大好きな納豆を我慢する決意をしたYさん
代々木病院 3階病棟 岩波 舞
病気の治療のために、北島三郎の次に大好きな納豆が食べられない!
好物を制限される辛さを乗り越えることを決意したYさんから、入院中Yさんの担当をさせてもらった1年目看護師の私に感謝の手紙が届きました。
●ワーファリンを飲むと、納豆が食べられない!
Yさんは、糖尿病、脳梗塞、下肢動脈硬化症、心房細動等たくさんの病気をもつ59歳の男性で、貧血などの検査を目的に入院となりました。Yさんは以前、板前をしておられましたが、病気のため現在は無職で一人暮らしをされています。
脳梗塞の既往をもち、40代から血液をサラサラに保つためのワーファリン(抗凝固剤)を飲んでおられました。ワーファリンを飲んでいると、その作用を弱めてしまう「納豆」を食べることができません。Yさんは、大好きな納豆を制限されていました。
今回の入院目的である、貧血の原因を調べるために内視鏡検査が行われました。このとき、いつも飲んでいるワーファリンが中止となり、その代りにへパリン持続点滴を行いました。この間、一時的ではありましたが、大好きな納豆が食べられるようになったYさんは、納豆を口にほうばり、何度も何度も噛みしめながら頷き、目を閉じ言葉もなく幸せそうに涙を流していました。どうしても納豆が諦めきれず、薬剤師にまで「どうにかしてくれよ!」と掛け合ったこともあったYさん。その姿を見ると、納得(理解)してワーファリン治療を続けてきたわけではないことがわかります。
●手作りパンフレットで説明
Yさんに、どうしたら理解してもらえるのか、自分だったらどんな説明なら納得できるだろうかと悩みました。先輩看護師からのアドバイスももらいながら、思いついたのは、目で見てわかるイラストを入れながらのパンフレットです。Yさんへの説明には、自分で作成したものを用いて行いました。ワーファリンの持続効果(1週間)とヘパリンの効果(2〜3時間)についての違い、どうしても納豆が食べたいならば、毎日外来で点滴を受ける方法などもあることを説明しました。「俺は糖尿病もあるし、いつもサラサラにしておかないと、また詰まっちまうよな!」「毎日点滴をすれば、納豆が食べられるんだが、それは難しいな」と話されていました。
●感謝の手紙が届いた
退院後、外来通院するようになったYさんから主治医を通じて手紙が届きました。
「岩波看護師様、私の体のためを思って(説明してくれた)ワーファリンとへパリンの作用の違いがよくわかりました。これからも自分の体を思い努力することを、今回のあなた様の気持ちに接し、頑張ることを約束いたします。本当に忙しい時間帯にいろいろとお調べくださったことを心から感謝するとともに貴女様の今後の成長を心からお祈りします。」
患者さんの思いに寄り添うことの大切さを改めて実感したかかわりでした。これからも、こうした患者さんの思いを受け止め、一人ひとりから傾聴する心を忘れずに、頑張っていきたいと思いました。また、今回の学びを今後の看護に生かし、自身の成長に繋げられるようにしたいです。
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