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協同組合法vol.35

看護NOW(第8回)

1枚のはがき
新松戸診療所 中村弘子

 新松戸診療所が開所して、今年で25年になりました。私は昨年7月に入職しました。

 開所当時はまだまだ働き盛りだった方も、流れる歳月と共に年老い、年金で細々と生活されている中で、診療所へ通ってくださっている方も数多くいらっしゃいます。

 しかし、バブルがはじけリストラ、失業の中で日々の生活自体が困難となり、医療を中断しがちになるというケースが増加しています。生活苦を反映し、生活保護世帯が増加しているのも現状です。

 そのような中で、診療所に通い始めて今年で約12年目になるOさんとの関わりを通して感じたことを報告したいと思います。

 Oさんは61歳の女性で病名は糖尿病とリウマチです。約20年前に夫と離婚、お子さんは3人いらっしゃいますが、現在は娘さんとの二人暮らしです。離婚されてからはスナックを経営されていましたが、不況で収入も思うように入らなくなり、昼はベビーシッターやマネキンの仕事、夜はお店と、寝る間もなく働かなくては生活ができなくなり、治療も中断しがちになっていきました。

 診療所では1995年から数ヶ月ごとに受診のおすすめのはがきを出しました。しかし、中断しがちのまま糖尿病の悪化、2003年頃からは手足の関節痛が出現し、歩行も困難な状況になりました。(後にリウマチと診断されました。)

 ますます働くのも困難となり、2004年ご自分で生活保護の申請に行かれましたが、わずかなアクセサリーや自宅で使用していた浄水器が資産とみなされ、生活扶助の対象ではないと言われ、申請を取りさげざるをえませんでした

 診療所ではスタッフ全員で話し合い、事務長を中心に福祉事務所へ働きかけ、2004年11月に生活保護適用となりました。

2005年3月から8月まで東葛病院へ入院、糖尿病に対してはインシュリンが導入され、リウマチも治療が開始され、日常生活が何とか送れるようになり、現在も定期的に診療所に通所されています。

 最近、Oさんに直接話を聞く機会を得ました。

 「実際にはがきを貰った時はとてもありがたいと思った。いろいろな病院に行ったが、はがきをくれるところなんて他にはない。はがきを貰い診療所へ行かなくてはと思ったが、行けばお金がかかるので行けなかった」と話されていました。私も診療所に入職して間もないころ、診療所の取り組みとして、中断している患者さんをチェックし、はがきを出していると聞きとても驚きました。

 しかし、Oさんのようにありがたいと思ってくださったり、はがきを貰ったからと来てくださる患者さんを目にし、たった1枚のはがきの重要性と温かさを感じました。

 これからも診療所として、患者さんを中断させない努力と、日々の会話や診療の中から個々の患者さんが「何を求めていらっしゃるのか?」「何が問題なのか?」を考え、患者さん中心の医療を提供できるように努力してゆきたいと決意をあらたにしました。


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