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協同組合報vol.62
2008年5月号

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この人に聞きたい(34)

一つひとつに、一人ひとりに、誠実に

3月に(医)健友会の専務理事に就任した
飛岡 史朗 さん

 「飛岡」という珍しい苗字は、父上の故郷である鹿児島の、桜島のよく見える土地に「飛岡川」という川が流れていて、それと関係があるのではないかという。飛岡さんは名古屋生まれの名古屋育ちだが、薩摩隼人の血も受け継いでいる。2004年12月に東京勤医会から健友会に出向、約1年後に移籍。この3月に吉田前専務理事から重責のバトンを受けた。「何ができるのか、何をやらなければいけないのか、懸命に模索している」と話す。

吹っ切れる瞬間

写真 「専務に」という話があったとき、「自分の任にあらず」という気持ちが強くて、正直悩みました。中野共立病院が去年2月に新しくオープンして1年3ヵ月、病院も診療所も頑張っていますが、何といっても建て替えの負荷は大きいですからね。2009年度から到来する返済のピークに対応できるように、医療構造をどう転換するか。この非常に厳しい中で、一定の方向性を示さなければいけないというのはものすごいプレッシャーです。

 でも、混迷しているわけではありませんからご安心を(笑)。私の性格はひとことで言えば優柔不断、かな。グイグイ引っ張っていくタイプではなく、局面局面で何が求められているかを判断して、集団の調整をはかりながらその中で力を発揮していくタイプだと思っています。健友会の今の状況を切り開いていくには、やっぱり“集団の力”しかないと思うんです。集団の力を信じて、方向性を一つにしていく。そのために何かしらの力を発揮したいと、そんなふうに考えています。

 そう思えるのも、組合の委員長をやった経験が大きいかもしれません。勤医会支部の執行委員長を7年やりました。トップにいると、判断を迫られることがあります。難しい判断を迫られたとき、先が読めない時期があるんですが、そういう中でもイニシャティブをとっていかなければいけない。見えない時期というのは、永遠に見えない気がするんです。それでも、集会やら団体交渉やら目の前のことをいろいろやっていくうちに、「こういう判断しかないな」と、自分なりに吹っ切れるときがある。あんなに迷っていたのに、吹っ切れる瞬間があるんです。そういう瞬間を知っているだけでも、大きな経験だったと思います。

感動と充足感

 私の趣味の一つは、高校野球観戦、それも地方大会を観るのが好きです。二人の息子が野球少年で、息子たちのチームを応援に行ったのがきっかけでしたが、息子たちが卒業したあとも観に行っています。はたから見ていると「あんたたち、甲子園はとても無理だよ」というような無名の高校の生徒たちが必死に頑張っている。そのひたむきさ、けなげさ……。テレビや新聞では味わえない感動があります。

 もう一つの趣味はピアノです。小学校時代は野球少年で球を追いかけていたんですが、次第に音楽に興味をもつようになり、高校ではクラリネットをやりました。娘がピアノを始めたとき、自分もやりたいと思い、楽譜は何とか読めますから、独学で始めました。小さいときにオルガンをやったことがあるんですが、不思議なことに指が復活してくるんですよ。

 好きなのはショパンです。でもショパンは弾けない。ドビッシーも好きで、「月の光」を全部は弾けませんので、最初の部分を楽しんでいます。ベートーベンのピアノソナタも好きで、よく弾きます。ピアノに向かっていると、ゆったりとした充足感があります。

 感動や充足感を専務の仕事でも味わいたいなと、今はまだ無理ですが(笑)。

 健友会は歴史のある法人で、地域の方々の期待は大きいです。それに応えていくために、一つひとつに、一人ひとりに、誠実に向き合ってやっていきたいと思います。

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