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協同組合報vol.62
2008年5月号

 Hさんご夫婦(A夫さん71歳、K子さん73歳)はご夫婦ともに全盲で、子どもも親戚も近くにいない二人暮らしです。35年ほど前に結婚し、現在お住まいの地にマッサージ院を開業され、二人で働いてきました。10年前からA夫さんの体調が悪くなり(腎不全)、マッサージ院は閉め、障害者福祉サービスを利用しながら暮らしてきました。

 介護保険でのサービスを受け始めたのは、今から2年前。目が見えず、耳も遠いので自宅の窓ガラスが割れていることや、屋根に穴が開き、雨漏りしていても気づかずに生活していたことにショックを隠しきれずにいました。

 今では自宅も修繕し、ヘルパーも毎日訪問して食事作りや買い物・掃除、郵便物の代読などをしていますが、時折ご夫婦とも「早く死にたい」「どうしたら早く死ねるのかな」といった言葉が聞かれます。A夫さんは長年の透析生活で虚弱になっており、常に倦怠感があるようです。K子さんは年金生活の経済的な不安で眠れません。不安を話されるときには、ゆっくりと耳を傾けますが、援助者として無力感を感じることが多くあります。

 この事例のように経済的に困難なケースがとても多く、サービスを使いたくても経済的な理由で使えない方も多くいます。

 K子さんの楽しみは、デイサービスで友人とおしゃべりをし、食事をすること。また、おしゃれをして出掛けること。月に一度、通院の帰りに駅で好きな食べ物を買うことも楽しみの一つです。

 一方、A夫さんは週3日の透析の通院で疲労困憊。入浴したいけれども体力が持たず、清拭して気分転換をしていただいています。唯一の楽しみは、ミルク味の甘い飴をなめること……。

 「外なる人は衰えても内なる人は日々新たにされる」という言葉があります。それぞれの人生の重みや幸福感を感じながら、ケアマネージャーとして援助させていただいていますが、最後まで可能性を信じ「その人らしく生きる」ことができるように援助していきたいと思っています。

(野田そよかぜ訪問看護ステーション ケアマネージャー 佐藤陽子)

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