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寒いのは大嫌い。温泉も特別好きというわけではない私が、12月に入ってなぜか日光へ行ってきました。日々暮らしているところと寒さの「質」が違うのですね。うっすらと雪を頂いた山が目前に迫り、空気は澄みキリリとしています。寒いのは苦手だけれど、凛とした冷たい空気は清々しく、悪くないな、などと思いながら、僅かに残った紅葉した葉や小さな花に目を留めながらぶらぶら歩きました。
私は日常の中で、季節の移り変わりにとても鈍感なのです。毎日うつむいて歩いているわけではないつもりですが、ある日気づくと、自宅近くの公園の銀杏はすっかり紅葉して「いつの間に……」と思います。そしてまたある日、すっかり葉を落とした銀杏に唖然としてしまうのです。春になると新緑に覆われた木が突然目の前に現れる。そんなことの繰り返し。ぼんやりして歩いているのだろうなと思います。
一緒に仕事をしている職場の仲間が、季節の繊細な移ろいを受け止める感性の豊かな持ち主たちなのです。しかも、草花への思いや知識にめっぽう強い。時に、自分の感性にひどく落ち込んでみたりしてしまいます。
自然が見せる変化に疎い私ですが、私達が毎日接している精神障害者の方々をはじめ、医療や福祉を必要としている多くの人たちにとって、「厳冬」がやってきます。この変化には敏感でなくてはならないと思っています。路傍の花が季節を受け止めるようなしなやかな敏感さを持ちたいものです。
(新松戸メンタルクリニック 山本敬子)
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