前回、「単純」をすすめました。しかし、ムダをそぎ落としたつもりが、余裕をなくしていることはないでしょうか。コンピュータシステムの利用は、総合的に見ないと弱点を抱えることになります。
● 迂回路がない
仕事をする上でムダを省くことは大切です。複数の人が関わる仕事は複数のステップを持っています。データを入れると帳票が自動でできあがる、自動販売機のようなシステムは少ないでしょう。ムダが多かった仕事も改善を進めると最短距離で実現可能になります。
システムを見渡すと、図のB点のように迂回することができない部分があります。他の部分で機械が故障したり、担当者が病欠しても回避する道があります。
このような重要点を見つけて対応することが大切です。バックアップを厳重にとっていても、バックアップテープを読める機械がないなど、思わぬ落とし穴が待っています。
事故が起きた場合の対応策を、複数のスタッフで思考実験してみることが大切です。
● 迂回路が忘れられる
業務マニュアルが整備され、指定外のムダな作業は禁止されることが改善の過程ですすめられます。ここで問題になるのは、以前は使いこなせたマニュアル外の処理方法が伝達されなくなることです。業務の外注化でもこのような処理能力の低下が生まれます。
それに備えるということは、コンピュータが故障したら手作業で保険請求できるだけの力が必要というわけではありません。すぐに患者対応しなければいけない臨時処置と、修理が完了するまで先送りする業務の区別ができれば良いのです。
そのためには、医療事故だけでなくコンピュータ事故事例の蓄積と分析、伝承が大切です。
マニュアルには、やるべきことだけでなく、やらないとおきる事故の例やマニュアルに載せなかった項目とその理由などを書いた「裏マニュアル」も必要でしょう。マニュアルは、業務を分析する点で「作成する過程」が大切です。作成後も、定期的に見直しましょう。
● 余裕の作り方
データの複製(バックアップ)作成が第一です。システムプログラムは業者が復旧してくれますが、データや環境設定は自分たちの責任で保存しましょう。
最近はデータファイルが大きくなっているので、外付けハードディスクでバックアップします。必要なデータだけ選んで保存すれば、毎日実施しても時間を気にしなくてすみます。
重要な仕事を担っているパソコンには代替機を準備しましょう。サポート契約をしていても、修理部品が届くのに時間がかかることがあります。代替機は遊ばせておくのでなく、ワープロ代わりに使っていればよいので、ムダにはなりません。
たこ足配線で電源に問題が起きることもよくあります。電源の整備も見落とさないでください。重要なコンピュータにはバッテリーを内蔵した無停電装置をつけ、無事にシャットダウンする時間を確保しましょう。
● 参考書
1. シンプルに使うパソコン術 傑作フリーソフトでつくる快適環境、鐸木能光、講談社ブルーバックス(2007)\903
★「素人のためのコンピュータ講座」まとめページ
http://www.gaiki.net/lib/2007/07122com0.html