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協同組合報vol.182
2018年5月号

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トピックス 寄稿

東京民医連(TMR)家庭医プログラム
キックオフ☆ミーティング

中野共立病院 事務次長 小林 和苗

はじめに

 2011年に東京民医連家庭医療レジデンシー(東京民医連が立ち上げた家庭医療後期研修プログラム)がスタートし、今年で8年目を迎えました。

 毎年4月には「キックオフ・ミーティング」と題し、レジデント向けに家庭医療学のエッセンスを学んでもらう企画を開催しています。今年は4月7日(土)に開催し、当プログラム2年目の塚原医師、東葛PGの上村医師、みさと健和PGの保科医師の3名を対象に各指導医からコアレクチャーが行われました。

家庭医療学のエッセンスを学ぼう!

神谷医師
神谷医師

 開会のあいさつは、神谷寿美子医師(プログラム責任者・やまと診療所所長)。

 「4月から伊藤浩一医師(健友会理事長)よりバトンを引き継ぎプログラム責任者となりました。いろいろな医療機関から指導医の先生が集まり、レジデントのみなさんも様々なキャリアをお持ちで、面白いプログラムになっていくのではないかと思います。

 今日はレジデントからの希望もあり、理論的に家庭医療学を伝えるレクチャーを指導医の先生方が準備されています。家庭医のエッセンスをみなさんで学びましょう」

指導医からのミニレクチャー

 続いて指導医の先生方からのミニレクチャーが始まります。(下記)

 

◆ミニレクチャー各テーマ(各質疑応答含め20分)

1.「教育・カリキュラム開発」伊藤洪志医師(初代レジデント)
2.「外来診療の型」松本真一医師(2代目レジデント)
3.「CGA(高齢者総合的機能評価)」大谷一晃医師
4.「ケアの継続性」栄原智文医師
5.「物語に基づく医療・ナラティブ」星野啓一医師
6.「家族志向のケア」神谷寿美子医師
7.「患者中心の医療」小松亮医師

 テーマを見るだけでも興味をそそりませんか? 

「家族志向のケア」とは

 ミニレクチャーの中から、神谷医師のレクチャーをご紹介します。

 まず家族志向のケアについて「プライマリケアでの家族とは、生物学的、感情的、法的のいずれかによって結びつく集団。患者が自らの幸福にとって重要と思う集団」「家族志向のケアとは、患者のサポートシステムを動員して患者の健康と幸福感を強化すること」と紹介され、その後、実際に関わった事例を通して、レジデントたちと共にケアの実際について学びました。

〈事例〉

両親、要介護の祖母と暮らす14歳女性

主訴:夜間から朝方にかけての息苦しさ

診断治療:喘息、吸入ステロイドで軽快。約1ヵ月後、母(48歳)と来院。朝、具合が悪いと起きられず登校できない日が増えてきた。日中元気。喘息がコントロールできていないと思っている。

 臓器別のアプローチでは主に呼吸器に対しての薬物コントロールとなります。そこへ家族志向のケアを加えた家族カンファレスを通して、問題を抽出していきます。

・吸入薬の使用、効果の確認。処方内容の変更が必要か。
・父親の喫煙(thirdhand smoke)
・ペット(犬)
・祖母の認知機能低下、BPSD
・祖母の介護、施設入所について両親の不和
・両親との関わりの問題
・学校の問題は?

 偶然にも、主治医は祖母の訪問診療にも行っており、家族3世代に関わる中で問題点を少しずつ一緒に改善していきます。この症例を通じて実感した家庭医の役割を伝えていただきました。

星野医師 伊藤洪志医師 栄原医師
星野医師 伊藤洪志医師 栄原医師

 

ディスカッションしながら深めていく

 それぞれのレクチャーは、講師が「〇〇先生ならどうします?」と参加者とディスカッションしながら、始終和やかな雰囲気で行われました。

 所属も経験年数も異なる医師が家庭医療学のエッセンスを、それぞれの持ち味を生かし、自らの学びと学問的な学びを結び付けて話され、みな熱心に聞き入っていました。

大いに沸いた特別講演

藤沼医師
藤沼医師

 続いて、トータルアドバイザー藤沼康樹医師(浮間診療所所長)より特別講演。

 日本の家庭医のパイオニア的存在である先生が語る自分史、GP・家庭医との出会い、時代時代のお宝写真に会場が大いに沸きました。

 最後に「先生は何科ですか?と聞かれた時、“内科です”と答えないでいただきたい。“家庭医を専門にしています”と答え続けることで家庭医としての役割も身についていきます」とレジデントへのメッセージが送られました。

 各レジデントより感想と抱負が述べられキックオフ・ミーティング終了。

 そのあとの懇親会も大いに盛り上がりました。

レジデント・デイに参加を!

 当プログラムは月に一度レジデント・デイを開催し、指導医陣により継続的な指導と振り返りを行っています。オープン企画です。どのように家庭医を養成しているか知っていただく良い場だと思いますので、ぜひお気軽にご参加ください。お待ちしております!

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