講演する波平恵美子氏
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第2回公開医療倫理講座「終末期医療・在宅で看とること」が、11月18日(土)に初石公民館で開かれました。第1回目の公開講座と比べ、院外の医療・介護・福祉関係者の他、地域からもたくさんの方々が見え、参加者は120名近くにのぼり、会場は一杯でした。
★日本人の死の文化とは
はじめに伊藤総院長より、開会の挨拶と講師のお茶ノ水大学名誉教授・波平恵美子先生の紹介がありました。波平先生は文化人類学の立場から、日本人の死の文化を研究している第一人者です。テーマは「死を意義あるものとする文化―過去・現在・未来」。講演は、どうすれば人間が人間らしく生きられるのか?を追求するのが文化人類学でいう文化であり、死というものを想像できるのは人間しかできないことであるというお話から始まりました。日本人の死の文化は死を言語化せず、儀礼という行為で表す文化だそうです。それを医療の中でみてみると、亡くなられた患者さんへの最後のサービスとして行っている、看護行為でいうところの「湯かん」は死者とのコミュニケーションであり、百年以上前から続いている儀式の一つであると。それは伝統的な死の文化を自然に取り入れてきた証しでもあると言います。
また、未来の死を考えていくと、一人っ子同士の夫婦が3世代続くと、親兄弟従兄弟もいない単身者は身内に看取られることもなく、医療関係者だけが看取るような時代になるのだというお話を聞き、なんとも淋しい気持ちになりました。最後に、死というものに対し、飽くことのない関心を捨てないことが、人間らしく生きること死ぬことにとって重要だと思うというメッセージを伝えて下さいました。
★在宅での看取り、医療の役割
シンポジストの方々
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講演の次に、本間院長より、現在は90%近い人が自宅ではなく、医療機関で最後を迎えているという統計を紹介し、この状況の中で在宅医療をどう考えるのかがとても重要になっているとの基調報告がありました。そして、5人のシンポジストが各々の立場から、「終末期医療・在宅で看とること」について発表しました。
まずは、病院の役割について片岡医師が、終末期の方を自宅に帰す時に、本人・家族の不安を解消するために、病院がどのように関わっているのかを報告しました。訪問看護ステーションの二階堂所長からは、印象的な事例を紹介しながら、自宅で亡くなられた方々は一人ひとり、病院とは違う慣れ親しんだ空間で、人生の最後をその人らしく迎えており、今後もそのお手伝いをしていきたいというお話がありました。
今年4月からスタートした在宅療養支援診療所の戸倉医師は、最後まで自宅で過ごしたいという願いを叶えることは容易なことではないが、ずっと入院していた人に少しでも自宅に帰る機会があることを知ってほしいと訴えました。
★看取った家族の体験から
4人目のシンポジストは、今年の5月に実母を在宅で看取った成岡様に、家族として体験されたことをお話ししていただきました。医師からは余命半年と告げられたのが、2年3ヶ月も頑張れたのは、24時間いつでも連絡が取れる体制があって安心できたことでしたと話されました。その方の主治医だった濱砂医師は、医師として、その方の人生の最後の場面に立ち会わせてもらえることに感謝したい、そして、在宅医療に関わりながら、人として学ばせてもらっていると話され、最後のシンポジストとして、シビアな話題のなかにも笑いも取り、大いに会場を沸かせていました。
フロアーからは、市内で唯一、当診療所以外で在宅療養支援診療所を開設された、大津先生にも発言していただきました。当日司会を担当した私は、会場に響く大きな拍手を聞きながら、会の成功を実感しました。
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