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協同組合報vol.46

介護の現場から

(5)ALSの方の生きかたを支える<その1>


 Iさんとの出会いは昨年5月。地域の人から「ALSの人のケアマネを探している。なのはなSTなら看護師だから頼めない?」と電話をうけました。ALSなら、人工呼吸器で長期在宅療養を思い浮かべるのが一般的です。引き受けて、担当するケアマネと訪問しました。「はじめまして」と訪問。2階から「どうぞ」と声がします。「2階で生活?」「どうやって暮らしてるの?」はじめから疑問がいっぱいです。
 迎えてくれたIさんは笑顔の素敵な女性でした。その時の状態は、左足は完全に麻痺し、右足も徐々に筋力が低下しており、上肢もまもなく筋力低下が来るだろうことが予測されました。でも呼吸筋にはまだ麻痺が来ておらず、話もでき、食事も普通食を食べているといいます。自由に動くことはままならないので、娘や友人の協力を得て昼間は過ごしていました。夜は、夫が全て介護してくれています。
 そして、発症し始めた頃からの様子を話してくださいました。しかも、姉妹に二人ALSで亡くなった方がいるということで、初対面でしたが「気管切開や人工呼吸器をつけてまで生きようと思っていない」「家族が本当に大変だから」と話してくれました。また、子どもには最初病名を告げることができず、病状が進行してきて病名を告げたとき、子どもからは「結婚できないね。子どももつくれないな」と言われたそうです。そんなふうに子どもに言われて、どんなに辛かったでしょうか。
 ベッドの導入や住宅改修などを勧め、考えられることを提案しました。でも、それはすべてお断りになり「車椅子を借りたい」という希望だけが出されました。そして「夫や息子の食事を作れないことが辛いので助けて欲しい」とおっしゃいます。主婦であるIさんが口頭で指示をして、調理の手助けをするということにして、ヘルパーの導入を行いました。友人の協力を得ながら生活しているIさんは、変化していく病状に、時にはおびえ苛立ちながらも、病気について「もうしょうがないのよね」と葛藤しながら過ごされていました。(つづく)
松戸なのはな訪問看護ステーション・菊池静華)


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