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協同組合報vol.97
2011年5月号

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トピックス 対談

卒1看護師の研修(2)――健友会

一人前になる日を夢みて

出席者(全員健友会に入職、中野共立病院で看護研修中)
<2階病棟> 佐藤美香さん、清水麻衣さん
<3階病棟> 栗原陽子さん、杉本佳昭さん
 司会/原 由絵(中野共立病院副総看護師長)


私が中野共立病院を選んだ理由

司会の原さん司会● 今年4月、新卒看護師として4人の皆さんが健友会に入職されました。今は基礎看護技術を身につけるために、実地指導者のもとでマンツーマンの実地看護研修を行っています。まだまだ緊張の連続でしょうが、今、何をどんなふうに感じ、頑張っているかをお話しいただきたいと思います。まず、健友会を選んだ理由について、栗原さんから順番にお願いします。
栗原さん栗原● 私は中野共立病院の3階病棟で介護職として働きながら、看護師をめざしました。いい病院だなと感じていて、就職先は絶対に健友会にしようと考えていました。
杉本● 奨学生になれる病院を探していて、とりあえず見学をしてみようと申し込みました。患者さんを最後まで見捨てない、いのちを大切にしているところに魅力を感じて決めました。
清水● 私は東京都の奨学生になっていて、奨学金返済免除の条件が200床未満の病院だったので、その条件から病院を探して、こちらの病院の2階病棟でインターシップをさせていただきました。病棟の雰囲気が良くて、患者さんに対してチームで医療を行っているのもすごくいいなと感じました。
佐藤● 私は北海道の民医連の看護学校で学んできて、民医連の考え方や実践に共感しましたので、民医連の病院で働きたいと思っていました。東京で就職したかったので、東京の民医連の病院をインターネットで探しました。大きな病院よりもそれほど大きくなくて、地域医療ができる病院がいいなと考えていて、こちらに見学に来て、いいなと思いました。
司会● 4人とも別々の学校を卒業し、それぞれの思いを抱きながら中野共立病院を選んでくださったわけですね。

「何回失敗してもいいよ」と患者さんに励まされ

司会● 社会人となり、専門職としての一歩を踏み出して、いろんなことを感じていると思います。率直なところをお聞かせください。
佐藤● 学生のときは実習とか試験とかは期間が決められていて、そこに集中してやればよかったんですが、働くということは期間がいつまでと決められていない、これからずっと続くものなので、体に力を入れたままでは持たないなと感じています。今までは病棟に行くだけで緊張していましたが、最近は、変な力は抜けるようになったかなと思っています。最初の頃は仕事が終わると精神的に疲れて、スイッチがパチンと切れる感じがあったんですが、最近はそういう感じもなく働けています。
 もう一つ、いろいろな技術をやらせてもらう中で感じることは、学生時代はどっちかというと自分のために学ぶという感じだったんですが、看護師になった今は、患者さんのためなんだなと。技術一つひとつに対してそれを感じるので、患者さんのために、もっともっと学んでいかないといけないと思っています。
司会● 大きな変化ですね。清水さんはいかがですか。
清水● 技術を習得すればするほど責任感を感じます。複数の患者さんを受け持っているので、優先順位を考えながら観察を行ったり、ケアを行ったりしているんですが、口腔ケアをやって吸引をやって経管栄養をやってという流れを組み立てていくのが難しいなと思っています。患者さんがすごく優しくて、血糖測定のときに「何回失敗してもいいよ」と言ってくださったりして、いつも患者さんに励まされています。
栗原● 私は前職が介護職だったので、つい介護として見てしまうようなところがあって、そこを修正しながらやっています。とまどうこともありますが、新天地が開けたというか、そんな感じをもちながら働いています。
司会● 新天地が開ける……いい言葉ですね。
杉本さん杉本● 仕事の流れとか組み立てがまだスムーズに行かないところがあって、指導者さんに「日に日に良くなってきていますよ」と励まされるんですが、自分では「まだまだだなぁ」というのが今の実感ですね。患者さんのトランスファー一つとっても恐る恐るだったり、おむつ交換も時間がかかったり。4月の終わりごろに先輩に「疲れた顔している」と言われて、自分ではそんなでもないつもりだったんですが、周りは気を遣ってくれていたみたいです。1日も早く、仕事の組み立てができるようになりたいです。
司会● 皆さんのお話を聞いていると、頼もしいですね。

患者さんのひとことが嬉しい

司会● 今、病棟の中で実地指導者の指導を受けながら実際に患者さんのケアを行っていますが、患者さんとの関係で印象的なことは?
杉本● 「ありがとう」と言われると、すごく嬉しいです。
栗原● 私もそうです。私が行くと、患者さんがすごくいい表情をしてくださるんです。それが嬉しいです。
清水● 病棟に入る前に、採血などの実技を教えてもらって練習しますが、実際に患者さんを前にすると、やっぱり緊張しちゃいます。練習でやったことを思い出しながらやったら、できました。指導者さんにも「スムーズにできたね」とほめられました。指導者さんにほめられたり励まされたりして、少しずつ自信につながっているなと思います。
佐藤さん佐藤● コミュニケーションをとりにくい、気難しいと言われている患者さんの受け持ちになって、私も、厳しい方だなというのが第一印象でした。点滴の交換のとき、慣れないために時間がすごくかかってしまって、「申し訳ありません」と謝りました。そしたら、「時間をかけて、ゆっくり慎重にやったほうがうまくなるから」とおっしゃってくださったんです。それが、すごく嬉しくて。
 その患者さんは、私たちに手技をたくさんやらせてくれようとして、ちょっと厳しいこともおっしゃるのかなとも思いました。患者さんも私たちを育ててくれようとしているのを感じて、早く一人前になりたいと思っています。

国会行動研修に参加して

司会● 東京民医連では毎年、青年職員の国会行動研修を行っており、今年は5月18日に行きました。健友会からは、皆さんも含めて12人が参加しました。班に分かれて、国会議員さんの部屋を訪ね、国保料引き下げなどの請願を行いましたが、どんな感想をもちましたか。
杉本● 全部で7人の議員さんの部屋を訪室したんですが、全員秘書さんの応対でした。インターホンごしに呼び出しをするんですが、断られたらどうしようとちょっと緊張しました。でも、そんなことはなくて、開けてくれました。
司会● 杉本さんも話をされましたか。
杉本● はい。私が話したのは、7人の中で一番冷たくて、玄関の扉のところでの応対でした。しかも、途中で電話がかかってきて、秘書の方が「すみません」、バタンという感じ(笑)だったんですけど、それでもドアを開けて聞いてくれただけでも良かったかなと思いました。
清水さん
清水● 先輩たちからは「冷たく言われるよ」と聞いていたので、覚悟して行きました。私の班も議員さん7人の訪問で全員秘書さんだったんですが、思ったよりも皆さん、親身になって聞いてくれるなと思いました。「党を超えて、社会保障の問題を考えていかなければいけない」という前向きなお話もありました。
司会● 清水さんの話した秘書の方は、ちゃんと聞いてくれましたか。
清水● はい、応接室に入れてくれました。
栗原● 私も7人全員秘書さんで、民主党と自民党は冷たいなという印象でした。共産党の秘書さんは親切な対応で、真剣に考えてくださっているんだなと思いました。こういう研修に参加して、政治のことを身近に感じることができました。医療者として主体的に政治に興味を持って、患者さんとともによりよい医療をつくっていきたいと思います。
佐藤● 栗原さんと一緒の班で、全体を通しての感想は、私も冷たいなという印象でした。議員さんが部屋に入って行くのを確実に見たあとに、「いません」と言われたときは「ちょっとな」と思いました。話を聞いてくれた方もいましたが、請願に来る人が多いからでしょうか、「じゃあ書類をいただきます」みたいな真剣味のうすい対応が多くて、自分たちの調べてきたことや訴えたいことが伝わっているんだろうかと思いました。
司会● 事前に学習をしたんですよね。
佐藤● はい。国保料が高すぎて、払えなくて医療にかかれずに亡くなった人がいるという話もしましたが、手応えはあまりありませんでした。でも、国会請願の研修を通して感じたのは、私は看護師として看護をすることで患者さんを救えると思っていたんですが、それだけではだめなんだ、病院に来れない人は救えないんだなということです。病院の中だけでは患者さんを守ることにはならない、ということを考える研修でした。
司会● この1ヵ月という短い間に、とても大切なことを数多く学んだということがわかりました。頼もしいなというのが正直な感想です。

こんな看護師になりたい

4人で一緒に司会● では最後に、抱負をひとことずつお願いします。
杉本● 一人ひとりの患者さんの生活背景とか、社会的なもの、精神的なものとかにも目を向け、全体的にとらえられるように、勉強していきたいと思います。
栗原● 看護のことができるようになるのは大前提として、親切な看護師になりたい。療養中の患者さんがホッとできるような看護師になりたいと思います。
清水● これから受け持ち患者さんも増えていくので、そうなると忙しくて、業務に精いっぱいになってしまうかもしれませんが、忙しい中でも業務的な対応になるんじゃなくて、患者さん一人ひとりに対して、思いやりの気持ちをもって対応できるような看護師になりたいと思います。
佐藤● 私も患者さんに優しくという初心は忘れないでいきたいなと思うのと、1ヵ月半、病棟で働いて、自分の苦手なところ、得意なところもだんだんわかってきたので、得意なところは伸ばしていって、苦手なところはどんどんできるようになっていきたいと思います。
司会● これからの研修は、チームの中でメンバーとしての自立をめざします。今まで以上に自分たちは学生ではなく、一人の看護師だと実感し、責任の重さと、それと同じくらいの看護の楽しさを現場の中で体験していくと思います。つらいこともあると思いますが、同期と励ましあって、頑張ってください。私もみんなが元気で働き続けられるように、精いっぱい頑張ります。

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