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協同組合報vol.47

介護の現場から

(6)ALSの方の生きかたを支える<その2 生命観>


 気管切開も人工呼吸器もつけないで自宅で最期まで過ごしたいというIさんと昨年5月22日からケア・マネとして関わりました。訪問する度に左足が、次に右足も動かなくなり、夏には「携帯電話も使えなくなっちゃった」と手の握力がなくなりました。
P−トイレは両前腕に内出血班をつくりながらも自力で頑張っていましたが、8月末から移乗をヘルパーが介助。お風呂は2階の居室から1階のお風呂場まで夫や息子さんが背負って移動していましたが、8月になってようやく女性スタッフのみで入浴サービスを開始。布団からベッドに変わったのは9月でした。手が使えなくなり食べることが難しくなりました。
 市の保健師にも絡んでもらい胃ろうを検討することになりました。訪問診療は市内の24時間対応の診療所で、市立病院で胃ろう造設の話し合いをする受診の前日に訪問診療に同席しました。医師は「胃ろう造設の話は二の段階で一の段階ではない。生命観についてご主人・家族と話し合うことが一の段階。家族と話し合っても決めるのは本人。胃ろうについて本人が嫌なら現段階で決めることはない。胃ろうを造るなら体力のある早いうちにというのもわかるが、今決めることでない。エンシュアをゆっくり飲んでみてはどうか?」。本人「栄養は入れたくない」。夫「栄養を入れたい」。医師「本人の価値観で決めることです。呼吸については辛くない。二酸化炭素が増えてくると麻酔作用に似た状態になるから」
 その結果、翌日の受診はIさんの意志で中止になりました。その1週間後から呼吸が苦しくなり、Iさん・娘さん・医師で話し合った結果、(1)最期まで自宅ですごす。救急車・入院はしない。(2)Iさんが独りになる時間を作らない。
 こうして夫が出勤した後と夕方にヘルパーを、日中は二人の子どもを幼稚園に届けた娘さんが川口市から電車で駆け付けることになりました。(松戸なのはな訪問看護ステーション 佐藤絹子)


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