による自主的健全収入の増が127億円ございました。また、普通交付税も算定結果、37億円ほど増えてまいりました。歳出面におきましては、例えば、企業収益の回復による県税過誤納還付金の減等々もございました。
 さらに、27年度まで認められております退職手当債84億円を追加発行いたしました。そのほか、予算執行の節約等々で財源を確保したところであります。
○大内委員 パネルをご覧いただきたいと思います。

表

 今の財源は、全て一般財源ということですが、平成18年から1,827億円も支出してきました。補正予算で、当初の2倍から3倍、平成25年は4倍にもしてしまったのです。
 予算編成を歪めております851億円も投入した開発公社、これは、県知事が1,600億円まで損失補償して、県の委託で工業団地を開発しました。茨城中央、北浦複合、旧友部流通団地など、627ヘクタールも残っております。住宅供給公社、ここは680億円まで損失補償して、平成22年に破産をし、611億円も税金の投入です。常陸那珂港、TX沿線開発、借金返済の補助をしながら、これからも莫大な事業費を投入して推進しようとしているのです。
 私は、この大型開発を反省しなければ、県民生活支援に切りかえなければ、県民の願いは、県民支援には程遠いということを、これまでも何度か強調してまいりました。知事には、この反省がないのでしょうか、伺います。
○橋本知事 保有土地対策につきましては、負担能力を考えて、実質的将来負担額である1,890億円に対し、20年間で毎年100億円程度の対策を講じていくこととして、当初予算において計画的に所要額を計上してきたところであります。
 また、今後、少子高齢化が進行し、社会保障関係費の増が避けられない状況の中では、財政状況、年々厳しくなっていくことは確実でございますので、次世代の負担は可能なときに圧縮していくことが非常に重要であると認識しております。
 さらに、平成22年度の出資団体等調査特別委員会において、繰り上げ償還より有利な借り換えなど、保有土地に係る債務残高の早期縮減につながる取り組みを進めるべきとの御提言をいただいておりますことから、年度途中に確保できた財源につきましては、極力保有土地対策の前倒しに活用し、将来負担額の縮減を図ってきたところでございます。
 今回の中でも、例えば、県債管理基金積み立て、港湾関係で190億円ほどやっておるところでございまして、これは、将来の負担を減らすためのことでございます。
 また、今いろいろおっしゃいましたですけれども、我々こういった事業によって、例えば、雇用一つとってみましても、 人口の増加、つくば地区で平成17年以降だけで3.2万人、雇用の増加がイーアスつくばだけで2,600人、コストコつくば店で520人、あるいはアシックスで160人ほど、さらに例えば港湾事業としまして、ひたちなか地区では、ひたちなか地区といいますか、茨城港では約3,200人の雇用の創出効果が出ておるところでございます。
 それに加えて、税収の増等もございますので、私どもとしましては、これからの茨城の発展を考えてきた場合には、こういった事業をしっかりと進めていかなければいけないと思っております。
○大内委員 県知事が作った借金、県民の血税で最優先して支払う、ここに全く反省がない、私は、このことを本当に残念に思います。本県は、鹿島開発のために1960年に開発公社を設立しました。現在、このような開発公社は、茨城県にしか存在しておりません。
 本県1人あたりの雇用者報酬は全国16位、福祉や医療は全国最下位クラス、子どもの医療費補助は、所得制限が厳しく4分の1の子どもは受けられません。中学3年まで完全無料化のためには、あと25億円で出来るのです。小中すべてのクラスを35人以下にするのには、あと54億円で出来るのです。
 全国8位の財政力は、県政世論調査で要望の強い、医療、高齢者福祉、子育て支援にこそ生かすべきです。税金の使い方を見直すことを強調し、この質問は終わります。

4.東海第二発電所について

○大内委員 最後に東海第二原発について伺います。
 福島原発事故から3年が経過し、収束どころか、大量の放射能汚染水など非常事態が続いています。いまだに14万人の方々が避難をして不安な毎日を過ごしています。政府による責任ある解決が求められています。ところが、政府は2月25日にエネルギー基本計画原案を決め、原発は重要なベースロード電源として、原発推進、再稼働を打ち出しました。
 東海第二原発も、日本原子力発電の濱田康男社長が再稼働の意向を表明し、原子力規制委員会に新基準に基づく安全審査の申請を3月中にもしようとしています。
 再稼働に直結するものではないと、3月5日には、周辺11の自治体の市町村長と覚書を交わしました。しかし、フィルター付きベントや防波堤の設置を、昨年6月に県や東海村に説明もせず着工し、昨日は、18メートルの防波堤建設の説明もしているのです。
 一方で、過酷事故を想定した30キロメートル圏内の避難計画は自治体の責務とし、原子力規制委員会も政府も、住民の安全に責任をとろうとしておりません。県と30キロメートル圏内の14の自治体は、避難計画の見通しが立っておりません。
 知事は、住民の安全に責任を持つ立場から、避難計画が立てられない状況で、再稼働のための安全審査はしないよう、日本原電に要請すべきですが、見解を求めます。
○橋本知事 原子力発電所の再稼働につきましては、具体的な手続きがいまだ不透明でありますことから、私は、会長を務めております原子力発電所立地道県で構成する原子力発電関係団体協議会におきましても、個別の発電所ごとに、その安全性やエネルギー政策上の必要性などを十分に考慮した上で、国が責任を持って判断し、国民や関係自治体に十分な説明を行うこと、また、誰がどのように判断するのかなど、あらかじめ具体的な手続きを明確に示すことなどを要請してきたところでございます。
 避難計画につきましては、現在、県で広域避難計画の策定作業を行っているところでありますが、御承知の通り、東海第二発電所のUPZ内には、昼間人口で約98万人がおり、病院や社会福祉施設等も多く含まれておりましことから、避難先や避難手段の確保のほか、避難時のスクリーニングの実施方法など解決しなければならない多くの課題がございます。
 このため、私どもとしても、昨年9月、原子力発電団体協議会として、避難計画のガイドラインなどを示すよう、国に対して要請を行ったところであります。
 これを受けて、同月、国の原子力防災会議において、避難計画づくりを支援するため、地域ごとに防災関係省庁や県から成るワーキングチームを設置することが決定をされました。東海第二発電所につきましては、11月27日にワーキングチームの初会合が行われたところでありますが、県といたしましては、今後、このワーキングチームと連携をとりながら、課題の解決に取り組み、広域避難計画の策定、さらには各市町村が取り組む避難計画の策定を支援してまいりたいと考えております。
○大内委員 避難計画が出来ていない中で再稼働申請は認められない、この点についてはどうでしょうか。
○橋本知事 再稼働申請という形では聞いておりませんで、安全審査の申請ということで聞いております。安全審査の申請につきましては、新規制基準への適合審査申請ということでございまして、国の専門家が新規制基準に沿って原子力発電所の健全性や安全対策などをチェックするものであり、安全性の向上に資するものではないかと考えております。
 このため、県といたしましては、これまでも申し上げております通り、申請すること自体にあえて異を唱える必要はないと考えております。
 また、適合審査申請が再稼働に直結するものではないことにつきましては、地元市町村と日本原子力発電とが交わした覚書にも明記されておりますが、先日、日本原子力発電の濱田社長と面会した折、私からも直接確認したところであります。
 それから、防潮堤の、日本で3番目の防潮堤ということが言われておりますけれども、いいですか。
○大内委員 環境経済研究所は、地震と津波の複合災害の時に、東海第二の避難は、国道のみ使用で132時間、5日半かかり、国道と高速、主要道路で52時間、2日かかると試算しました。本県でも、原子力災害対策計画編では、5キロメートル圏内の6万人の避難に22時間かかると試算しています。橋や道路が陥没、破損したときには、通行止めとなり、この予測も成り立ちません。
 一方で、規制委員会の指針では、炉心損傷開始から20分以内で被ばくの開始、1時間で放射能が外部に大量放出と想定しましたが、福島のように全面緊急事態に時間的間隔がない場合もあるとしています。つまり、住民は、被ばくをしながら避難をしなければならないということになるのです。
 どこに避難をするのか、避難先の自治体も決められないという課題も抱えています。要援護者の避難はまったく見通しがありません。
 東海第二は、知事もお答えのように、30キロメートル圏内に約100万人が住んでいる、日本で一番の人口密集地域です。知事は、減原発は十分可能と、これまで表明してきました。住民の命と安全を守る立場から、東海第二の再稼働は認められないと、はっきり表明すべきではないでしょうか。お答えください。
○橋本知事 前からも申し上げてきております通り、私どもとしては、国が、安全性の確認、あるいはまた、エネルギー政策上の必要性などを十分に考慮して判断していくべきだろうと思っております。
 そして、それを受けた上で、私どもは県議会や市町村とも十分相談する、あるいは県の原子力対策委員会でも技術的な面からしっかりと検討していただく、さらには、原子力審議会という形で一般的な有識者の方々にも審議していただく、そういうことをやって判断をしてまいりたいと思っております。
 例えば、東海村と水戸市では、あるいはまた、村民の考え方もかなり違っているようでありますので、私は、様々な意見というものを、しっかり聞いた上で決めていく、この段階で、自分だけの考えでこういうふうにしていきたいということを出すのは、あまり適当ではないと考えております。
○大内委員 あくまでも国の判断が最優先、とても残念な、自治体の責任者の答弁です。
 東海第二原発は、35年もたつ沸騰水型原発で、老朽原発であり危険です。しかし、日本原電は、40年期限をさらに20年延長させて再稼働しようとしています。
 知事は、今の答弁のように、国の判断を受け、技術的、専門的な立場からチェックを受け、地元の意見も聞くと表明しています。これは、変わらず、テープレコーダーのような答弁です。
 そのチェック機能が、県原子力安全対策委員会です。14名で任期は2年、平成25年から平成27年の委員を、知事が選任しました。就任前の3年間で、原子力事業者から研究費などの名目で寄附を受けている方はいないでしょうか。お答えください。
○橋本知事 ちょっと具体的なことはわかりませんけれども、この前、御質問を受けた時に、ある程度のことはお答えしていると思いますが、いずれにいたしましても、私どもとしては、寄附については、企業から大学に払い込まれた奨学寄附金であり、大学のルールに基づき管理されているものであると聞いておりまして、その点で、寄附を受けているかどうかということについては、問題になってこないものと考えております。
○大内委員 私は、前にも、この問題は取り上げましたが、その時の寄附は、朝日新聞の調査によるものということでパネルも示しました。しかし、今回は、委員の選任にあたって、茨城県は、自主申告をさせたのです。
 委員長の岡本氏は、三菱重工業や日本原電から1,343万円を超える研究費を受けています。関村直人氏は、三菱重工から3,188万円です。関村氏は、福島原発事故が起こる1ヵ月前に、高経年化技術評価ワーキンググループの責任者として、60年を仮定して機器構造物の健全性の評価が行われていることを確認したと報告をし、安全のお墨付きを加えた責任者です。しかし、1ヵ月後に大事故が起きました。
 田中氏は、日立GEニュークリア・エナジーから51万円受けております。 3人は、いずれも東大教授で、原子炉や核燃料工学の専門家です。
 再稼働を推進するのは、原発利益共同体といわれる利益最優先の勢力です。この、事業者と一体になって共同研究している専門家に、どうして県民の立場から、老朽原発の安全性のチェックができるのでしょうか。県の原子力安全対策委員の見直しを求めます。知事の見解を示してください。
○橋本知事 県の原子力安全対策委員会の委員につきましては、技術的、専門的見地から原子力施設の安全性等について検証を行っていただくため、原子炉工学や環境放射線、地震学など多岐にわたる分野の専門家の方々に委員になっていただいているとこりでございます。委員は、いずれもその分野の第一人者であります。
 高経年化の専門家なども含まれておるところでございますので、運転開始から35年を超えた東海第二発電所については、しっかりと審議していただけると思っておりますが、ただ、御指摘のように35年を超えたということで、高経年化対策は、ほかと比べても極めて重要な課題になってまいりますので、今後、高経年化対策に係る専門家を、複数、臨時委員として加えて、十分な体制のもとで検証してまいりたいと考えております。
○大内委員 私の質問をよく聞いてないようです。
委員長の岡本氏自身が、日本原電、東海第二の事業所から寄附を受けていると、これは自主申告です。こうした方が、どうして安全のチェックが出来るのかということでございます。見直しを求めます。
 最近の世論調査では、原発の即時廃止が増え、段階的廃止を合わせますと、7割から8割の世論です。
 原子力安全協定の第5条は、新増設に対する事前了承、10条は運転再開の事前協議を定めています。現在、この対象は茨城県と東海村だけです。30キロメートル圏内の市町村も対象にしてほしいと、市町村長から強い要望が出されてきました。
 日本原電は、当面、覚書、その後は、協定見直しを検討するとしていますが、安全協定の見直しは速やかに行うべきです。知事は、日本原電に要請すべきですが、見解を求めます。
○橋本知事 御承知の通り、先般、地元市町村と日本原子力発電は、発電所の今後に係る判断を求めるときの前までに、安全協定の見直しをするものとするとの覚書を取り交わしたところであります。
 今後、この覚書に基づきまして、地元市町村と日本原子力発電との間で話し合いがなされていくものと考えておりますので、県といたしましては、まずはその状況を見守ってまいりたいと考えております。
○大内委員 茨城県知事は、周辺30キロメートル圏内の市町村と同じ立場で、この再稼働をめぐって、申請に対して厳しく、住民の立場で意見を言わなければならない、同じ立場です。だとしたら、覚書で事前に説明を受けて、そして再稼働のための申請ではないという。ここまで覚書をつけて、そこで申請をする。こういうことがあっていいのでしょうか。
 はっきり安全協定を見直して、新増設、そして再稼働については、きちんと自治体の長として、住民の立場で廃炉を求める、そのことが、私は県民の願いである、そのことを強く申し上げまして、私の質問といたします。
終わりです。

 


PAGETOP

〒310-8555水戸市笠原町978-6茨城県議会内 日本共産党議員室TEL:029-301-1387(直通・FAX兼)
Copyright(c)2010 日本共産党 茨城県議会議員団 All right reserved.