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協同組合報vol.174
2017年12月号

インフォメーション

アンテナを高く、多職種参加で「気に患」カンファ

中野共立診療所 医事課 主任 小泉尚子

 当院では、外来患者の中でも特に気になる患者さんをフォローする場として、月に1回定例の会議「気に患カンファ」を設けています。患者さんが抱えている問題を取り上げ、受診控えや生活苦などの問題が深刻化しないよう取り組みを行っています。主に、受診を中断されている方・服薬遵守が困難な方・経済的・生活的困窮に陥っていそうな方・認知症で日常生活に困難を抱える方などが「気に患」の対象にあがります。

●カンファを開いて次につなげていく

西南ブロック診療所交流集会で演題を報告する小泉さん
西南ブロック診療所交流集会で演題を報告する小泉さん

 カンファに参加する職員は、MSW(医療ソーシャルワーカー)・外来看護師・医事課・薬剤師(青葉調剤薬局)から1人ずつで計4人です。各職場で、1ヵ月単位で対象患者さんをピックアップし、各職場の気に患スタッフがそれを集約してカンファで報告します。

 1回の会議で平均して5〜6人の患者さんについて検討します。あまり堅苦しい雰囲気ではなく、皆ざっくばらんに発言しています。カンファ後に、各スタッフによって患者さんやご家族へアプローチ・関係機関との連携・訪問等を行い、次回のカンファで報告します。 

●職員の意識が変わってきた

 カンファを行うようになってから、職種間での情報の共有がスムーズになりました。例えば、経済的に困窮していることの気づきは主に医事課なので、その情報が看護師や医師にも伝わり、対応も統一できます。それぞれの職種の立場から意見を出し合い、「今度の○○さんの受診日に生活状況を聞いてみよう」「飲み忘れが多いようだから、主治医に薬の一包化を提案してみよう」等のフォローにつなげます。患者さんのカルテにも「気に患」の情報を記録として残し、参照した人が注意を払えるよう工夫しています。

イラスト また、少しずつですが職員の意識も変わりはじめ、忙しい中でも、患者さんの生活背景に目を向けるようになりました。患者さんと関わるなかで何か「気になる」と感じたら、生活状況を細かく聞き取りし、その場でMSWにつなげたり、さらに自宅での様子を把握したいときは訪問行動を行ったりしています。

●さらにアンテナを高くして

 一方で、実際の患者さんへのフォローがMSW任せになりがちであったり、患者さんにアプローチする機会を逃してしまったり、事前の情報が不十分でフォローに至らないケースがあったりと、課題や失敗も多くあります。試行錯誤を重ねながら、職員一人ひとりが困っている患者さんを見過ごさないようにアンテナを高くし、積極的に「気に患」に関わっていけるよう、これからもカンファを継続していきたいと思います。

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