文●東京勤医会監事 八田英之/写真●山田駒平
正面に間の岳、その奥に北岳、すぐ左には甲斐駒と仙丈。その彼方に見えるのは妙高か。北に槍、穂高、少し南に、この5月に吹雪かれて撤退した乗鞍。御嶽、一昨年縦走した中央アルプス、恵那山。南には荒川、赤石。千枚小屋から赤石小屋まで、14時間もかかったことを思い出す。そして東には雲海の中に青く、大きく富士山がそびえている。
ここは、塩見岳山頂、3060m。これほどの眺望に恵まれたのは、冬に蓼科山に登って以来。3000mを超える山は、考えてみると10年ぶり。この間、東北、北海道の山が多かった。山小屋に泊まってここまで10時間。
同行者は私より年長だが、まれにみる健脚。徹底してスローでマイペース主義の私と付き合うのは大変だったことであろう。以前、ヒマラヤ登山経験者が中高年登山につきあい、あまりのスローペースにすっかりばてました、という話をきいたことがある。
高齢者の仲間入りをして、役所から健康アンケートがとどく。若い人の邪魔をしてはなるまい。しかし、いうべきこと、やるべきことにためらいもすまい。
もどってから、もう少し早く歩けるようにと、ジムに通い始めた。
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