褥瘡ゼロをめざして
みさと協立病院 2南病棟 松原 友紀
2003年にみさと協立病院に入職し、ラップ療法を知りました。最初はラップ療法で褥瘡(■ルビ・じょくそう)が治せるの?と驚きました。しかし、ラップ療法でよくなっていく患者さんをみて褥瘡に興味をもち、もっと携わりたいと卒2の年に褥瘡対策委員となりました。委員会では患者さんの褥瘡を少しでもよくしようと、医師・栄養師・薬剤師・理学療法士・看護師などのスタッフがひとつのチームとなり活動を行っています。
●終末期の褥瘡と格闘して
全身状態が悪くなると、ご飯が食べられない、やせてくるなど、褥瘡のリスクが高くなります。ひとたび褥瘡ができるとどんどん悪化し、難治性の褥瘡となります。ラップ療法で治癒できると確信がもてた頃、終末期患者さんが褥瘡を発生することが続きました。
その中で特に思い出すのが在宅から入院となったMさんでした。Mさんは寝たきりで、在宅療養をされていた時は、お嫁さんが中心に介護をされていましたが、褥瘡もでき大変困っておられたようです。褥瘡は表面的には大きなものではないように見えていましたが、実際入院されたあと見てみると、最大11センチのポケットを有する褥瘡でした。治癒は難しいと思われた褥瘡は、ラップ療法を始め、様々な試みを行い、数ヶ月かかりましたが治癒しました。
しかし、褥瘡が治ったあとも入院が長引き、家族は再び在宅での介護に踏み切れず施設待ちとなりました。その間に吐血というアクシデントもあり、徐々に状態が下り坂になり、小さな親指位の大きさの褥瘡が膝にでき、1週間で膝全体へと急速に悪化してしまいました。ついに右膝はほとんど壊死状態となりました。その後も膝の状態は良くなることはなくMさんは永眠されました。
膝の褥瘡はできてしまうと治すのが困難です。しかし、もっとできることがあったのでは?と自分の無力さを感じ、Mさんのことを思うととても胸が痛みます。
終末期に褥瘡ができ、その褥瘡をもって死を迎えることは、患者さんの苦痛を増やすこと、ご家族の悲しみを強くすることだと感じています。できるだけ人間らしい死の迎え方をお手伝いしたいと思っています。
●褥瘡をつくらない予防ケアを
褥瘡のできやすい条件として高齢、ねたきり、慢性疾患などの様々な要因があります。そしてできてしまうと褥瘡はあっという間にひどくなり、なおるまでには時間がかかります。そして患者さんにとって身体だけでなく精神にも苦痛を及ぼします。
現在、当病棟の褥瘡保有者は1名のみです。しかし、褥瘡発生予備軍の患者さんは多く、スキンチェック、リスクアセスメント、体圧分散、全身状態の管理など患者さん一人ひとりに合ったケアが求められています。
褥瘡はできるべくしてできるのではなく、あきらめず看護を行うことで防ぐことができると思います。褥瘡をつくらない! 褥瘡ゼロをめざして予防ケアに取り組んでいきたいと思います。
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