話し方・明快、歩き方・颯爽……吉田さんのことを「仕事できそう」と思うのは私だけではないにちがいない。その吉田さんが東京勤医会から健友会に移り、女性としてはまだまだ少ない専務理事に就任した。中野共立病院は建て替え真っ最中、この大変な時期の就任に「よく火中の栗を拾ったね」と言う声もあったそうだが、本人は「決して特別なことではなく、役割なんだと思う」と力まない。
できるかできないかはわからないけれど
「専務に」という話があったとき、「もっと若い人のほうがいいのでは」と思いましたが、健友会に来てみて、思ったよりも大変なことがわかり、とにかく何とかしなければ、できるかできないかはわからないけれど、要請があるのであれば、やるしかないと。自分に力があるかどうかと考えたら、できません。自分で最大限努力して、それでも力が及ばないところは誰かにフォローしてもらう、それが集団の良さですから。
健友会に来て3ケ月余りで専務交代でしたから、健友会の中に「ん?」という感じがあるのは当然のことです。私自身も組織の違いというものを強く感じますから。「ん?」というところから異文化交流みたいなものが始まり、組織が変わっていくんじゃないか。そういう意味での専務就任だととらえています。
私は代々木病院に就職して、ずっと代々木病院しか知らない、事務の「箱入り娘」なんです。その私が勤医会を出てみて、初めて気づいたことがあります。たとえば、勤医会の良さ。勤医会は合同という困難な事業を進める中で、フットワークの軽さ、団結の早さといったものを身につけたんだなと、改めて気づかされています。
今の医療情勢は大変厳しいですから、一つの法人だけで物事を解決できる時代ではありません。人を育てるという意味でも、法人を超えた人の交流はもっと強める必要があります。それを具体的に示すのが私の役割かなと思います。
もう一度地域を見直そう
健友会に来て、病院の現地での建て替えは想像以上に大変だということを実感しています。一つは出向した職員の問題です。東京民医連の支援を受け、約80名の職員が出向しましたが、出向している職員は健友会の職員であって職員でないわけです。労働条件の違い、業務の違い、通勤の問題や子どもの送り迎えなど暮らしに直結する問題など、すべてが違ってくることで、非常に緊張を強いられます。定期的に連絡をとって話を聞いたりしていますが、メンタルな面も含めてどうフォローしていくかは大きな問題です。
地域の患者さんにとっても、代々木病院という連携病院があるのでまだいいんですが、「やっぱり中野でみてほしい」という思いはあります。出向の職員を引き受けてくださっている法人の側の苦労も大きいと思います。
もう一つは、やはり経営問題です。健友会は診療所の存在が大きく、経営的にも法人を支えてきました。数年前までは診療所群で2億ぐらいの利益をあげていましたが、この間の医療情勢の悪化等で一気にマイナス基調になってきました。さらに健友会は介護部門の収益比率が25%と高く、介護がどんどん切り捨てられる今の状況の中では、収益を確保するのがものすごく大変です。
上半期で1億近いマイナス、予算とも1億近い乖離が起きていますので、このままでは大きなマイナスを出すことにもなりかねない。じゃあ、私たちは何をするのか、ということで、もう一度地域を見直そう、共同組織を見直そう、そしてもう一度地域に根ざした医療をつくりあげていこうと。これを正面にすえて、その上で経営問題を考えていこうと職員で意思統一をはかっています。
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